2024年6月のUNIT公演より涙と笑顔のBiS。(撮影:大橋祐希)

第3期BiSの歴史 / ラストツアー「ALL FOR BiS, ALL FOR YOU LiVE」密着レポート

第3期BiSとはなんだったのか

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研究員が涙した最後の仙台公演

「ALL FOR BiS, ALL FOR YOU LiVE」宮城・enn 2nd公演より。

「ALL FOR BiS, ALL FOR YOU LiVE」宮城・enn 2nd公演より。

9月には5都市ツアー「ALL FOR BiS, ALL FOR YOU LiVE」初日にあたる大阪公演が台風の影響で延期になるも、彼女たちは10月6日の宮城・enn 2nd公演から同ツアーをスタートさせた。約1年ぶりの仙台公演を喜ぶ研究員がいる一方、解散が決まっていることから複雑な気持ちの研究員がいたことも確か。メンバーもそんな研究員の思いを受け止めながらステージに立っており、心身ともにギリギリの状態。ライブ本編が終わった時点でナノ3は楽屋に倒れ込み、ヒューガーに支えられていた。

倒れ込むナノ3、それを支えるヒューガー。

倒れ込むナノ3、それを支えるヒューガー。

アンコールで満身創痍のナノ3は「いろいろなことを思いながらここに来てくれたと思うんですけど、ライブをしているこの時間は何にも替えられない。研究員の存在の大きさを改めて感じました。たくさんの元気をもらいました。みんなにとって今日が大切な日になっていたらうれしいです。私たちとライブのこの時間をともにして、『明日からがんばろう』って気持ちにならなくても別にいいんです。でもちょっとでもみんなに力を与えられていたらいいなって思います」と胸中を明かす。また解散ライブに向けて「1月12日まで全力で駆け抜けていこうと思っています。どんな感情を持っていてもいいので、今日みたいにちょっとでも楽しいって思う瞬間も、ちょっと寂しくなるような瞬間も、BiSを好きでいてくれるみんなと駆け抜けていきたいなって思います」との思いも口にした。そんな言葉のあとに披露された楽曲「リフレイン」では、涙する研究員の姿も多数。終演後、メンバーは仙台の余韻を味わいながら、夜行バスへと乗り込んだ。

enn 2nd公演よりナノ3とクレナイ・ワールズエンド。

enn 2nd公演よりナノ3とクレナイ・ワールズエンド。

ライブレポート

クレナイ凱旋で号泣、最後の小倉公演

小倉FUSE公演のBiS。

小倉FUSE公演のBiS。

10月26日に行われたツアー2公演目の福岡・小倉FUSE公演では、福岡出身のクレナイが凱旋を果たし、研究員からの祝福の花が会場に飾られた。小倉FUSEの竹村店長は、図らずも最後となったBiSの来場を歓迎。メンバーは会場予約時からやりとりを重ねていた店長をはじめ会場スタッフと会えたことを喜んだ。ライブは熱狂に次ぐ熱狂といった激しさで、BiSも研究員も汗だくだった。クレナイは福岡にBiSとして来るのはこれが最後であることを話してから、「正直とっても寂しいです。ただ、自分の生まれ育った街で、BiSのことを愛してくれる研究員に囲まれてライブができて本当に幸せです」と悲喜こもごもの感情を明かす。

小倉FUSE公演から楽屋に笑顔で戻ってきたクレナイ・ワールズエンド。

小倉FUSE公演から楽屋に笑顔で戻ってきたクレナイ・ワールズエンド。

さらに彼女はファンに向けて、「いろんな思いを大切にしてほしいし、感情を共有することでライブもよりよくなっていくと思います。これからもみんなといろんな感情を共有して、最高のライブを作っていきたい」と続けた。そして「『今は今しかない』って言葉があるんですけど、まさにその通りだと思っています。研究員には本当に感謝しています。今までたくさんの愛をもらって……」と話しているうちにポロポロと涙を流し始める。いつしか堰を切ったように大泣きしていたクレナイだったが、「最後の最後までBiSを応援してほしい」「今日で最後の人がいるとかは嫌なので、1月12日の日比谷野音のライブで待っています」と本音を語った。なお終演後の物販販売などを経て、メンバーは小倉FUSEの竹村店長に招かれて、九州名物であるもつ鍋の店へ。地方都市独特のアットホームな雰囲気は、地元であるクレナイの柔和な雰囲気と通ずる部分でもあった。

ライブレポート

ラストツアー折り返しの名古屋で見せた熱狂

栄R.A.D公演で影ナレを担当したイコ・ムゲンノカナタ、見守るクレナイ・ワールズエンド。

栄R.A.D公演で影ナレを担当したイコ・ムゲンノカナタ、見守るクレナイ・ワールズエンド。

栄R.A.D公演よりBiS。

栄R.A.D公演よりBiS。

11月3日に行われたツアー3公演目の舞台は、愛知・栄R.A.D。夜行バスで現地入りしたメンバーは、午前中に会場入りし、物販や特典会を行い、17:00に開演を迎えた。3曲目を終えた時点でメンバーのみならず、研究員も汗だく。フロアは熱気のあまり汗でビショビショになるほど。「体調が悪かったら無理をしないで」と観客に気を配りつつ、「そうじゃなかったら死ぬほど楽しもうぜ!」と呼びかけたトギーの言葉通り、熱狂的なライブが繰り広げられた。アンコールのMCではイコがマイクを握り、挨拶。「どんなセットリストにしたら研究員が喜んでくれるのか」をメンバーで考えて曲目を選んだことを明かし、「こうやってライブでみんなと目を合わせられるのがすごく楽しくて、大好きだと改めて感じました」と喜びを伝えた。

栄R.A.D公演よりイコ・ムゲンノカナタ。

栄R.A.D公演よりイコ・ムゲンノカナタ。

さらにイコは「解散が決まって、残りの時間が少なくなっていることを実感しながら生きている毎日です」「研究員への愛がどんどん増していっている中、1月12日の解散ライブは愛でいっぱいのライブになると思っています」と来たるラストライブへの思いを馳せる。続けて「正直寂しい気持ちもある」と偽りのない言葉を発し、「私がBiSでいられる時間、研究員と過ごせる時間を噛み締めて、今までたくさんの愛をくれた研究員に恩返しがしたい」とコメント。そして「みんながBiSのおかげで元気がもらえていると言ってくれるけど、私たちはそんなみんなに100倍元気をもらっています。こんな素敵な“お互い様”な関係でいられたことを感謝しています。これからも明るく元気に笑顔キラキラインフィニティで生きていこうってお互いに約束しましょう」とはにかみながらも思いの丈をぶつけた。なお終演後、メンバーは名古屋名物の台湾ラーメンの店・味仙に足を運び、BiSとしてのラスト名古屋を堪能。夜行バスに揺られて東京へと戻った。

ライブレポート

大阪最後の夜、凱旋のヒューガーはいつも以上のコテコテ関西弁

大阪・LIVE HOUSE Pangea公演よりBiS。

大阪・LIVE HOUSE Pangea公演よりBiS。

凱旋公演で感極まるヒューガー。

凱旋公演で感極まるヒューガー。

ツアーも残すところ2公演。名古屋公演からやや日を空けて12月26日、セミファイナルにあたる大阪・LIVE HOUSE Pangea公演が開催された。もともと本公演は9月1日に行われる予定だったが、台風の影響で延期に。スケジュールの組み直しもメンバーが行っており、解散を控える中、ツアーファイナルまでの日程で運よくこの日が空いていたという。古着店などが数多く立ち並ぶ通りにあるPangeaの店先には大阪出身のヒューガーの凱旋を祝福する青をモチーフにしたバルーンのスタンド花が飾られた。大阪の夜もこれまでに負けじと熱かった。ライブ序盤から興奮状態のフロアに向けて、イコが「ちょっと関西の人うるさいかもね」と笑う。ナノ3が「いい意味でね! めちゃめちゃ褒め言葉だよ!」とフォローに入るも、「大阪と言えばめちゃめちゃ暑苦しい?」と毒気のある冗談を飛ばし、ヒューガーが「厚かましい?」とボケを重ねた。普段からコテコテの関西弁を話すヒューガーだが「生まれ故郷に帰ってこれてうれしいです。なんかな、リビングでライブしてるみたいやわ」とこの日は、いつにも増して関西弁が強く出ていた。

関西弁を話すヒューガー。

関西弁を話すヒューガー。

アンコールでは、凱旋を祝福する青いペンライトに感極まった表情を見せたヒューガーが挨拶し、「BiSは大阪でワンマンをするのが本当にひさしぶり。5人でライブができて本当にうれしい」と話す。そしてグループとしての終わりが近付く中、無理に明るく振る舞う必要はなく、それぞれの感情に素直に向き合って、いつでも楽しければ楽しみ、泣きたければ泣いていいとの思いを来場者に伝え、「私たちも自分の気持ちに正直になってライブをします。研究員がいなかったら今の私たちはここにいないから、できる限りの恩返しをしていきたい。最後の最後まで楽しませられるようにがんばるので、1月12日の解散ライブで会えたらうれしいです」と語った。この日、メンバーが食べたのは、大阪名物のたこ焼きや、りくろーおじさんのチーズケーキなど。トギーはねぎ塩ポン酢など変わり種にはあまり興味がなく、「ソースたこ焼き一択」だった。

ライブレポート

“第3期BiS史上最高”を更新した東京ツアーファイナル

新宿MARZ公演よりBiS。

新宿MARZ公演よりBiS。

気合い入れを行うBiS。

気合い入れを行うBiS。

大阪公演から2日後、12月28日に東京・新宿MARZでツアーファイナルが行われた。第3期BiSによるライブハウスでの最後の公演ということもあり、研究員の熱量も類を見ないほどのものだった。BiSを含むWACK所属グループのライブではダイブ、リフト、サーフなどの危険行為が禁止されており、ライブハウスでの公演も例外ではない。そのため、そういった行為は決して“是”でもなければ“称賛されること”にも値しない。しかしフロアの盛り上がりはおそらく過去最高潮で、BiSに向ける研究員の抑えきれない感情が爆発し、とてつもない興奮が渦巻いていた。メンバーはステージに押し寄せる研究員に向けて注意喚起を促しながらも、配慮をしたうえで全力で楽しむように呼びかけた。

熱い盛り上がりを見せた新宿MARZ公演。

熱い盛り上がりを見せた新宿MARZ公演。

アンコールでは第3期BiSで唯一のオリジナルメンバー・トギーが挨拶。BiSには過去5人のオリジナルメンバーがいたが、最後までBiSとしての活動を続けたのはトギーただ1人ということになる。そんなトギーが言っていたのは、解散が決まる前と後でBiSとの向き合い方に変化があったという話。具体的には解散前は「売れたい。もっと好きになってほしい」といった前のめりな思いが強かったが、解散が決まってしばらく経った時点では「研究員に楽しんでもらうために、(私たちが)BiSを全力で楽しむこと」が一番大切だという思いに至ったのだという。また研究員に向けては、「解散すると言ってから、もしかしたら研究員の中には『もっと自分にできることはなかったのかな』『もっと(ライブに)行けばよかったかな』と思った人がいるかもしれないけど、本当に十分にたくさんのものをもらってきたと思っています。今日こうやってライブに来てくれること、BiSを好きでいてくれること、それが本当にうれしいです。ありがとう」と話し、「BiSが終わるときに『BiS楽しかったな、BiSだった人生でよかったな』ってそう思えるように残りの時間を過ごしていきたいと思っています」と続けた。

新宿MARZ公演よりトギー。

新宿MARZ公演よりトギー。

さらにトギーは「1回でもBiSのライブを観たら、1回でもBiSのことを好きになったら研究員だからね。みんなも『研究員でよかった』って思えるような、そんなBiSでいられるように、あと2週間がんばっていきたいと思っています」と、解散に向けた思いを伝えた。終演後、特典会および物販を終えた5人は、帰り支度をし、マイクや衣装、物販など大きな荷物を抱えてライブハウスをあとにした。

ライブレポート

BiSの残るライブは明日1月11日に日比谷野音で行われるWACKのイベントツアー「Could you still be WACKiNG TOUR」の初日公演、そして1月12日の解散ライブ「Finale of third BiS」の2公演。「これまでで一番いいライブにする」と最後まで駆け抜ける決意を抱いた5人が見せるフィナーレに注目だ。WACKツアーのチケットはチケットぴあ、解散ライブのチケットはローソンチケットで販売されている。なお1月13日にはBiS最後の特典会が東京・日本クラウンで行われる。

公演情報

Could you still be WACKiNG TOUR初日公演

2025年1月11日(土)東京都 日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)
<出演者>
ASP / BiS / BiTE A SHOCK / ExWHYZ / GANG PARADE / KiSS KiSS / 豆柴の大群

Finale of third BiS

2025年1月12日(日)東京都 日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)

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イコ・ムゲンノカナタ @MUGEN_BiS

3期BiSはじまりからの歴史を記事に書いていただきました 加入してから経験したことをより鮮明に思い出して懐かしい気持ちになったり、ちょっぴり寂しくなったり。
こんなに沢山の経験、思い出ができて改めて 幸せだ!と思いました
一緒に振り返ってくれると嬉しいな!
最後までよろしくお願いします! https://t.co/6EYiawVeo0

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