BiS|BiSが3度目の始動!新メンバー&マネージャーの初インタビューに見る“本気モード”

第3期BiSが8月14日にデビューアルバム「Brand-new idol Society」をリリースした。

BiSは2010年に第1期が結成され、2014年に解散。2016年に新たなメンバーで再始動するも、今年5月に解散。今回で3度目の結成となる。これまでのBiSが成し得なかった夢の舞台、日本武道館を目指して“三度目の正直”となるのか。新たなスタートラインに立ったメンバーと、今回マネージャーとしていつになく気合いの入る渡辺淳之介(WACK)に話を聞いた。

なお、マナコ・チー・マナコは8月13日に脱退を発表。音楽ナタリーではそれ以前に取材を行っていたため、メンバー5人の形でのテキストをお届けする(参照:第3期BiS、CDデビュー直前でマナコ・チー・マナコが脱退)。

取材・文 / 田中和宏 撮影 / 宇佐美亮

うんこを見せても引かないマナコ、BiSらしいビジュアルのトギー

──第3期BiSのメンバーの皆さんにはまず自己紹介からお願いします。

マナコ・チー・マナコ

マナコ・チー・マナコ マナコ・チー・マナコです。オーディションを受けたきっかけを簡潔に話させていただくと、すごく平凡な人生を生きてきたので、つまらない人生を楽しく変えたいなと思って受けました。サブカルチャーがすごく好きで、第1期BiSもサブカルチャーの一環として好きでした。アイドル自体はもともとそんなに興味なくて。ニューウェイブとか1990年代のヴィジュアル系の音楽が好きで、それもサブカルチャーの一環として好きだったんです。第1期BiSも、アイドルではなくて“見世物小屋”みたいな空気があるなと思って、そういうところにすごく惹かれてたので、このBiSもただのアイドルじゃないワクワク感のあるアイドルグループにしていけたらいいと思います。

渡辺淳之介 マナコとは面接でうんこの話をしたんです。僕、たまに便器に入った自分のうんこを撮るんですけど、それを見せても引いてなかったので採用しました。

マナコ 4日分くらい見ました。合宿中のものを見せていただいたんですけど、けっこうお腹下してる感じで。がんばってらっしゃったんだなと思って、感謝の気持ちが湧いてました。

──パンチの効いたエピソードですね。では次にトギーさん。

トギー はじめまして。BiSのトギーです。よろしくお願いします。好きな食べ物は味噌汁です。最近料理をしていて、サバそばを作りました。応募のきっかけは「世界を変えたい」とこれまでのBiSが言ってて、それがカッコいいなと思って憧れていましたし、アイドルになりたいなあと思って受けました。

──BiSはどうやって世界を変えていくと思っていますか?

トギー

トギー ライブを観てる人に「明日も生きようかな」と思わせるみたいな。大きな世界だけじゃなくて、誰か1人の人生とか、そういうものを変えるんだという意味で捉えていて、歌を聴いて「明日もがんばろう」みたいな気持ちにさせてくれるところが「世界を変える」という意味かなと思ってます。

渡辺 彼女は今年の合宿オーディションに参加していて、最終日の前の日に脱落したんです。気になってはいたんですけど、最終日まで残らなかったのは、もう1回挑戦してきたら何かのタイミングでは採る機会があるのかなと思ったので、BiSに来たとき、面接に来た瞬間に合格でした。トギーはビジュアルが好きですね。おかめちゃんみたいで。

トギー (うれしそうに)ああー! ありがとうございます。

渡辺 別に褒めてはないんですよ。

トギー え?

渡辺 BiSとして「いたらいいな」っていうビジュアル。顔は好きなんですけど、たぶん一般的にはそんなに(笑)。ミュージックビデオ(「BiS -どうやらゾンビのおでまし-」)を観たんだけど、前髪ないほうがかわいいんじゃないの? なんか、前髪あるとおかめちゃんみたいになって、前髪なくすと、ちょっと生意気なギャルみたいな雰囲気になる。

トギー じゃあおかめちゃんでいきます!

空気の読めないイトー、ごはん大好きチャント、歌がとにかくいいネオ

──では次はイトーさん。お名前はティ部さんとお呼びしたほうがいいんですかね?

イトー・ムセンシティ部

イトー・ムセンシティ部 ティ部さんはTwitterで渡辺さんに命名していただきました……。

渡辺 あ、嫌なんだ?

イトー 全然嫌じゃないです! イトー・ムセンシティ部も渡辺さんが付けてくださって、気に入っています。スタッフさんは「イトー」と呼んでますけど、ファンの方からは「ティ部」と呼ばれてます。BiSのイトー・ムセンシティ部です。生まれも育ちも新潟で、BiS合格と同時に上京しました。今回BiSオーディションを受けたきっかけは、まず大前提として数年前からアイドルに興味があって、アイドルをやりたかったからです。ありきたりかもしれませんけど、アイドルができないんだったらこの人生、意味ないなあと思うような生活を送っていて。自分がカッコいいと思う仕事がアイドルだったんです。アイドルをカッコいいと思ったきっかけになったアイドルさんはいくつかいて、その中にWACKさん所属のBiSさん、BiSHさん、GANG PARADEさんがいて、YouTubeで観ていたので。実際ライブに行ったとき、ほかのアイドルさんのライブと比べても、BiSHさんとかは楽曲もパフォーマンスも含め、特にカッコいいと感じました。もし自分がアイドルになるんだとしたら、これくらいカッコよくなりたいなと思いましたし、表現力の高さに憧れてたので。ほかのアイドルさんのレーベルのオーディションがいくつかあった中でも、受けるとしたらここがいいと思って、受けました。

──ほかのアイドルのオーディションを受けたことは?

イトー アイドルだったらどこでもいいとは一切思わなかったんです。でもSNSを見ていて気になった人がいたグループのオーディションを一度だけ受けたことがありました。即落ちでしたけど、自分でも反省点が見えたし、理由がなんとなくわかっていたので、しょうがないなと。それ以外は一切受ける気はなくて。落ちてもほかのオーディションを受ける気は一切ない、という気持ちで今回受けさせていただきました。もし落ちたらアイドルになるのはあきらめようと。そのくらいの気合いを入れて挑戦して、合格をいただきました。

渡辺 イトーは最後まで悩んだんです。何を言ってるかわからなかったんで。1時間くらい面接したんですけど……悩みましたね。

──悩んだ中で決め手になったのは?

渡辺 わりと今でも採ってよかったのかな?と(笑)。なんでかと言ったら普段事務所来るときもBABYMETALのTシャツを着てたんですよ。単純に思うんですけど、例えば僕が今回のBiSインタビューででんぱ組.incのTシャツを着てたら、メンバーは嫌なはずです。けっこうそういう運営さんもいるんですよ。なぜかBiSと対バンがあったりするときに、これみよがしに運営さんが「IDOL Tシャツ」(BiSのグッズ)を着てきて「渡辺さん憧れてます」とか言われて、「いや、それじゃお前のところ絶対売れねえぞ」と思うんですけど(笑)。そういう空気読めない部分がすごいなと思って。だからモテないと思うんですよね。僕はやっぱりアイドルとしてもそうだし、運営としてもそうなんですけど、モテることが一番大事だと思っているので。そういう意味で今でも悩んでる部分ではあります(笑)。

──空気の読めなさで言うと、加入当初のBiSHのアイナ・ジ・エンドさんも空気が読めなかったみたいですが。

渡辺 そうですね。アイナの空気の読めなさは、ただ単に想像できてないだけだったと思うんですけど。優しさをすごく感じたので、まあかろうじてよかったなという(笑)。

イトー がんばります!

──では次がチャントモンキーさん。

チャントモンキー

チャントモンキー BiSのチャントモンキーです。私は名前の通りチャットモンチーさんがすごく大好きです。私、アイドルグループにハマることがそんなになくて、今までバンドばっかり聴いてたんですけど、バンド好きな友達がきっかけでBiSHさんとかBiSさんを聴くようになりました。アイドルは顔で好きになるものとずっと思ってたんですけど、そのパフォーマンスを観て、初めてアイドルさんを好きになりました。BiSHさんもBiSさんも「この声好きだな」と思ったし、「この人を推す」みたいな楽しみ方が初めてでしたけど、パフォーマンスで魅せられる人はカッコいいなと思って。それでアイドルの世界に行きたいと思いました。

──バンドをやりたいという気持ちよりもアイドルのほうが強くなったってことですか?

チャント 最初はバンドをやりたかったんですけど、周りに誘える人がいなかったのと、ギターのスキルの低さもあってあきらめました(笑)。もう、このオーディションがなかったら普通に就職するんだろうなと思っていました。

渡辺 チャントモンキーはですね、最初見たときにいいなと思ったんですよ。でもこれからどうなっていくのか……すげえ飯を食うんで、大デブになったらどうしようとか思うんですけど(笑)、非常に“原石”という感じがしたんです。これからBiSに入って化けていったらすごくいいんじゃないかということで、彼女が最初の合格者になりました。決め手はフィーリングなんですけどね。きっとかわいくなると思いますけど、やっぱりすげえ飯を食ってるのが心配(笑)。

チャント いっぱい踊って消化します!

渡辺 なぜかみんなどんどん太っていくんですよ。アイドルって最低でも週2で激しい運動をめちゃめちゃしてるはずなのに。チャントはみんな以上に食ってるから……(笑)。

チャント もともと食べるほうでした。だからずっと変わらないです、前から。……でもたぶん体重は増えてます(笑)。痩せます。

──ありがとうございます。続いてネオ・トゥリーズさん。

ネオ・トゥリーズ

ネオ・トゥリーズ お願いします。ネオ・トゥリーズです。私はあんまり物事に興味を示さないんですけど、その中で唯一歌うことだけが好きでした。でも将来ソロで活躍したいとかグループに入って活動したいとか、そういう気持ちはあまりないし、自分に自信もないし、これまで行動に移してこなかったんですけど、WACKを知ってから、そういうBiSHさん、BiSさん、GANG PARADEさん、EMPiREさんを知って、歌ったり踊ったり、こういう活動をしてみたいと強く思うようになりました。そこからWACKのオーディションだけを受けて、今ここにいます。

渡辺 ネオはとにかく歌がよかったですね。あと彼女も化けるなと思ったんですよ。彼女とトギーとチャントモンキーはすんなり合格を出したんですけど。その中でネオは暗いキャラと歌のギャップがあって、ずっとうつむいてたんで、これはBiS向きじゃないかなという気持ちがあったのと、オーディションに来たにも関わらず、たぶんノーメイクだった。

ネオ (無言で頷く)

渡辺 それでなんだこいつ?と思って(笑)。あんまり見た目とかに興味ないんだと思うんですけど、そういうのに興味を持つようになったら化けるんじゃないかなと思って、それは日本クラウンのディレクターも言ってましたね、「彼女はいいんじゃないすか?」と。晩成型でここから変わっていく姿が見られるんじゃないかなと。

ネオ ……バンセイ?

渡辺 ちょっとお前、うちでやる学力テストがんばれよ(笑)。ちなみに今回のメンバーは全員1回オーディションで落ちているんです。それこそWACKの書類とか。ネオとチャントは書類で落ちて面接すら行ってなくて、今回始めて面接に来た。で、イトーとマナコは面接したことあるんだよね。

イトー 今年度の合宿オーディションでは書類審査が通って集団面接に行きました。そのときは本当に印象に残らなかったくらいだったので、すぐ落ちました。

──皆さんあきらめずにまた応募して来たメンバーということですね。

渡辺 そうですね。トギーも書類で落ちたけど、壱岐まで直接来て、合宿に参加したので。