1991年にアルバム「FLASH PAPA」でメジャーデビューを果たし、以降さまざまな変遷を経ながら活動を続けている電気グルーヴ。彼ららしい人を食ったようなタイトルが付けられた今回のツアーには、電気のアニバーサリーイヤーを祝うべく多くのファンが参加し、レア曲を詰め込んだセットリストからなるライブを堪能した。また東京公演の2日目にはメジャーデビュー以降の歴代メンバーであるCMJKと
緞帳が開くと真っ白な大階段の上でビシッとポーズを決めた
「続いての挑戦者を呼びましょう」という瀧の紹介で登場したのは、アルバム「VOXXX」をともに制作し、同アルバムのツアーにも参加したDJ TASAKAだ。彼は現れるなり小島よしおのモノマネで観客にアピールし、「浪曲インベダー」「ドリルキング社歌」の2曲を卓球と瀧とともにパフォーマンス。「浪曲インベダー」はほとんどライブで披露されていない曲とあって、イントロが鳴るなり「ウオー!」という歓声が起こり、フロアは大盛り上がりとなった。そしてTASAKAと入れ違いで、次の“挑戦者”であるスチャダラパーが登場する。Boseが「聖☆おじさんが戻ってきました! 電気グルーヴ、25周年おめでとうございます!」と高らかに叫んだことを機に、SHINCOが繰り出すトラックに乗せて卓球、瀧、Bose、ANIの4MCによる「聖☆おじさん」が披露された。仲良くセッションを始めた2組だが、MC中に瀧がお客さんに渡すために用意していた1000円をANIが盗んだという疑惑が浮上。仲裁に入ったBoseの「お互いラップで勝負しろ!」というひと言から、ANIの先攻でラップ対決が勃発した。そして2人ともシリアスなトラックに乗せて渾身のラップを繰り出し、瀧の「こうやって気持ちをぶつけてみるのもいいもんだな」という言葉をもって仲直り。ANIと瀧が「Unity!」とガッツリ握手を交わし収録用のカメラに向かってアピールすると、Boseが「せっかく電気とやるなら、“心のベスト10 第1位”があるんだよ。みんなの大好きな、あのラップで締めようじゃないか」と「今夜はブギーバック」へとつなげる。曲の途中で一旦退場していた牛尾も合流して、先輩たちを横に熱唱。最後はスチャの音頭で「電気グルーヴ」のコール&レスポンスが繰り広げられ祝福ムードが漂った。
スチャ退場後は再びプロジェクションマッピングを交えながら、「完璧に無くして」を皮切りに新旧のナンバーが披露される。そして「21世紀もモテたくて…」が始まると、スペシャルゲスト・天久聖一が登場した。網タイツに身を包んだ体をポリバケツに入れ、ゴミをあしらった金髪のウィッグを被り、足元はティッシュ箱という天久の奇妙なファッションにメンバーも客席も大爆笑。パフォーマンスは無事完遂されるも、卓球は「もう帰って!」と容赦なく言い放ち、天久も「明日はあなたのマンションのゴミ置き場にいるかもしれませんよー」というセリフを残してぎこちない足取りで去っていった。
ここまでですでに1時間半が過ぎていたが、ライブはまだまだ中盤戦。卓球は「無理しなくていいよ! 無理して観るもんじゃないから!」と観客に呼びかけ、このあともマイペースなライブを展開することを予告し、自由奔放なトークになだれ込んだ。卓球が観客を引かせるマシンガントークを炸裂させると、瀧は「俺はそんなお前が好きだよ」と告白。しかし卓球は「俺はそうでもない!」と笑いながら返し、突然「『TOKYO TRIBE』の竹内力のモノマネしてよ。にしおかすみこのマネも入れて」と再びムチャ振り。ステージのカオスっぷりが最高潮に達したところで、最後のゲストである砂原良徳が呼び込まれた。彼は「瀧の曲をいっぱいやります」と人生の「俺が畳だ!殿様だ!」を皮切りに、自身が在籍していた時代の楽曲を中心にメドレーでつないでいった。特に盛り上がりを見せたのは「ママケーキ」。途中まで普通にシンセを弾いていた砂原だが、曲の終盤でマイクをつかむとステージ中央へ。そして卓球や瀧とマイクリレーを繰り広げ、さらには踊りまで披露。まさかのコラボレーションにオーディエンスは激しく沸き立った。
その後、「Shangri-La」をもって砂原参加のブロックは終了。卓球は「いよいよ終わりを迎えます、人生が!」とうそぶき、再び客を置いてけぼりにするトークを瀧とともに繰り広げる。脱線気味のトークに自ら「もう楽屋で話そう!」と終止符を打つと「ま、そんな感じで、今後ともよろしくお願いします」と挨拶。そして「モノノケダンス」からノンストップでラストスパートをかけていく。クライマックスでは「一番古い歌詞でお送りします!」という言葉から「N.O.」の原曲である「無能の人」と、1990年にインディーズで発表された1stアルバム「662 BPM BY DG」に収録されているバージョンと同じ歌詞およびアレンジによる「電気ビリビリ」がパフォーマンスされフロアの狂騒状態はピークに達する。スモークがフロアにも大量に噴射され、刺激的な余韻を残して「塗糞祭」は終幕を迎えた。
なお「塗糞祭」最終日の模様は12月21日(日)にWOWOWにてオンエアされる。視聴可能なファンは、狂乱の一夜の模様を番組で追体験しよう。
電気グルーヴ「電気グルーヴ25周年記念ツアー “塗糞祭”」
2014年11月8日 Zepp Tokyoセットリスト
01.
02. Twist of the world
03. MUD EBIS
04. B.B.E.
05. Hi-score
06. ザ・ケトルマン
07. ビコーズ
08. マイアミ天国
09. Bingo!
10. 浪曲インベダー
11. ドリルキング社歌
12. 聖☆おじさん
13. ANI vs 瀧
14. 瀧 vs ANI
15. 今夜はブギーバック
16. 完璧に無くして
17. FLASHBACK DISCO
18. Baby's on Fire
19. 21世紀もモテたくて…
20. 俺が畳だ!殿様だ!
21. ポパイポパイ
22. ちょうちょ
23. お正月
24. 富士山
25. ママケーキ
26. Shangri-La
27. モノノケダンス
28. Upside Down
29. Fake it!
30. スマイルレス スマイル
31. ジャンボタニシ
32. カメライフ
33. 無能の人
34. 電気ビリビリ
WOWOWライブ「電気グルーヴ25周年記念ツアー“塗糞祭”」
2014年12月21日(日)23:00~
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