「NARUTO」に負けない！「八月納涼歌舞伎」出演陣が奮起

「八月納涼歌舞伎」が本日8月9日に東京・歌舞伎座で開幕。これに先駆け、昨日8日に舞台稽古と囲み取材が行われた。

本公演の第一部では、「花魁草（おいらんそう）」「龍虎（りゅうこ）」「心中月夜星野屋（しんじゅうつきよのほしのや）」を上演。また第二部では、「再伊勢参!? YJKT 東海道中膝栗毛（とうかいどうちゅうひざくりげ）」「雨乞其角（あまごいきかく）」、第三部では「通し狂言 盟三五大切（かみかけてさん ごたいせつ）」が披露される。

昨日行われた囲み取材には、中村扇雀、坂東彌十郎、松本幸四郎、市川猿之助、中村獅童、中村七之助、市川中車、市川右團次が出席。扇雀は「今年は新しい作品、珍しい演目が目白押しです。（新橋）演舞場で、新作歌舞伎『NARUTO-ナルト-』が先行して始まりましたが、年上のおじさんたちも『負けないぞ』という気持ちでがんばっております」と意欲を見せ、会見場の笑いを誘う。

続く彌十郎は「今回は若い方々がたくさん出演します。みんなで一丸となってがんばりますので、猛暑ではございますが、“涼しくなるくらいの熱さ”で舞台を盛り上げていきたいと思います」と納涼にちなんで答え、幸四郎は「第一部から第三部まで、すべての部に出演させていただきます。おじさま方に負けず、若手もがんばりたいと思います」と茶目っ気たっぷりに意気込みを述べた。

猿之助は幸四郎との共演作「東海道中膝栗毛」に言及し、「（幸四郎の）お名前が変わられてから初めて、幸四郎と猿之助、この2つの名前で弥次さん喜多さんを勤めさせていただきます。（『NARUTO-ナルト-』が上演されている）演舞場に負けないようにがんばります」とコメント。獅童は「『八月納涼歌舞伎』は、（十八世中村）勘三郎のお兄さんと（十世坂東）三津五郎のお兄さんがお作りになって、歌舞伎ブームを起こした公演。歌舞伎にをあまりご覧にならない方々にも観ていただけるように勤めたいと思います」と決意を語る。

また七之助は「一生懸命勤めさせていただきます」と真摯に述べつつ、「心中月夜星野屋」で獅童がひさびさに女方を演じることに触れ、「（獅童の）お母様にそっくりで懐かしくなり、思わず楽屋で『おばちゃまー！』と呼びかけてしまいました（笑）」と裏話を明かした。

続いて、中車は「猿之助さんから『膝栗毛は出演者が少ないので早替りしてもらいます』と言われたのですが、蓋を開けてみたら舞台上が大渋滞していました」と答えて会場を和ませ、「貴重な経験をさせていただいております。1人でも多くの方にお越しいただけますよう、心から願っております」と挨拶。そして右團次は「私はまだまだ新参でございますが、『納涼歌舞伎』の歴史を支えてきてくださった先輩方の足を引っ張らないようにがんばりたいです」と思いを語った。公演は8月27日まで。