4月30日にデビュー2周年を迎えるLienelが、初のフルアルバム「罪と罰」をリリースした。
大人びた恋愛ソング「LOVE Communication」でデビューしたのち、バラエティに富んだ楽曲を次々発表してきたLienel。2年間の集大成となる1stアルバムは、シングル曲に加えてさまざまなジャンルの新曲を9曲収録した、1つとして同じ味のない充実の内容となっている。
音楽ナタリーではLienelメンバーに表題曲「罪と罰」をはじめとした新曲について、それぞれの“推し曲”を挙げながら解説してもらった。最後に今後の抱負を聞くと、とある本音がダダ漏れに。さらに6人の関係性の変遷や、日々の“荷物運び事情”も明かした彼らの言葉の端々から2年間の成長を感じてほしい。
取材 / 三橋あずみ文 / 湯澤穂波撮影 / 須田卓馬
顔合わせから2年経って
──約2年前がLienelメンバーと顔合わせをした“裏結成記念日”なんですね(取材は3月上旬に実施)。
森田璃空 そうなんです。
高岡ミロ 顔合わせから丸2年が経ちました。
──音楽ナタリー初登場のインタビューで顔合わせのときのお話を聞きましたが(参照:Lienel デビュー記念インタビュー)、2年経った今、改めて振り返っていただけますでしょうか。
高岡 まずみんな、顔が違いますよね。当時は幼いのと、なんだか……ふわふわしてた。
近藤駿太 僕はもとから垢抜けてたけどね。
高岡 さすが未体験イケメン(※近藤は「Neo ROMANTIC」の歌詞にちなんで、しばしば“未体験イケメン”を自称している。参照:Lienel「Love Me Madly」インタビュー)。
高桑真之 僕は最年少で、みんなのことが“ちょい怖”でしたね。実際はみんな優しかったです。
──そんな出会いから2年。長かったですか? それともあっという間?
芳賀柊斗 僕はどっちもですね。例えばワンマンライブの練習の時間は長く感じるけど、本番が終わったら「意外とあっという間だったな」と思うし。
近藤 わかるわかる。
──結成当時に思い描いていた未来と、今現在の自分たちを比べてみていかがですか?
高岡 カレーの曲(2024年7月発表の楽曲「Curry on love」)を歌うとは思わなかったです(参照:Lienel「Curry on love」インタビュー)。
森田 それはそうだね(笑)。
近藤 思っていたアイドルとは違いました。僕はアイドルアイドルした楽曲が好きなので、そういう想像をしていたんです。最初はよかったんですよ。「Love Me Madly」(2023年7月発表の1st CDシングル)とか、おしゃれですし。でも「親指☆Evolution!」(2023年12月発表の2nd配信シングル)で「あれ?」と思い始めて、カレーで確信しました。ヤバい!と(笑)。
森田 最初に「EBiDANで一番おしゃれなグループ」というグループのコンセプトを聞いたからそういうイメージを持っていたけど、トンチキソングも歌うようになり「あ、そっち路線もやるんだ」と。気が付いたらいろいろなジャンルに触れられているから、楽しいです。
高岡 僕は駿太とは違ってアイドルアイドルした自分をあまりイメージできなくて。トンチキソングを歌いながら“ザ・EBiDAN”的な感じでここまでやってこられたことをすごくありがたく感じています。
武田創世 僕は最初、将来どうなるとか、2年後は何をしているかとか、あまり想像できなかったんですよ。今になってみると、順調にいいグループになってきたなと思います。
高岡 うんうん。共感。
1stアルバム「ピーマン」じゃなくてよかった
──そしてついに、デビュー2年で1stアルバム「罪と罰」が完成しました。この作品、どんな1枚になったと感じていますか?
高岡 このアルバムには「Lien(Lienelファンの呼称)のみんなに感謝を伝えよう」という裏テーマがあります。大人な失恋ソングからライブで盛り上がる曲まで収録されていて、1stアルバムも“超Lienel”という印象です。Lienに聴いてもらうのがめちゃくちゃ楽しみです!
芳賀 アルバム全体を通してクオリティが高いです。先ほど表題曲の「罪と罰」のミュージックビデオを観たのですが、そちらもすごい完成度に仕上がってます。僕的には表題曲にドカンとインパクトがあると思いましたね。
──アルバムタイトルと表題曲が「罪と罰」と聞いたとき、インパクトのある攻めたタイトルだなと感じたのですが、皆さんはいかがでしたか?
一同 意外とそういうことは感じなかったんです。
高岡 さっきの取材で言われてみんな気付いたよね。これって普通じゃないんだって(笑)。
武田 麻痺しているのかも(笑)。
芳賀 カレーの曲をやったあたりから感覚が変わってきたよね。なんでも受け入れるっていう。
──ではその表題曲「罪と罰」のお話から。初めて聴いたときの印象はいかがでしたか?
武田 すごくカッコいいなと思いました。やったー!って。
高岡 僕は歌詞がとても好きだなと思いました。誰かに助けを求めるような曲で、また新しい表現の扉を開けた感覚がありました。
近藤 「おしゃれな曲でよかったー」と安心しました。
高岡 安心が勝つんだ(笑)。
高桑 僕も安心が勝ってたかも。「ピーマン」じゃなくてよかったよね。
森田 一時期、「ピーマン」という曲ができるんじゃないかって噂があったんですよ(笑)。
近藤 Lienelだったらありえなくはないよね……。
──「罪と罰」はストーリー性のある歌詞が特徴的です。どんなことを意識してレコーディングに臨みましたか?
芳賀 優しい曲ではないので、僕は力強く歌うことを意識しました。
武田 僕的には、苦しみの中でもがいている感じ。「足掻けば足掻くほど 絡みついて離れない 枷のような罪と罰」という歌詞を軸にイメージを膨らませながら歌いました。「呼吸なら生まれてくる前から知ってる なのに何故 息苦しい」というパートは、吐息の量を増やして息苦しさを表現することにこだわりました。
高桑 僕はサビ頭を担当しています。これまでサビ頭を歌うことがあまりなかったので、いつも以上に気合いを入れて練習してから録りました。
近藤 さね(高桑)と2人で歌う部分があるんですけど、僕がリリースイベントで1回声が出なくなっちゃったときがあって。そのときもさねがすごくがんばってくれたよね。
レッスンのときくらい表情を作ってない
──「罪と罰」の振付についても聞かせてください。
近藤 表情から苦しい様子を表現しなきゃいけないのでけっこう難しいなと思っていたんですけど、全力で踊っていたら疲れるじゃないですか。キラキラソングだと表情を常に作ってなきゃいけないところを、この曲はただ全力でパフォーマンスしていれば、めちゃくちゃいい表情ができることに気付いて。
森田 確かに!(笑)
高岡 発見したねえ! その発想はなかったわ。
芳賀 ね。僕もたどり着けなかった(笑)。
近藤 だから、本番でもレッスンのときくらい表情を作ってないです(笑)。そして疲れが顔に出るくらい全力を出しています。
高岡 僕は「誰もが不ぞろいな形を 隠しては拒む 綺麗に整っているかのように」という部分の振付がすごく好きです。各々が個性のあるポーズをして、そこから徐々にきれいな形になるっていう。そういう集団行動のようなパフォーマンスはLienelとして初めてだったし、歌詞とぴったりで面白いと思いました。
近藤 きれいだよね。あと、あれも初めてじゃない? 「呼吸なら~」のところで円を作って創世を囲むところ。創世がみんなを操作してる感じになるんですよ。中に人が入ってる、エヴァンゲリオンみたいな感じ。
一同 エヴァンゲリオン(笑)。
芳賀 別にガンダムでもいいけどね(笑)。
近藤 ガンダムでもいいけど、個人的にはエヴァンゲリオン(笑)。あれ、カッコいい。僕がやりたかった……。
武田 あとはジャンジャンジャン……というサビ前のところをがんばってそろえているので、ぜひ注目してほしいです。
高岡 めっちゃそろえたよね!
高桑 最後もめちゃくちゃそろえたしね。
芳賀 「罪と罰」の振付はU★Gさんなんですけど、すごく細かいところまでこだわってくださって。もう全部が見どころと言えると思います。
高岡 あの方は“神”です。というのも、U★Gさんって空間を見てるんですよ。
高桑 僕らのダンスを直接は見てないんだよね。
高岡 僕らのちょっと上の空間を見て、誰かが間違ったり違う動きをしたり、違和感が出たらすぐに指摘されるんです。
近藤 間違えたときにチラッとU★Gさんを見たら、こっちを見てなかったから「よし!」と思ったら、バレてた(笑)。見てたの!?って。
森田 すぐバレるよね(笑)。本当にすごい。
衣装をボロボロに、感情むき出しのMV撮影
──では、「罪と罰」のMVはどんな作品に?
高岡 感情がむき出しです。
森田 確かに、そういうテーマだね。
高岡 人混みの中で演技をしながら撮りました。
芳賀 撮影中は「なんだこいつ?」って変な目で見られていたと思います(笑)。あと、MVは1点物の衣装をボロボロにして撮影したんですよ。
武田 ビリビリに破いたんだよね。
高桑 スタイリストさん全面協力のもとね。
芳賀 そう。MVのためにボロボロにしていただいて、白シャツにも泥をすり込んだりして。そういう部分でも、感情むき出しなテーマを表現しています。ちなみに衣装は撮影後にすごくきれいに修復してもらいました。
高岡 アー写はMV撮影の前に撮ったから、今着ているものと少し違うんです。
武田 あと、MVがモノクロなのも特徴です。
近藤 撮影中「リップの色を足してください」ってメイクさんにお願いしたけど、モノクロだからあんまり関係なかった(笑)。
──皆さんのお気に入りシーンは?
高岡 僕はさねのエレベーターのシーンが好き。めっちゃカッコいいよね。
高桑 僕だけ室内で撮ったんですけど、暖かくてよかったです。僕はメンバー全員がくるくる回るところが好きです。
近藤 わかる! 自撮りしながらくるくる回ったんですけど、すごくきれいな仕上がりになってます。
高桑 そこの駿太が面白かった。
森田 駿太だけなんか作業感があったよね(笑)。
近藤 ……途中でにやけちゃった記憶はある。
武田 うん、笑いそうになってた(笑)。
──「罪と罰」は「Love Me Madly」の系譜と言える楽曲ですが、「Love Me Madly」が制作された当時の自分と、「罪と罰」を歌っている今の自分を比べて、成長したと感じる部分は?
近藤 「Love Me Madly」のMVの僕は表情が皆無だったんです。まぶしくて目が開いてないところもあったりとか(笑)。そういうところは成長したかなと思います。
武田 僕は年齢的な話ですけど、声変わりが進んだので当時と今はだいぶ声が違います。どっちも大人っぽい曲だけど、「Love Me Madly」は僕の声のせいでちょっと子供っぽく聞こえてた。
高岡 そんなことはないけどね。
武田 自分ではそこが惜しいなあと感じていたので、「罪と罰」では声が低くなってさらに大人っぽい雰囲気が出たんじゃないかなと思います。
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それぞれの推し曲は?全新曲を解説