左からRIKU、ナオト・インティライミ。

THE RAMPAGE RIKUの「音楽大陸」 Vol.7(後編) [バックナンバー]

ナオト・インティライミから聞く世界の音楽事情

J-POPのメロディを武器に世界へ

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THE RAMPAGEって今いい調子でしょ?

RIKU ナオトさんは流行り廃りが激しい音楽シーンをサバイブして、今もTikTokのような新しいものを取り入れて音楽を発信していますよね。そんなナオトさんがこの先20周年、30周年に向けて思い描いている自分のアーティスト像はあるんですか?

RIKU

RIKU

ナオト やっぱりエンタテイナーとしてショーを続けていきたいよね。さっきライブの話でも言ったけど、それこそ自分の持ち味だから。あとはナオト・インティライミミュージックを突き詰め続けたい。ティライミにしかできない音楽を作っていくのが目標だね。結局誰が歌っても一緒な歌詞で、誰が歌っても一緒なメロディで、なんかちょっとカッコいいくらいじゃ嫌。濃くて替えが効かない音楽を作っていきたいね。やっぱりこの10年の中でいろんな人と比べてしまうこともあったし、売れる / 売れないの波もあったけれど、それに一喜一憂するよりも自分の表現を信じて進むほうが健康的だと自分は思ってる。これは日本の音楽業界における自分の話で、世界に向けてはまだまだド新人だから、どうやって花を咲かせようかとめちゃワクワクしてる。世界の音楽史に「日本人やりやがったな」と思わせるような爪痕を残すのが今の目標かな。

RIKU 世界の音楽史にJ-POPで革命を起こしたいですよね! ナオトさんは海外で歌うときに英語と日本語を混ぜて歌うじゃないですか。生意気に聞こえてしまったら申し訳ないんですけど、あれがすごくカッコいいなと思ったんです。歌詞を現地の言葉に替えて歌ったり、その土地の歌をカバーしたりして、各地のリスナーに寄り添うことも大事だけれど、やっぱり日本をレペゼンして歌える歌手っていいなと。僕もLDHと日本をレペゼンできる歌手になりたいんです。

ナオト J-POPは海外でそのまま歌ってもよさが伝わりきらないのよ。だから韓国の音楽シーンにかなり押されちゃったんだと思うし。THE RAMPAGEをはじめ、LDHの音楽はJ-POPの中でも世界規格に近いと思っているからものすごく応援しているのね。日本にはこんなにきめ細かくてカッコいい音楽があるというのはどうしても伝わりにくいから。ただ、世界中を70カ国ほど旅した旅人マインドで話させてもらうと、言葉って本当にすごく大事なんだよ。日本の曲を日本語で歌うのと、現地の言葉に替えて歌ったときの反応は明らかに違う。だから現地の言葉で歌うけれど、そこに日本語をちょっと入れるのがいいんだよね。海外で自分の音楽を料理する方法を自分の中で研究し尽くした結果、スペイン語でラテンマーケットに向けて歌うのが自分には合ってると思ったわけ。スペインでアーバンとされるものに自分のアイデンティティとして日本語を乗せるのが合ってると気付いた。日本の素晴らしい音楽人たちも世界のマーケットを相手にするとなかなか難しいのは旅先で歌うとよくわかるんだよ。海外のトレンドをリサーチして、自分がその中でうまく料理できそうなのはなんだろうと考えたとき、一番流行ってるトラップはちょっと違ったんだよね。それで目をつけたのがラテン。大好きなラテンをリスペクトして自分のアイデンティティを加えるのがいいなと思うから、世界にはそういうアプローチをしてる。だからね、THE RAMPAGEもラテンテイストの曲あるでしょ? 「LA FIESTA」。あれは本当にカッコいいよね。

RIKU ありがとうございます!

ナオト あと「YOUR LIFE YOUR GAME」も素晴らしいよね。今回の対談の話をもらう前からめちゃくちゃ聴いてたの。俺は日本の曲も好きだけど世界の曲もめちゃくちゃ掘って聴いていて、例えばアフリカや南米でどんな曲が聴かれてるのかとかもリサーチしてるのね。で、日本の音楽をいろいろ聴いた中でも「YOUR LIFE YOUR GAME」はもう本当に海外規格。今流行ってる音数が少ない感じにしっかりJ-POPのメロディが乗ってるなと思ったよ。J-POPのメロディはね、絶対世界一だから。THE RAMPAGEはいい曲出すなと思っていたところで、この対談の話をもらったからすごくうれしかったの。

RIKU わあ、本当ですか。

ナオト もちろんTHE RAMPAGEのことは今すごく人気が出てきてることもわかってたし、ラテンをやってるのがうれしいなと思ってたんだけど、「YOUR LIFE YOUR GAME」はいち音楽リスナーとしてめちゃくちゃ好きな曲だった。音楽家の目線で聴いてもすごくよくできている曲というか。THE RAMPAGEって今いい調子でしょ? やっとTHE RAMPAGEミュージックがお茶の間に届き始めてる感じがある。もちろん大きな組織の中でいろんなチームがあって、いろんな差別化もあると思うんだけど、THE RAMPAGEというものがはっきりとした形になって色濃くなってきたように見えるんだよね。

RIKU 褒めていただきありがとうございます……!

ナオト いやいや、こんな偉そうなこと言って、ファンの人に怒られちゃうかな。

RIKU

RIKU

RIKU そんなことないですよ! 僕ら6月30日に新曲「HEATWAVE」をリリースするんですけど、ナオトさんが好きなラテンなので楽しみにしていてほしいです! ナオトさんもきっと踊りだしたくなる曲だと思います。

ナオト えー! やったー! リリースされたらすぐ聴く! EXILE TRIBEでラテンを多くやってるのはTHE RAMPAGEだけなのかな? あのテイストって日本でヒットするのはすごく難しいんだけど、こうやってRIKUたちがやってくれることで日本でもラテン音楽が盛り上がったらいいなと思うよ。ルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキーの「Despacito」っていうスペイン語の曲が2017年に南米で大ヒットして、そこからジャスティン・ビーバーがフィーチャリングで参加したバージョンが出て空前の大ヒット曲になったの。それをきっかけにラテン音楽はワールドミュージックの中で1つのカッコいいジャンルになって、世界のトップ50のうち15曲がラテンみたいな状態になったんだよね。ラテンはオリンピックくらいの頻度でヒット曲が出てくるんだけど、常時ラテン曲がトップ50に入るなんて「Despacito」が流行るまではまず考えられなかった事態なんだよね。

RIKU 僕もラテンにはなじみがなかったので、それこそ「LA FIESTA」は歌うのが難しかったです。そのあと「Fandango」という曲もリリースしているんですけど、その頃からラテン調の曲の中での自分の表現の仕方が少しずつ定まってきて、今回の新曲は特にスムーズに歌えたんです。これまでの経験で音楽に身を任せて歌ったらうまくいきました。

ナオト RIKUはさ、ラテンの国に行こうよ! クラブの雰囲気とか現地の人たちの音楽の楽しみ方とかもう本当に最高だから。

RIKU 行ってみたいです! 僕、歌修行で行ったニューヨークしか海外に行ったことがないんですけど、そこでもダイレクトな反応をもらえてうれしかったんですよね。

ナオト わかる! 海外の音楽ラバーは本当に反応がいいよね。

RIKU はい。だからもう1回ニューヨークに行きたいし、行ったことない国に行って、現地のメシを食って空気を吸っていろんな音楽を聴きたいとずっと思っていて。いろんな環境が整ったらナオトさんのようにアクションしてみようと思います。

ナオト 俺はね、ずっと音楽だけやってたらいい音楽が作れるっていうのは違うと思うのよ。みんなもちろんストイックに音楽を続けているけど、我々表現者にとっては休みも重要。昔は海外に行っている間は活動がストップしちゃうから、それに向けて日本で仕込んでいかなくちゃいけなくて大変だったんだけど、今は海外からの発信をファンの人も喜んでくれるし、いくらでも仕事の延長で旅ができるいい時代になったのよ。仕事を兼ねた旅もいいけど、もちろんプライベートの旅も最高よ。自分だけで行って自分だけで発信できるというのは昔と違うところ。向こうで歌を録音してもいいわけだしね。

RIKU うわー、やりてー(笑)。

ナオト レコーディングエンジニア紹介するよ。マイアミ、LA、メキシコ、どこにでもいるからさ。旅に出ている間に日本で出すシングルの期日がヤバいって連絡があったときは、現地でエンジニアとスタジオを押さえて、現地のドラマー捕まえて、ニューヨークのギタリストに弾いてもらったギターの音を重ねて、LAのピアニストからもらったデータも重ねたこともあった。世界中からトラックが集まってきて、ミックスはメキシコにいる俺と東京のエンジニアとやり取りして仕上げたんだよね。コロナ禍になる前からそうやって俺は音楽を作っていたから、今この状況になっても海外へは行けないけど同じようなスタイルで楽曲制作をしてる。どこにいても音楽が作れる時代になってよかったなと思うよ。

RIKU 僕も気合いを入れてがんばり続けて、いつかナオトさんとステージでご一緒できたらいいなと思ってます。

左からRIKU、ナオト・インティライミ。

左からRIKU、ナオト・インティライミ。

ナオト ねー! こちらこそですよ。旅もね、いいとこ連れてきますよ。

RIKU やった!

ナオト・インティライミ

ナオト・インティライミ

ナオト・インティライミ

三重県生まれ、千葉県育ち。これまでに世界60カ国以上を1人で渡り歩き、各地でライブや楽曲制作を実施するなど、世界の音楽と文化を体感しながら活動を行っている。2009年にサポートメンバーとしてMr.Childrenのツアーに同行したのち、2010年4月にナオト・インティライミ名義でのメジャーデビューシングル「カーニバる?」をリリース。同年7月には1stアルバム「Shall we travel??」を発表し、12月には東京・日本武道館公演を開催した。その後「NHK紅白歌合戦」出演や大阪・京セラドームでのライブ、全国アリーナツアーを実現し、2017年1月に自分の原点に立ち返るため、世界を回る旅に出ることを宣言。約半年間の旅を経て7月10日開催の「ナオトの日」ライブで日本での活動を復帰させた。2019年9月にジョーイ・モンタナとのコラボ曲「El Japones」でユニバーサルラテンより世界デビュー。デビュー10周年を迎える2021年は秋にベストアルバムをリリース予定。7月10日には恒例の“ナオトの日”ライブ「ナオトの日 スペシャルLIVE 2021 ~じゅっしゅぅ、じゅっしゅぅ、10周年!! あなたが思うよりおまっトゥリです!!~」を東京・東京ガーデンシアターで開催する。

ナオト・インティライミ公式サイト
Naoto / ナオト・インティライミ (@naotointiraymi) / Twitter
Naoto / ナオト・インティライミ (@naotointiraymi_710) ・ Instagram photos and videos
ナオト・インティライミ / Naoto (@naotointiraymi) 公式TikTok | ナオト・インティライミ

RIKU

RIKU

RIKU

1994年8月10日生まれ。THE RAMPAGE from EXILE TRIBEのボーカル。2014年4月に行われたLDH主催オーディション「EXILE Presents VOCAL BATTLE AUDITION 4 ~夢を持った若者達へ~」に合格し、THE RAMPAGEのボーカル候補生となる。同年9月に行われた「武者修行ファイナル」で正式メンバーに昇格。2017年1月にシングル「Lightning」でメジャーデビューを果たした。2021年2月に3rdアルバム「REBOOT」をリリース。6月30日にはTHE RAMPAGEのニューシングル「HEATEWAVE」のリリースが予定されており、その収録曲「ALL ABOUT TONIGHT」「YOUR LIFE YOUR GAME」が各種音楽配信サイトにて現在先行配信されている。RIKU個人としては毎週金曜日にメンバーの陣と共にスペースシャワーTV「ライブを100倍楽しむLIVE YEAH!!!」、bayfm「WEEKEND THE RAMPAGE」にレギュラー出演中。

RIKU (@_riku_r.m.p.g_ldh)・Instagram photos and videos

RIKUさんの近況

THE RAMPAGEとしては、
ついに新曲「HEATWAVE」のMVが解禁となりました!
EXILE TRIBEでのツアーや、単独でのツアー制作、その他レギュラーのお仕事、プロモーション等でかなり忙しい毎日を過ごさせて頂いております!!

HEATWAVEのMV撮影にて!サビのダンスシーン昼の部ですね。この時腹ペコでヤバかった…(写真提供:RIKU)

HEATWAVEのMV撮影にて!サビのダンスシーン昼の部ですね。この時腹ペコでヤバかった…(写真提供:RIKU)

全ての撮影が終わり、カップラーメンを即座に食べる僕! 美味すぎた…マネージャーが撮ってました。笑(写真提供:RIKU)

全ての撮影が終わり、カップラーメンを即座に食べる僕! 美味すぎた…マネージャーが撮ってました。笑(写真提供:RIKU)



プライベートでは…
と言いますと、正直仕事終わって家に帰ったらピアノの練習か休息しかしてないので、特に変わった事はないです…泣
休むために帰るくらいの感じです!!
トレーニングの内容が変わったくらい?笑
トレーナーのジェシー(タメ)とキックルールでスパーリングした時! ローブロー喰らった。。。笑 ジェシーのパンチ速すぎて見えない…(写真提供:RIKU)

トレーナーのジェシー(タメ)とキックルールでスパーリングした時! ローブロー喰らった。。。笑 ジェシーのパンチ速すぎて見えない…(写真提供:RIKU)



オススメの曲はもちろん「HEATWAVE」一択!
あなたの夏を盛り上げる事間違いなしです!

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