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田中あいみ「『優柔不断 with 木梨憲武・所ジョージ』」ジャケ写

田中あいみ 「優柔不断 with 木梨憲武・所ジョージ」

究極のアマチュアリズムを体現した大人の“遊び”がここに──長年のトリオ感から匂い立つ提言「音楽に年齢は関係ない」

文 / ナカニシキュウ

木梨憲武・所ジョージ・田中あいみトリオの勢いが止まらない。昨夏、シングル「NAZO with 木梨憲武・所ジョージ」を華々しく世に送り出したこのチームが、このほど第2弾シングル「優柔不断 with 木梨憲武・所ジョージ」をリリースした。その好相性ぶりは、まるで長年活動をともにしてきたかのような盤石の空気感すら漂わせており、「え、まだ第2弾なんだっけ?」と面食らったファンも少なくないのではなかろうか。

元をたどれば、木梨のラジオ番組「土曜朝6時 木梨の会。」(TBSラジオ)に田中がゲスト出演したことがきっかけとなって制作・配信リリースされた、2024年8月の「ドアを開けてみた with 木梨憲武」が事の発端だった。続けざまに「仁川エアポート with 所ジョージ」も同月にリリースされ、“木梨のプロデュースと所の作曲で田中が歌う”構図が既成事実として成立。このトリオが満を持してシングル表題曲として発表した楽曲が前述の「NAZO」だった、という流れだ。

この手法が木梨と所の“お家芸”であることは、おそらく多くの人が知るところだろう。2人はこれまでにも新浜レオンや青山新などを同様の手法でプロデュースしてきており、そこには「ラジオで知り合った有望な若手歌手を自分たちの遊び場へ招き入れて一緒に遊んでしまおう」という、いわば究極のアマチュアリズムが息づいている。まずは自分たちが面白いと思うことを即断即決で実行し、“大人の事情”についてはあとで調整すればいいというスタンスだ。しかし、ただのアマチュアリズムとは決定的に異なり、その“遊び”に登場する人物はもれなく超一流のプロフェッショナルばかり。おそらく彼らは「みんなも同じようにやればいいのに」と事もなげに言うだろうが、多くの人にとってそれはまったく容易なことではない。

そんな71歳児・所と64歳児・木梨と並び立ちながら、まるで2人を従えるかのように君臨する25歳・田中の圧倒的な存在感が、冒頭で述べた“長年のトリオ感”を醸成していることは間違いない。新曲「優柔不断」におけるそのパワフルなボーカルの圧力と支配力は前作「NAZO」を優に凌駕しており、完全にこの座組における自らのポジションを確立した感がある。彼女のシンガーとしての新たな地平を切り拓くと同時に、「音楽に年齢は関係ない」という定型文の正当性をも改めて示すシングルといえる。

田中あいみ「優柔不断 with 木梨憲武・所ジョージ」MUSIC VIDEO

田中あいみ「『優柔不断 with 木梨憲武・所ジョージ』」
2026年4月22日(水)配信開始 / 日本クラウン
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作詞・作曲:所ジョージ
編曲:矢吹俊郎、沼井雅之
プロデュース:木梨憲武

田中あいみ(タナカアイミ)

田中あいみ

2000年7月26日生まれ、京都府出身の歌手。両親の影響で幼少期より演歌や歌謡曲に興味を持ち始める。小学3年生から地元の歌謡サークルに所属。数々の大会に出場し、2019年に「日本クラウン 新人歌手オーディション」でグランプリを獲得。2021年11月にシングル「孤独の歌姫(シンガー)」でメジャーデビューを果たす。2022年の「第64回日本レコード大賞」において最優秀新人賞を受賞した。