Theピーズ武道館ワンマン大成功「皆さん生きのびてくれてありがとう」

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Theピーズが6月9日、東京・日本武道館にて「Theピーズ30周年日本武道館」と題したワンマンライブを実施した。

「Theピーズ30周年日本武道館」の様子。(撮影:新保勇樹)

「Theピーズ30周年日本武道館」の様子。(撮影:新保勇樹)

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このライブはバンド結成30周年を記念して行われた、彼らにとって初となる日本武道館単独公演。バンド史上最大キャパの会場でのライブとあって、開催発表直後から多くのバンド仲間やファンが草の根の告知活動に励んでいたが、そのかいあってか前売りチケットは見事ソールドアウト。会場は2階席最上段まで埋め尽くされる盛況ぶりとなった。

大木温之(Vo, B)(撮影:新保勇樹)

大木温之(Vo, B)(撮影:新保勇樹)[拡大]

ステージ横のスクリーンに30年間の歴史を振り返る短いVTRが流された後、大木温之(Vo, B)、安孫子義一(G)、佐藤シンイチロウ(Dr)が普段通りのTシャツ姿でステージに登場。割れんばかりの拍手で迎えられた3人は1曲目「ノロマが走っていく」からライブをスタートさせた。続くアッパーチューン「とどめをハデにくれ」が演奏されると、場内の盛り上がりは早くもピークを迎え、はる(大木温之)は照れくさそうに「たまんないよ、ヤバいよー」と口にする。

安孫子義一(G)(撮影:新保勇樹)

安孫子義一(G)(撮影:新保勇樹)[拡大]

3曲目の「鉄道6号」で「やっとこんないいとこまで 辿り着いてしまった」というフレーズを感慨深げに歌ったあと、はるは「こんないいとこだったらもっと早く来ればよかった。30年経っちゃったよ」と話し、アビさん(安孫子義一)も「こんなに気持ちいいと思わなかった。ここに五体満足で立てただけでも今日は大成功。最後真っ白になるまで楽しもうよ」とコメント。2009年にthe pillowsのメンバーとして武道館ライブの経験を持つシンイチロウはマイペースな雰囲気を崩さず「俺だけ2度目の武道館です」と言って観客を笑わせた。

佐藤シンイチロウ(Dr)(撮影:新保勇樹)

佐藤シンイチロウ(Dr)(撮影:新保勇樹)[拡大]

バンドはその後も「映画(ゴム焼き)」で濃厚な空気を作り出したかと思えば、「脱線」では横ノリのビートでフロアを踊らせるなど、多彩な楽曲でさまざまな表情を届けていく。「でいーね」では場内がまばゆいミラーボールの光に包まれる場面もあり、満員の観客はその美しい光景に見入っていた。

はるが「こんなことやったことないけどやっちゃおう」と言って始まったのは、なんと観客に「シニタイヤツハシネ」と歌わせるコール&レスポンス。場内は一瞬なごやかなムードに包まれたが、「なんなんだこれ」と笑うはるが「シニタイヤツハシネ」を歌い始めるとその空気は一変。ひときわ気合いの入った演奏が繰り広げられ、バンドはその底の深さを見せつけた。

その後もバンドは「クズんなってGO」「実験4号」「オナニー禁止令」など人気のナンバーを惜しみなく披露。「温霧島」「異国の扉」では、はるがベースをアコースティックギターに持ち替え、3人はしっとりとしたアンサンブルを響かせた。

「Theピーズ30周年日本武道館」ダブルアンコールでの「グライダー」演奏時の様子。(撮影:新保勇樹)

「Theピーズ30周年日本武道館」ダブルアンコールでの「グライダー」演奏時の様子。(撮影:新保勇樹)[拡大]

ライブ終盤に演奏されたデビューシングル曲「バカになったのに」では、曲の途中で「みじかい夏は終わっただよ」のフレーズを挟み込む趣向もあり。続いて「日が暮れても彼女と歩いてた」のイントロのベースラインが鳴るとフロアからは歓声が上がり、バンドはそのまま「サイナラ」「ドロ舟」「真空管」と畳みかける。そしてはるが「皆さん、生きのびてくれてありがとう! それだけだ!」と叫んで、バンドは本編ラストに「生きのばし」を演奏した。

全曲の演奏を終えたあと、輪になってはしゃぐTheピーズの3人。(撮影:新保勇樹)

全曲の演奏を終えたあと、輪になってはしゃぐTheピーズの3人。(撮影:新保勇樹)[拡大]

アンコールの拍手に応えて再登場した彼らは「底なし」「ゴーラン」といった骨太なナンバーを連発。「デブジャージ」ではアビさんがメインボーカルをとり、会場を大いに盛り上げた。そしてダブルアンコールの「何様ランド」で会場の熱気は最高潮に。はるの「じゃあまたどこかで!」の声に続いてアビさんがギターをかき鳴らすと、同時に会場の客電がつき、最後のナンバー「グライダー」が情感たっぷりに披露された。曲中ではるは「30年前も 30年先も」と歌詞を変えて歌い、この記念すべき日のパフォーマンスを締めくくった。

すべての演奏が終わり、SEとして「好きなコはできた」が大音量で流れる中、メンバー3人は満面の笑みを浮かべつつ改めて観客に挨拶。計35曲3時間弱におよぶTheピーズ初の日本武道館公演は、大成功のうちにその幕を下ろした。

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Theピーズ「Theピーズ30周年日本武道館」
2017年6月9日 日本武道館セットリスト

01. ノロマが走っていく
02. とどめをハデにくれ
03. 鉄道6号
04. 焼めし
05. ブラボー
06. 映画(ゴム焼き)
07. 脱線
08. でいーね
09. いちゃつく2人
10. シニタイヤツハシネ
11. クズんなってGO
12. 実験4号
13. トロピカル
14. オナニー禁止令
15. 温霧島
16. 異国の扉
17. 3度目のキネマ
18. 絵描き
19. ハニー
20. 喰えそーもねー
21. どっかにいこー
22. 線香花火大会
23. バカになったのに
24. 日が暮れても彼女と歩いてた
25. サイナラ
26. ドロ舟
27. 真空管
28. 生きのばし
<アンコール>
29. 底なし
30. ゴーラン
31. デブジャージ
32. 君は僕を好きかい
33. 脳ミソ
<ダブルアンコール>
34. 何様ランド
35. グライダー

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17ロピウーッハハィン @dis17jun

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