ラッパー / プロデューサー / DJの
最高到達点を象徴する公演
2018年1月に東京・UNITで行ったバンド形態での初ライブを皮切りに、「FUJI ROCK FESTIVAL」をはじめとする音楽フェスへの出演や単独ツアーを重ねながら、会場規模を着実に拡大してきたKID FRESINO。2018年リリースの「ài qíng」、2021年リリースの「20,Stop it.」は、当初ヒップホップのトレンドから切り離された孤高の作品とも捉えられがちであったが、歳月を経て、多様化が進む近年のシーンに違和感なく溶け込んでおり、後進アーティストにとってのマイルストーンとなった。
満員のオーディエンスがひたむきな眼差しで注視する今回のステージは、KID FRESINOが更新し続けてきた最高到達点を象徴するものだ。
亡き友への思い込めた楽曲で幕開け
ステージに現れたKID FRESINOはこの曲が終わるのを待つと、JJJが残した楽曲「Kids Return」のカバーでライブの口火を切った。驚きと熱狂が渦巻く中、続いたのは正式リリースされていないKID FRESINOの代表曲の1つ「Eazy Breezy」。所属していたFla$hBackSを離れ、ソロ活動の決意を込めたリリックに改めて向かい合う。
ISSUGI「XL」で熱く激しくスピット
ここで1人目の客演として登場した
その後、KID FRESINOはDaichi Yamamotoとの2ステップナンバー「Let It Be」、IOとのエレクトロファンク「Special Radio」という人気曲を1人でラップ。後者の楽曲ではドラマーの
折坂悠太が新曲にブルースの息吹を注入
石若、三浦淳悟(B)、
ドラムカウントからぐんぐん高度を上げる「No Sun」、ラテンリズムを刻むクールなアレンジで初披露された「Cherry Pie」からトランシーなギターとドラムンベースのリズムパターンが絡み合う新曲に雪崩れ込むと、客演の
NENEと示した自由な精神性
DJのCH.0が登場し、再びDJセットにスイッチすると、
その後はラウンジーな「rose」、KID FRESINOがKEIJUにUKマナーのビートを提供した楽曲「SAYSUM」、JJJプロデュースの「LOVE」と続き、DJセットを締めくくったのはJJJがFebbに捧げた「Beautiful Mind」のカバー。ステージには光の柱が浮かび上がった。
ハナレグミ、YONCEもステージへ
彼らの“美しい魂”を浄化するように、再度のバンド形態で演奏されたのは「that place is burning」。客演で登場したハナレグミのスウィートでピースフルな歌声とオーディエンスの大合唱、加速するKID FRESINOのラップの疾走感が一体となり、得も言われぬ高揚感が生み出された。
ソロバージョンの「incident」「youth」を挟み、レゲエのグルーヴを織り込んだ最新曲「back for me」で大歓声に迎えられたのはYONCE。2014年に渋谷のライブハウスでFebbと同じステージに立った
仙人掌とのコラボ経て、頭上から差した2本の光
「Freed Up」はDJ SCRATCH NICEのビートをバンドでリアレンジする形で披露され、KID FRESINOは客演の
そして、ライブを締めくくったのはKID FRESINOが自身の空虚さを歌った「Retarded」。死は尊いものであるからこそ、死に値する生をどう高めていくか。ネガティブではあっても、そう考えればバッドではない。KID FRESINOは、この曲について、アルバム「ài qíng」のインタビューでそう語っていた。「20,Stop it.」の「20」からカウントを1つ重ねた今回のライブタイトル「21」が指し示す通り、彼の音楽世界はさらに高みに向かいつつあることを感じさせる一夜だった。
かつて「Coincidence」のミュージックビデオで鮮烈な衝撃をもたらした雪の新宿を走るKID FRESINO。前夜から降った雪が周囲に残るこの日の東京ガーデンシアターにおいても、彼はヒップホップに対する変わらない思いを胸に、依然として走り続ける姿を示した。
関連する人物・グループ・作品
音楽ナタリー @natalie_mu
【ライブレポート】
KID FRESINO
東京ガーデンシアターで
最高到達点を示した単独ライブ「21」
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ISSUGI、折坂悠太、NENE、
ハナレグミ、YONCE、仙人掌が客演
亡きJJJのカバーも披露
#KIDFRESINO https://t.co/zkGmp1LIbP