四世鶴屋南北作「獨道中五十三驛」は、京都を起点に江戸を目指しながら、五十三次の宿場での物語が展開する作品。1981年に三代目市川猿之助(二世市川猿翁)が復活上演させた。今回は、歌舞伎と、朗読劇「こえかぶ 朗読で楽しむ歌舞伎」のコラボレート公演となる。二幕の「『岡崎無量寺』市川中車 宙乗り相勤め申し候」では中車が十二単をまとって宙を飛ぶ猫の怪を初役で勤めるほか、大詰「浄瑠璃 お半 長吉『写書東驛路』常磐津連中 市川團子十三役早替りにて相勤め申し候」では、團子が13役を早替りで演じる。
公演に向け、中車は「THEATER MILANO-Zaという、ここに歌舞伎を根差すことを目指して、2024年に『歌舞伎町大歌舞伎』として歌舞伎が戻ってきてから1年ぶり2回目。澤瀉屋の一門で、父ゆかりの演目に励んでおります」とあいさつ。THEATER MILANO-Zaでの初の宙乗りを自身が勤めることについて、「この劇場は宙乗りをする高さが歌舞伎座の8mよりも高く、12mもあります。これだけの衣裳を着ていることもあり、自分自身というものははるか彼方に飛んで行って、自分ではない何かをやっている感覚がします。もう無我夢中ですね」と心境を語った。さらに、「父は1981年に42歳で初演し、そこから57歳になる1997年まで、團子や『こえかぶ』が担う役全てを演じておりました。今回は時を経て、團子と2人で、そしてこえかぶの方々と役を分けて上演します。私はこの一役だけでも大変なのに、父はずっと1人で演じていたことに改めて尊敬の念と、そしてその意思をしっかりと継いでいかなければならないのだと改めて実感いたしました。私自身はいつの間にかその57歳を超え、60歳で初役としてやっています。お客様にたくさん来ていただいて、父の思い入れのある作品を1人でも多くの方に観ていただきたい、そういう思いで一丸となっております」と意気込みを明かした。
團子は「かつて歌舞伎の劇場を建てる計画があったことから“歌舞伎町”という名前が付いたこの地で、澤瀉屋の大切な作品である『獨道中五十三驛』を上演させていただけることをありがたく思っています。昨日初めて舞台上でお稽古してみて、お客様との距離が近く感じる劇場なので、役の雰囲気がより伝わりやすい劇場だなと思いました。十三役の早替りをお客様に楽しんでいただけるように、裏方の皆様と力を合わせて参ります」と話す。また、「祖父が紡いできた大切な作品でもありますので、身が引き締まる思いです。今回歌舞伎として上演する『岡崎無量寺』の場と十三役早替りの大詰『写書東驛路』の場は、初演から現在に至るまで、ほとんど手を加えられることなく上演されてきた、非常に完成度が高い、人気のある場面です。それ以外の部分は『こえかぶ』として声優の皆様に声の力をお借りして、よりわかりやすくスピーディーに物語をお届けします。歌舞伎をご覧になったことがある方もそうでない方も、全ての世代に楽しんでいただける大スペクタクルな作品になっておりますので、是非劇場に足を運んでください。精一杯勤めます」と微笑んだ。
歌舞伎町大歌舞伎 三代猿之助四十八撰の内「獨道中五十三驛」は、5月26日まで。本公演の歌舞伎パートには、中車と團子のほか、
歌舞伎町大歌舞伎 三代猿之助四十八撰の内「獨道中五十三驛」
開催日程・会場
2026年5月3日(日・祝)〜26日(火)
東京都 THEATER MILANO-Za
スタッフ
作:四世鶴屋南北
出演
「こえかぶ 朗読で楽しむ歌舞伎」(日替わり・出演日順)
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ステージナタリー @stage_natalie
【会見レポート】歌舞伎町大歌舞伎「獨道中五十三驛」開幕、“無我夢中”の市川中車は「父に改めて尊敬の念」(舞台写真あり)
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