氣志團×T.M.Revolutionが魅せた「大都会」

氣志團主催の対バンライブシリーズ「極東ロックンロール・ハイスクール 第弍章」の最終公演「T.M.Revolution vs 氣志團～妖精達の夏物語～」が、8月11日に東京・Zepp Tokyoで開催された。

この日は開演前からT.M.Revolutionのライブでおなじみ「turbo」コールや手拍子が起こるなど、会場が熱気に包まれていた。そして開演を迎え、微熱DANJIによるオープニングの小芝居がスタート。彼らはコミカルなやりとりの中に氣志團のファンを「KISSES」と呼ぶこと、氣志團のメンバーごとに存在する“推し色”といった基礎知識をT.M.Revolutionのファンにレクチャーした。

笑いの絶えない小芝居を経てT.M.Revolutionが登場。ツインギター、ベース、ドラムからなるバンドを従えた西川貴教は序盤からフルスロットルのパフォーマンスを展開した。重厚なサウンドにアレンジされた「HIGH PRESSURE」「HOT LIMIT」「WHITE BREATH」とヒットナンバーを連発しながら「ラストにふさわしい精一杯の試合をさせてもらいます！ 暴れる準備はできてるか！」と終始オーディエンスを煽った。

途中のMCではKISSESに「『お前今日半ズボンじゃないじゃん』って思っていること、すごくわかってます」と長ズボン着用の西川が笑いを取る。そして「脱いでー！」という声援に対して「脱がせるかどうかはあなたたち次第でございます！ 突き破れるのか！」と返し、「突キ破レル - Time to SMASH!」に。ベースのスラッピングやドラムのメリハリのあるリズムによって再び盛り上がっていくオーディエンスの前で、西川は着ていたジャケットを頭上に放り投げた。

後半はバラエティ豊かな内容に。西川は「途中で別のモノを想像してしまうかもしれませんが、それを押しのけて僕を見てください！」と“股間ソング”として知られるCMソング「Phantom Pain」を情熱的に披露する。続いて西川が水樹奈々とのデュエット曲「Preserved Roses」「革命デュアリズム」を歌い、オーディエンスは水樹のパートを合唱。会場に強い一体感が生まれた。さらにラストには氣志團「喧嘩上等」をサンプリングや打ち込みを加えたヘヴィなアレンジでカバー。T.M.RevolutionはKISSESをも魅了する圧倒的なステージを展開した。

出演者2組の楽曲をノンストップでつなぐ場内BGMでオーディエンスが振り付けを行うなど、転換中でも興奮冷めやらぬ会場に氣志團が登場。「ウィーアー氣志團！」と綾小路翔（Dragon Voice）が宣言すると同時に「好きにならずにいられない」のシンセサイザーの音が鳴り響いた。楽曲の後半では数人の黒子が出現し、綾小路の衣装を剥ぎとる。その下に全裸スーツを着込んでいた綾小路は、歓声の中で堂々と歌を披露していく。そして2曲目「高校与太郎組曲 -喧嘩ボンバー-」でも綾小路と早乙女光（DANCE, SCREAM）がおよそ2倍の身長に変形した姿でパフォーマンスを繰り出す。彼らのステージは序盤からギミック満載の内容となった。

MCで綾小路は西川に対して「最強です」と評価し、「小細工は通用しない相手に我々が一体どう対抗すればいいのかと考えぬいて出てきたのが……冒頭の小細工です」と自らを比べて観客の笑いを誘う。そして西川がカバーした「喧嘩上等」のクオリティに「獅子は兎を倒すのにも全力を出すとはこういうことかと。鳥肌が立ちました」と感想を言いながら「本来はどれだけしっとりした曲なのか、8分の1の迫力でお届けします」とオリジナルバージョンをプレイした。一方ライブ後半で彼らは「ONE NIGHT CARNIVAL」でA、Bメロの歌詞と西園寺瞳のギターリフを「HOT LIMIT」に替えて披露。西川同様に両者のファンを熱狂させるという一幕を作り上げた。

アンコールで綾小路は再び西川をステージに迎え入れ、「まさか一緒のステージに立てるなんて10年前は思いもしなかった」「カニ食べに行ったりしますか？」などのトークで会場を沸かせる。そして2人は千葉出身の氣志團と滋賀出身の西川が東京で出会えたということや、おたがいの声域が生かせるという理由からクリスタルキング「大都会」を歌唱。このカバーでは綾小路がA、Bメロの低音パートを、西川がBメロとサビの高音パートをそれぞれ担当した。西川が勢いよく「ああ 果てしない 夢を追いつづけ」と歌い始めると会場からはその声量に驚きの声と拍手が上がる。楽曲の終盤では歌う2人の周囲で早乙女が西川の「HOT LIMIT」の衣装のコスプレをして登場。この日のステージは最後までバラエティ豊かな内容となった。

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