KID FRESINO、東京ガーデンシアターで最高到達点を示した単独ライブ「21」

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ラッパー / プロデューサー / DJのKID FRESINOが2月8日に東京・東京ガーデンシアターにて単独ライブ「21」を開催した。

KID FRESINO(Photo by Daiki Miura)

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最高到達点を象徴する公演

KID FRESINO(Photo by Ray Otabe)

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2018年1月に東京・UNITで行ったバンド形態での初ライブを皮切りに、「FUJI ROCK FESTIVAL」をはじめとする音楽フェスへの出演や単独ツアーを重ねながら、会場規模を着実に拡大してきたKID FRESINO。2018年リリースの「ài qíng」、2021年リリースの「20,Stop it.」は、当初ヒップホップのトレンドから切り離された孤高の作品とも捉えられがちであったが、歳月を経て、多様化が進む近年のシーンに違和感なく溶け込んでおり、後進アーティストにとってのマイルストーンとなった。

KID FRESINO(Photo by Daiki Miura)

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満員のオーディエンスがひたむきな眼差しで注視する今回のステージは、KID FRESINOが更新し続けてきた最高到達点を象徴するものだ。

亡き友への思い込めた楽曲で幕開け

Kazuhiko Fujita(Photo by Ray Otabe)

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Fla$hBackS第4のメンバーとも評されるデザイナーのKazuhiko FujitaがバックDJとしてブースに立つと、彼がプレイしたのはアメリカのフォークロックグループ、The Mamas & the Papas「Dedicated To The One I Love」。大切な人に捧げる祈りと遠く離れていても変わらない絆を歌ったこの曲は、急逝した2人の大切な仲間、FebbとJJJへの思いを託したものだろう。

KID FRESINO(Photo by Ray Otabe)

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ステージに現れたKID FRESINOはこの曲が終わるのを待つと、JJJが残した楽曲「Kids Return」のカバーでライブの口火を切った。驚きと熱狂が渦巻く中、続いたのは正式リリースされていないKID FRESINOの代表曲の1つ「Eazy Breezy」。所属していたFla$hBackSを離れ、ソロ活動の決意を込めたリリックに改めて向かい合う。

ISSUGI「XL」で熱く激しくスピット

ISSUGI(Photo by Daiki Miura)

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ここで1人目の客演として登場したISSUGIが自身の楽曲「XL」を披露すると、KID FRESINOはこの日のために新たに書いたリリックでISSUGIのラップに呼応。以前と変わらずDogear Recordsに所属しながら、音楽性の大きな変化が象徴する彼にとってのヒップホップのリアルを熱く激しくスピットする。

ISSUGIとKID FRESINO。(Photo by Ray Otabe)

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その後、KID FRESINOはDaichi Yamamotoとの2ステップナンバー「Let It Be」、IOとのエレクトロファンク「Special Radio」という人気曲を1人でラップ。後者の楽曲ではドラマーの石若駿がトラックに生演奏を重ねると、そのパートを呼び水に不動のバンドメンバーたちが現れ、そのままDJセクションからバンドセクションへとスムーズに移行した。

石若駿(Dr)(Photo by Daiki Miura)

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折坂悠太が新曲にブルースの息吹を注入

KID FRESINOとバンドメンバー。(Photo by Daiki Miura)

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石若、三浦淳悟(B)、佐藤優介(Key)、斎藤拓郎(G)、小林うてな(Steel Pan, MainStage)、西田修大(G)という日本屈指のプレイヤーが集結したKID FRESINOのバンドは、長年に渡って練り上げられたアンサンブルが物語る通り、バックバンドの域を超えた有機的な音楽磁場を形成している。

折坂悠太(Photo by Daiki Miura)

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ドラムカウントからぐんぐん高度を上げる「No Sun」、ラテンリズムを刻むクールなアレンジで初披露された「Cherry Pie」からトランシーなギターとドラムンベースのリズムパターンが絡み合う新曲に雪崩れ込むと、客演の折坂悠太がジャパンブルースの息吹きを注入。続く「AOS」はジョイ・オービソンやOvermonoのガレージトラックに共鳴したタイトなグルーヴをたたみ掛けるようなラップと生演奏で具現化した画期的な1曲だ。ここからスリリングな流れを一端切って、肩の力を抜いた「Salve」、カネコアヤノのパートを会場の大合唱が担った「Cats & Dogs」を挟み、ラップと演奏が生み出す複数の変拍子が織りなす代表曲「Coincidence」が披露された。

NENEと示した自由な精神性

KID FRESINOとCH.0。(Photo by Daiki Miura)

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DJのCH.0が登場し、再びDJセットにスイッチすると、電気グルーヴの「Upside Down」から、この曲を再構築したKID FRESINOの楽曲「USD」へシームレスに展開。そこにKID FRESINO同様、ヒップホップとダンスミュージックの融合を推し進めてきたNENEが加わり、代表曲「Arcades」では2人が体現するヒップホップの自由な精神性が瑞々しく花開いた。

NENEとKID FRESINO。(Photo by Daiki Miura)

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その後はラウンジーな「rose」、KID FRESINOがKEIJUにUKマナーのビートを提供した楽曲「SAYSUM」、JJJプロデュースの「LOVE」と続き、DJセットを締めくくったのはJJJがFebbに捧げた「Beautiful Mind」のカバー。ステージには光の柱が浮かび上がった。

ハナレグミ、YONCEもステージへ

ハナレグミ(Photo by Ray Otabe)

ハナレグミ(Photo by Ray Otabe) [高画質で見る]

彼らの“美しい魂”を浄化するように、再度のバンド形態で演奏されたのは「that place is burning」。客演で登場したハナレグミのスウィートでピースフルな歌声とオーディエンスの大合唱、加速するKID FRESINOのラップの疾走感が一体となり、得も言われぬ高揚感が生み出された。

YONCE(Photo by Daiki Miura)

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ソロバージョンの「incident」「youth」を挟み、レゲエのグルーヴを織り込んだ最新曲「back for me」で大歓声に迎えられたのはYONCE。2014年に渋谷のライブハウスでFebbと同じステージに立ったSuchmosのボーカリストが、KID FRESINOと時を経て感情を共鳴させる。

YONCEとKID FRESINO。(Photo by Ray Otabe)

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仙人掌とのコラボ経て、頭上から差した2本の光

仙人掌とKID FRESINO。(Photo by Ray Otabe)

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「Freed Up」はDJ SCRATCH NICEのビートをバンドでリアレンジする形で披露され、KID FRESINOは客演の仙人掌を迎え入れる。2人のラップが人生の予期せぬ出来事からもたらされた耐えがたい痛みや苦悩を乗り越えようと日々をタフに生きる躍動感を伝えると、「Rondo」を経て、JJJの死に直面したKID FRESINOの心境をありのままに投影した「hikari」へ。頭上から差した2本のスポットライト、その1本が際立たせる不在は“光”そのものでもあり、リリックと相まって、さまざまな記憶や思いを美しく乱反射した。

KID FRESINO「21」の様子。(Photo by Daiki Miura)

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そして、ライブを締めくくったのはKID FRESINOが自身の空虚さを歌った「Retarded」。死は尊いものであるからこそ、死に値する生をどう高めていくか。ネガティブではあっても、そう考えればバッドではない。KID FRESINOは、この曲について、アルバム「ài qíng」のインタビューでそう語っていた。「20,Stop it.」の「20」からカウントを1つ重ねた今回のライブタイトル「21」が指し示す通り、彼の音楽世界はさらに高みに向かいつつあることを感じさせる一夜だった。

KID FRESINO(Photo by Daiki Miura)

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かつて「Coincidence」のミュージックビデオで鮮烈な衝撃をもたらした雪の新宿を走るKID FRESINO。前夜から降った雪が周囲に残るこの日の東京ガーデンシアターにおいても、彼はヒップホップに対する変わらない思いを胸に、依然として走り続ける姿を示した。

KID FRESINO「21」の様子。(Photo by Daiki Miura)

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音楽ナタリー @natalie_mu

【ライブレポート】

KID FRESINO
東京ガーデンシアターで
最高到達点を示した単独ライブ「21」
https://t.co/LLjwtj2NMj

ISSUGI、折坂悠太、NENE、
ハナレグミ、YONCE、仙人掌が客演
亡きJJJのカバーも披露

#KIDFRESINO https://t.co/zkGmp1LIbP

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