さいたまゴールド・シアターの面々が浦和で“徘徊”「よみちにひはくれない」開幕

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「世界ゴールド祭2018」が9月22日に開幕。そのプログラムの1つである、さいたまゴールド・シアター 徘徊演劇「『よみちにひはくれない』浦和バージョン」も同日22日に開幕した。ここでは21日に行われたゲネプロの様子をレポートする。

さいたまゴールド・シアター 徘徊演劇「『よみちにひはくれない』浦和バージョン」より。(撮影:宮川舞子)

さいたまゴールド・シアター 徘徊演劇「『よみちにひはくれない』浦和バージョン」より。(撮影:宮川舞子)

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さいたまゴールド・シアター 徘徊演劇「『よみちにひはくれない』浦和バージョン」より。(撮影:宮川舞子)

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本作は、2014年に岡山で初演された、老いと演劇 OiBokkeShiの旗揚げ作品、徘徊演劇「よみちにひはくれない」の浦和バージョン。20年ぶりに故郷に帰ってきた男・神崎は、子供のころ世話になった薬屋の店主・定国のじいちゃんとばったり出会う。じいちゃんは、認知症で徘徊中の妻を探しているところだと言い、神崎はばあちゃんを探すことにする。

埼玉会館をスタートし、商店街や幼なじみの家など、神崎は記憶をたどりながら街を歩く。ふらふらと進む神崎の背中を、ぞろぞろと追いかける観客たち。観客はいつしか、道行く人の誰が俳優で誰が一般人なのか、また誰が認知症で誰が認知症でないのか、どこまでがフィションでどこからが現実なのか、わからなくなっていく。そしてついに神崎は、ある事実を知り……。

さいたまゴールド・シアター 徘徊演劇「『よみちにひはくれない』浦和バージョン」より。(撮影:宮川舞子)

さいたまゴールド・シアター 徘徊演劇「『よみちにひはくれない』浦和バージョン」より。(撮影:宮川舞子)[拡大]

終演後のアーティストトークには作・演出の菅原直樹が登場。初演では、俳優ではなく商店街の人たちが出演したと話し、「初演は僕が神崎役をやり、あとはほとんど当て書きでした。今回は全員俳優さんなので、“街の人を演じる”という意識でやってもらいました」と述べる。また「上演の半年前ぐらいから浦和へリサーチに訪れて、スタッフさんと相談しながらルートを決め、(場所を借りる)店舗と交渉を重ねていきました」と創作を振り返り、実地稽古では「待機している間に俳優たちが店長と関係を築いたりしていて(笑)、そこにもドラマがありました」と笑顔で語った。

また「よみちにひはくれない」というタイトルは、老いと演劇 OiBokkeShiのメンバーである92歳の看板俳優・岡田忠雄の口癖だと言い、「超高齢化社会を前にした日本で、高齢の方に『よみちにひはくれない』と言われると、また違った響きがあります」と語った。さいたまゴールド・シアター 徘徊演劇「『よみちにひはくれない』浦和バージョン」は本日9月24日まで。

さいたまゴールド・シアター 徘徊演劇「『よみちにひはくれない』浦和バージョン」より。(撮影:宮川舞子)

さいたまゴールド・シアター 徘徊演劇「『よみちにひはくれない』浦和バージョン」より。(撮影:宮川舞子)[拡大]

「世界ゴールド祭」は、昨年2017年に「高齢社会における芸術文化の可能性ー劇場は地域に何をもたらすことができるのか」をテーマに行われた「世界ゴールド祭 キックオフ!」を前提とする、高齢者舞台芸術の祭典。

今年2018年のプログラムにはほかに、60歳以上を対象とした彩の国さいたま芸術劇場の芸術クラブ活動であるゴールド・アーツ・クラブが、ノゾエ征爾脚本・演出で挑む「病は気から」、さいたまゴールド・シアターがイギリスのエンテレキー・アーツ芸術監督であるデービッド・スレイターと共同制作する「BED」、シンガポールの高齢者演劇グループ、グロウワーズ・ドラマ・グループの「カンポン・チュンプダ(チュンプダの村)」などがラインナップされている。

さらにダンスでは、イギリスのサドラーズ・ウェルズ劇場の高齢者ダンスカンパニー、カンパニー・オブ・エルダーズの「新作2018トリプルビル」、オーストラリア・タスマニアを拠点とする高齢者ダンスグループ、マチュア・アーティスト・ダンス・エクスペリエンスの「フロック(ドレス)」が登場。さらにシンポジウムやワークショップ、交流会なども開催される。「世界ゴールド祭2018」は10月8日まで、彩の国さいたま芸術劇場ほかにて。

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さいたまゴールド・シアター 徘徊演劇「『よみちにひはくれない』浦和バージョン」

2018年9月22日(土)~24日(月・振休)
埼玉県 さいたま市(浦和)市街地

作・演出:菅原直樹
出演:手打隆盛、遠山陽一、小山都市雄、曽根千智、田内一子、滝澤多江、堀源起、堀杏子
※初出時よりキャストが追加されました。

世界ゴールド祭2018

2018年9月22日(土)~10月8日(月・祝)
埼玉県 さいたま彩の国芸術劇場 ほか

さいたまゴールド・シアター×デービッド・スレイター「BED」

2018年9月29日(土)
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場、JR与野本町駅(西口)周辺

2018年9月30日(日)
埼玉県 大宮銀座通り商店街

作・演出:デービッド・スレイター
出演:さいたまゴールド・シアター

ゴールド・アーツ・クラブ×ノゾエ征爾「病は気から」

2018年9月29日(土)・30日(日)、10月3日(水)~8日(月・祝)
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール

原作:モリエール
脚本・演出:ノゾエ征爾
出演:ゴールド・アーツ・クラブ ほか

サドラーズ・ウェルズ劇場 カンパニー・オブ・エルダーズ「新作2018トリプルビル」

2018年9月22日(土)~24日(月・振休)
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場 小ホール

振付:エイドリアン・ハート、ディクソン・ンビ、シータ・パテール
出演:カンパニー・オブ・エルダーズ

マチュア・アーティスト・ダンス・エクスペリエンス「フロック(ドレス)」

2018年9月28日(金)~30日(日)
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場 小ホール

振付:グレアム・マーフィー
出演:マチュア・アーティスト・ダンス・エクスペリエンス

グロウワーズ・ドラマ・グループ「カンポン・チュンプダ(チュンプダの村)」

2018年10月4日(木)~6日(土)
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場 小ホール

脚本:ペギー・フェローア
演出:パット・トー
出演:グロウワーズ・ドラマ・グループ

シンポジウム

2018年9月29日(土)・30日(日)
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場 映像ホール

座長:太下義之
ゲストスピーカー:デービッド・カトラー(ベアリング財団 / 英国)、アン・ギャラハー(ルミネイト / 英国)、アネット・ダウンズ(タスマニア・パフォームズ / オーストラリア) ほか

ワークショップ

老いと演劇のワークショップ

2018年9月2日(日)
埼玉県 埼玉会館 7A会議室

講師:菅原直樹

カンパニー・オブ・エルダーズ ダンス・ワークショップ

2018年9月23日(日・祝)・24日(月・振休)
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場 情報プラザ

講師:シモーナ・スコット

ネオン・ダンス ワークショップ&成果発表

2018年9月26日(水)~28日(金)
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場 大練習室

講師:エイドリアン・ハート
※28日18:00~18:30にワークショップの成果発表会あり。

マチュア・アーティスト・ダンス・エクスペリエンス ムーバーズ&シェイカーズ ワークショップ

2018年10月1日(月)
埼玉県 医療法人社団保順会 デイサービス楽らく

講師:ケリー・ドラモンド・コウソン

交流会

2018年9月29日(土)
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場 情報プラザ

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