埼玉・彩の国さいたま芸術劇場を管理運営する公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団が、
さいたまゴールド・シアターは、“年齢を重ねた人々が、その個人史をベースに、身体表現という方法によって新しい自分に出会う場を提供する”ため、前芸術監督・蜷川幸雄が、2006年に立ち上げた劇団。一方のさいたまネクスト・シアターは、2009年に若手俳優育成のために創設された。
既報の通り、さいたまネクスト・シアターは8月5日から15日にかけて、埼玉・彩の国さいたま芸術劇場 小ホールで上演される
さいたまゴールド・シアターとさいたまネクスト・シアターの活動終了について、公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団は「蜷川幸雄さんが作られた“ゴールド”と“ネクスト”の二つの大きな流れは一旦止まりますが、 彩の国さいたま芸術劇場は新しい芸術監督と共にその流れを引き継ぎ、次なる活動を考えております。どうぞご期待ください。これまで応援してくださいました多くの観客の皆様、関係者の皆様に心より御礼申し上げます」とコメントしている。
公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団 コメント全文
さいたまゴールド・シアター さいたまネクスト・シアター 活動終了について
蜷川幸雄さんが亡くなられて5年が経ちました。
2006年、彩の国さいたま芸術劇場の芸術監督に就任した蜷川さんは、「演劇経験のない高齢者を集めてプロの劇団を作り、世界へ打って出る」という構想のもと、55歳以上の高齢者による“さいたまゴールド・シアター”を結成しました。折しも日本が高齢化社会に突入する時と重なり、その活動は大きな注目を集めました。公演を重ねるたびに芸術的評価が高まり、国内ばかりでなくパリ、香港、ルーマニアなどの海外から招聘を受けるまでに成長を遂げ、まさに “世界的”な劇団になりました。そして、この活動から「一万人のゴールド・シアター2016」公演やゴールド・アーツ・クラブが結成されたり(昨年解散)、国内の高齢者による演劇活動がより盛んになるなどその影響の大きさを改めて感じる昨今です。
しかし結成から15年経ち、劇団員の平均年齢は81歳を超え、48名で出発したメンバーは現在34名となりました。在籍しながらも様々な理由から活動への参加が困難なメンバーも増えて、劇団のあり方を見直そうと思っていた矢先に、コロナ禍となりました。本年2月に予定していました松井周さんの作・演出の「聖地2030」が公演中止を余儀なくされ、劇団としての活動継続は困難を極めております。こうした状況を踏まえ、苦渋の決断ではありますが、劇団を解散することといたしました。
最後となる作品は、1981年に劇団転形劇場で初演されて以来、国内外で高い評価を得て上演されてきた太田省吾さんの沈黙劇「水の駅」を杉原邦生さんの演出で上演いたします。
また、蜷川さんは2009年に若手俳優の育成を目的とする“さいたまネクスト・シアター”も立ち上げました。国内外の名作に次々と挑戦し実力をつける日々を過ごし、そこから多くの俳優が旅立ちました(44名で出発したメンバーは現在14名)。昨今は様々な舞台や映像で活躍する姿が見られるようになり、当初の目的はある程度達成できたと判断し、今夏の公演で卒業といたします。
最後の公演は、両劇団に最も関わられた岩松了さんの演出で、細川洋平さんの新作戯曲を上演いたします。
蜷川幸雄さんが作られた“ゴールド”と“ネクスト”の二つの大きな流れは一旦止まりますが、 彩の国さいたま芸術劇場は新しい芸術監督と共にその流れを引き継ぎ、次なる活動を考えております。どうぞご期待ください。
これまで応援してくださいました多くの観客の皆様、関係者の皆様に心より御礼申し上げます。
さいたまネクスト・シアター最終公演「雨花のけもの」
2021年8月5日(木)~15日(日)
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場 小ホール
作:
演出:
出演:
さいたまゴールド・シアター最終公演「水の駅」
2021年12月19日(日)~26日(日)予定
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
作:
構成・演出・美術:
出演:
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さいたまゴールド・シアターとさいたまネクスト・シアターが活動終了(コメントあり)
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