OSHIKIKEIGOと加藤清史郎が語る、ドラマ「君が死刑になる前に」の主題歌「ReTake」に見出す希望

OSHIKIKEIGOにとって初のドラマタイアップとなる「ReTake」が配信リリースされた。

「ReTake」は加藤清史郎が主演を務める読売テレビ・日本テレビ系ドラマ「君が死刑になる前に」の主題歌。ドラマの脚本を読んだOSHIKIは、大切な人を思うあまり揺れ動く感情を歌詞やサウンド、歌唱を通じて表現している。

「ReTake」のリリースを記念して、音楽ナタリーはOSHIKIKEIGOと加藤清史郎の対談をセッティング。特集前半では加藤が音楽好きならではの鋭い視点でこの曲の感想を語り、OSHIKIは俳優業へのリスペクトや台本に初めて目を通した際の率直な思いを加藤に伝える。後半には、主題歌のテーマとも言える「信じること」を軸に新曲のこだわりを明かす、OSHIKIのソロインタビューを掲載する。

取材・文 / 天野史彬撮影 / 入江達也

OSHIKIKEIGO×加藤清史郎 インタビュー

加藤清史郎は「ReTake」に希望を感じた

加藤清史郎 「ReTake」、聴かせていただいてます。

OSHIKIKEIGO ありがとうございます。

左からOSHIKIKEIGO、加藤清史郎。

左からOSHIKIKEIGO、加藤清史郎。

加藤 (取材部屋の窓を見て)今、太陽がまぶしいじゃないですか。

OSHIKI はい。

加藤 このまぶしさとは違うまぶしさ、というか、明るさ。薄白い光のような曲だなと思いました。人類に対しての希望を感じられるような曲だなと。「ReTake」では「撮り直そう」と歌われますけど、もちろん、撮り直せないものってたくさんありますよね。

OSHIKI そうですね。

加藤 そのうえで、あえて「リテイク」と歌っているところがとても素敵だなと思いました。歌詞にドラマのテーマにつながるものも入っていますけど、曲全体としてはもっと大きく、「人間、まだ捨てたもんじゃないよね」と伝えている。そんな曲のように感じました。

OSHIKI 曲を作っていて思うのが、「どこかに救いがあってほしい」ということなんです。真っ暗闇は悲しすぎるので。そこが伝えられているのならうれしいなと思います。

加藤 曲調も含めて、すごく繊細な曲かと思いきや、まっすぐにストレートを投げてくる曲ですよね。そこに僕は希望を感じました。

加藤清史郎

加藤清史郎

台本を読みながら「別の脳を使っている気分」

OSHIKI 僕、ドラマの主題歌を作るのはこの曲が初めてだったんですけど、台本というものを読むのも初めてで。難しかったですね。例えば小説だったら、読む人が想像しやすいように、動作を丁寧に書いてくれるじゃないですか。でも、台本は大きな余白が残されていますよね。それは俳優さんたちの解釈の余地を生むためなのかもしれないけど、曲を作るにはそこがすごく大変で。別の脳を使っている気分でしたね。

加藤 そっか……。それは僕が味わったことのない感情ですね。僕は小さい頃から台本を読んで育ったので。

OSHIKI それは、「小説を読むときとは別の脳を使っている」みたいな感覚もない?

加藤 うん、意識したこともなかったです。

OSHIKI 僕は台本を最初に見たとき、「口語ばっかりだ!」と思ったんです。会話以外の余白的な部分は僕の脳で補わなきゃいけないんだ、と。「会話だけを見て、さまざまな登場人物の背景をイメージするということを、俳優の方々は当たり前のようにやっているんだ」と考えるとすごいなと思いました。あと、僕は曲を作るときに編曲も自分でやるんですけど、もしかしたら編曲はドラマの監督さんの立ち位置に近いのかなとも。編曲をやるとき、ギタリストやピアニスト、ベーシスト、ドラマー……そういった演奏者の方々にとって、ある程度の余白があることが大事だと思っていて。そのほうが、演奏者たちの生きてきた形跡が曲に反映されるんじゃないか。そうすることで、そのときにしか作れない曲のアイデンティティが生まれるんじゃないか。そう信じているんです。

OSHIKIKEIGO

OSHIKIKEIGO

加藤 なるほど。そう思うと、ドラマ作りと音楽作りには親和性があるのかもしれないですね。「君が死刑になる前に」における琥太郎、隼人、凛ってバンドにおけるベース、ドラム、ギターみたいなことなのかも。その全体を見るのが、ドラマにおける監督さんや、音楽におけるプロデューサーさんの役割なのかもしれないし。確かに「みんなで作っている」という意識は強いです。