Task have Funのニューアルバム「Have Fun Days」が3月19日にリリースされる。
今年結成9周年を迎えるTask have Funの最新アルバムは、新曲「Only one」「Jewelry Betty」「Lucky Girl」を含む計9曲入り。Taskらしい疾走感あふれるアッパーチューンは健在ながら、大人に成長した今だからこそ醸し出せる魅力も各楽曲に詰まっている。
本作の発売に向けて、音楽ナタリーでは熊澤風花、白岡今日花、里仲菜月の3人にインタビュー。アルバムの話はもちろん、グループの近況や、5月に行われる結成9周年記念ツアーとその直後に開催される東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)での結成10周年キックオフワンマンライブへの意気込みなどを語ってもらった。
取材・文 / 近藤隼人撮影 / はぎひさこ
成長を感じた瞬間はワンマン後の乾杯
──Task have Funはもうすぐ結成10年目に突入します。アイドルファンでTask have Funのことを知らない人はいないと思いますが、長く活動している分、グループとの関わりの密度は人それぞれ。以前ライブを観たことはあっても最近の活動を追えていない人などもいると思います。そこでニューアルバムの話に入る前に、Task have Funの近況について話を聞かせてください。ざっくり言うと、「最近のTaskどう?」という。
白岡今日花 この9年間いろんなことをやってきましたが、結成当初は中学生でかなり幼かったですし、大人になってできることがすごく増えましたね。去年は自分たちでライブをプロデュースしましたし、大人の方と深いところまで話しながら自分たちでステージを作り上げられるようになりました。それは今のタスクならではだと思います。
──歌って踊るだけではなく、ライブのクリエイティブな部分まで関わるとなるとやり甲斐を感じますか?
白岡 そうですね。すごく楽しいです。メンバー各々得意なことや好きなことが違うので、それぞれの個性に合ったものに挑戦させてもらえています。ほかのメンバーを見ていて「すごい才能があるな」と思ったりしますし、ライブの制作に深く関わることでパフォーマンス面の向上にもつながったりするんですよ。
里仲菜月 Task have Funはメンバー3人の個性を大事にしてきたグループで、それは今も変わらないんですけど、大人になるにつれて自分が表現したいものも出てきました。自分が思う個性を自らアピールできるようになったり、グループの活動だけじゃなく個人でのお仕事も充実してきたり。去年はメンバー1人ひとりが輝いてる姿を見せられたんじゃないかなと思います。
熊澤風花 昔は目の前のことに集中してとにかく全力でステージに挑んでいましたが、最近はそれに加えて、その時々のライブの雰囲気を感じ取れるようになって。活動を重ねる中で、お客さんの盛り上げ方や会場の一体感の作り方を学んできました。
──パフォーマンス以外の面でも、大人になったと感じる瞬間はありますか?
白岡 去年10月にワンマンライブを開催したとき(参照:Task have Funは進化し続ける!初の試み満載、ひと味違ったワンマンライブ「Search」)、終演後に楽屋で3人そろってビールで乾杯しました(笑)。
里仲 大人になったなと感じましたね(笑)。あのときのビール、おいしすぎてびっくりしました。
熊澤 ね。すごくおいしかった(笑)。
白岡 私たちのことを幼い頃から見てくれているスタッフさんも感慨深い気持ちになっていました。
里仲 スタッフさんが生ビールを用意してくれたんですよ。ワンマン後にビールを飲むの、恒例にしたいです(笑)。
3人それぞれに感じる最近の変化
──メンバー1人ひとりにフォーカスしても、それぞれ活動スタイルや仕事への意識に変化が出てきているのではないでしょうか。例えば、里仲さんは去年からグラビアにも挑戦しています。
白岡 なっちゃん(里仲)はグラビアを始めて美意識が高まったのか、自己管理がすごく上手になりました。体型維持など体の面はもちろん、気持ち的にも明るく元気になった気がします。
里仲 健康そうなタイプに思われがちなんですけど、意外と風邪とか引きやすくて。たぶん日頃の生活がちゃんとしていなかったんですよね。ダイエットレシピで自炊したり、起床時間に気を付け始めてからは、気持ちもポジティブになりました。今、すごく充実しています。やっぱりグラビアを始めたことが大きくて、以前は自分の体型にこだわりがなかったんですけど、グラビアでは自分の体型を隠せないし、健康的な体作りを意識していくうちにそういう生活にハマっちゃいました。試してよかったものをメンバーに勧めたりもしています。
白岡 けっこう圧強めにね(笑)。
里仲 (笑)。最近は白湯にハマっています。寝付きがよくなるし、朝起きて飲むと目覚めがいいんです。飲む日と飲まない日では体の調子が全然違います。
熊澤 「内臓を冷やしちゃダメ」ってよく言ってきます(笑)。
里仲 とにかく丁寧な生活を送っていますね。いわゆる朝活をしていて、例えば昼の12時からお仕事があるとしたら、8時からサウナに行ったり。本当に心身ともに健康になりました。
──続いて、熊澤さんについてはいかがですか? アイドルとしてのキャリアは12年近くありますが、まだ22歳ですし、今も進化している最中だと思います。
白岡 ふうちゃんは自分の意見をはっきり言えるようになったと思います。すごく優しい性格なので、前はグループやほかのメンバーのことを一歩引いて見ているような印象があって。ふうちゃんに我慢させてしまってるのかなと思うときもあったんですけど、最近は自分の意見を遠慮なく言ってくれます。去年はライブの演出にも挑戦して。パフォーマンスについても意見を言ってくれますし、それによってグループ全体の士気が高まっていると思います。
里仲 演出で才能をすごく発揮しているよね。細かいところにまでこだわってくれますし、出してくれるアイデアがすごく素敵なので、“熊澤プロデューサー”という感じです。
熊澤 私はお客さんとしてアイドルを観るのも、自分がステージに立つのも両方好きで。ライブに対してこうしてみたい、ああしてみたいという思いがあったんですけど、前はそれを実現する勇気がなかったんです。でも去年、ライブの演出をする機会をいただけて、挑戦してみたらどんどん自信が付きました。自分のアイデアをファンの皆さんがどう受け取るのか不安もあったんですけど、すごくいい反応が返ってきて。新しいアイデアがどんどん湧いてきて、去年はその相乗効果でとても楽しい1年でした。
里仲 本当にアイデアがたくさん出てくるんですよ。
白岡 勉強熱心で完璧主義の性格が、演出のお仕事と合っているんだと思います。
熊澤 自分で決めたことをやり遂げないと気が済まないというか、うずうずしちゃう性格なんです(笑)。
──最後、白岡さんについてはいかがでしょう? ライブのMCで進行を担当する場面が多いですが、安定感のあるトークの磨きがかかっているように感じます。
熊澤 今日花は去年、番組のMCのお仕事をしたり、3人の中で一番忙しかったと思うんですけど、「あのときああ返しとけばよかったな」と1人で反省会をしている姿を見てすごくがんばってるんだなと感じました。新たな一面を見れましたね。
里仲 今日花も勉強熱心で、ライブの動画を観返していることも多いですし、ちょっとした変化に気付くところも素敵だなと思います。去年は特に、今日花にハッとさせられることが多かったです。
白岡 去年は「@JAM EXPO」の選抜ユニットである@JAM ALLSTARSのメンバーに選んでいただいたり、本当にいろいろなことに挑戦させていただきました。特にMCのお仕事に関しては自分の中で「もっとがんばりたい」と思ってかなり勉強をしました。
里仲 楽屋で反省会をやりつつも、思い詰めているわけではなくて。大変なときもあると思うけど、すごく楽しそうにやってるので、その姿に私たちもいい刺激をもらえています。
勢いだけじゃないTaskを見せていかなきゃいけない
──ニューアルバム「Have Fun Days」にも、グループ全体やメンバーそれぞれの成長が表れているように思いました。
里仲 前回のアルバムはかわいい曲もあればロックな曲やエモい曲があったりと、いろいろな楽曲を並べた作品だったんですけど、今回は全体的に大人びた雰囲気で統一されている印象があります。かわいい系の曲でもちょっと大人な要素が入っているし、曲の難易度も高くなっているので9年間で培ったスキルを体感してもらえると思います。
──では、収録曲の中からまずは新曲3曲について話を聞かせてください。3トラック目の「Only one」は、さわやかなバンドサウンドのナンバーです。
熊澤 「Only one」は明るくホップな曲なんですけど、歌詞がとても深いんです。ファンの方には「一緒に歩んでいこうよ」というメッセージを感じながら聴いてもらいたいです。
白岡 歌詞を通して、“ファンの方から見た私たち”が描かれているように感じました。ステージで輝いてるアイドルに向かって「Only one」と伝えているイメージで、Taskのファンの方たちも私たちに対してこんなふうに思ってくれてるのかな、と考えながらレコーディングしました。
里仲 明るいけどエモーショナルな曲で、セットリストのどこに配置されるかによって響き方が変わってくるんじゃないかな。盛り上がる曲にもなるし、泣ける曲にもなる。ファンの皆さんに刺さる1曲だと思います。
──新曲の中でも「Only one」はTask have Funらしいサウンドや歌い方の楽曲だと思いますが、続く4曲目「Jewelry Betty」は大人びたメロウなポップスに仕上がっていて、柔らかな歌声がかなり新鮮です。
白岡 初挑戦のジャンルで、歌も振付もちょっとジャズっぽい雰囲気でけっこう苦戦しました。がんばって表現を研究したので、今のTaskだから出せる大人っぽさを醸し出せているんじゃないかと思います。
里仲 私としては、今までの曲の中でレコーディングに一番苦戦しました。ボイストレーニングでたくさん練習したはずなのに、全然歌えなくて……音程の上がり下がりがかなり激しいんですよ。もっとしっかり歌いこなせるようになったら、Taskの新たな強みになる曲だと思います。
白岡 Taskの曲はロックなサウンドだったり、元気のある歌い方をしていたり、勢いがあってライブ映えするものが多いじゃないですか。そういった曲と比べると「Jewelry Betty」は歌のスキルが顕著に現れる曲で。これからは勢いだけじゃないTaskの表現を見せていかなきゃいけないですし、新しいTaskの姿をファンの皆さんに受け入れてもらえたらうれしいです。
熊澤 私は仮歌を聴いたときに「これを私たちが歌うとどんな感じになるんだろう?」と楽しみになりました。私はセリフパートを担当しているんですけど、そこは一発OKでした(笑)。
里仲 そうだったんだ!
──歌唱面での成長は、自分たちでしっかりと自覚できていますか?
熊澤 ボイストレーニングやレコーディングを重ねていく中で、スタッフさんに褒めていただくことが昔より増えてきたので、ちょっとずつ上手になってるのかなと思います。
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メンバーはもはや幼馴染みたいな感覚