DIR EN GREY、壮絶な武道館2公演で最新アルバムにけじめ

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DIR EN GREYが3月8、9日に東京・日本武道館でワンマンライブ「DUM SPIRO SPERO」を行った。

DIR EN GREY「DUM SPIRO SPERO」3月8日公演の様子。(撮影:尾形隆夫)

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DIR EN GREY「DUM SPIRO SPERO」3月9日公演より、京(Vo)。(撮影:尾形隆夫)

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DIR EN GREY「DUM SPIRO SPERO」3月9日公演の様子。(撮影:尾形隆夫)

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DIR EN GREY「DUM SPIRO SPERO」3月8日公演より、京(Vo)。(撮影:尾形隆夫)

DIR EN GREY「DUM SPIRO SPERO」3月8日公演より、京(Vo)。(撮影:尾形隆夫)

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今回のライブは2011年8月に発売されたDIR EN GREYの8thアルバム「DUM SPIRO SPERO」のタイトルを冠したもので、発売から3年半以上を経て同作に伴う活動の集大成となる2公演だ。彼らが武道館のステージに立つのは2010年1月以来ということもあり、会場には大勢の観客が詰めかけバンドの勇姿を見届けた。

ステージセットは一見して非常にシンプルなもので、メンバーの楽器やアンプ以外にはステージ後方一面に設置されたLEDスクリーンのみ。初日となる8日の公演ではまず、ツアー中のメンバーを収めたモノクロ映像と2011年8月から2014年3月までの全ツアー日程がスクリーンに映し出され、続いてアルバム「DUM SPIRO SPERO」のオープニングSE「狂骨の鳴り」が爆音で鳴り響く。するとShinya(Dr)、Die(G)、Toshiya(B)、薫(G)とステージに現れ、最後に顔の周りにストールのようなものを巻いた京(Vo)が登場すると客席からは怒号のような歓声が鳴り響く。京はそのまま客席に背中を向けたまま、1曲目「THE BLOSSOMING BEELZEBUB」を歌い始めた。するとスクリーンには京のマイクに設置されたカメラからの映像が映し出され、京が髑髏メイクをしていることが明らかになる。客席からひときわ大きな歓声が沸き上がると、バンドはそのまま「DIFFERENT SENSE」「OBSCURE」と攻撃的なナンバーを連発した。

この日のライブはアルバム「DUM SPIRO SPERO」からの楽曲を軸にしつつも、「dead tree」「VINUSHKA」などといった過去の楽曲を織り交ぜたセットリストで進行。ステージや会場のいたるところから放たれる照明が曲によってさまざまな演出を繰り広げ、唯一無二のステージが展開される。中でも「VINUSHKA」の曲間では京が「ブドーカン!」と力強く叫ぶと、客席からは怒号にも近い歓声が沸き上がった。そしてライブ本編ラストは京と観客による「THE FINAL」の大合唱で締めくくられた。

アンコールはアコースティックギターの音色が印象的な「VANITAS」からスタート。京の伸びやかな歌声が独特の世界観を作り上げると、続く「SUSTAIN THE UNTRUTH」では再びヘビーでダークなサウンドで会場の雰囲気を一変させる。さらにインディーズ時代の楽曲「蒼い月」のイントロが聞こえた瞬間に客席からは悲鳴にも似た歓声が沸き起こり、そのまま「THE IIID EMPIRE」「C」とアッパーチューンの連続で会場の盛り上がりはピークを迎えた。そして京は「お前ら、みんな生きてるか。ちゃんと生きてるのか! ラスト……俺らと1つになれるのか!」と観客を煽り、この日最後のナンバー「残」で強烈なボーカルとヘッドバンギングを提示して、2時間以上にわたる武道館初日公演を終えた。

翌9日の2日目公演は前日のような映像演出はなく、いきなりSE「狂骨の鳴り」からライブは開始された。SEが流れる間にメンバーが1人、また1人とステージに登場し、最後にサングラスに革ジャンという出で立ちで京が現れたところで、バンドは「MACABRE」を演奏し始める。ライブ冒頭をこの15分超の大作が披露されたことで、この日のライブが前日とはまた違ったものになるであろうことは、初日にも参加したファンなら気付いたかもしれない。実際その通りで、DIR EN GREYはこの後もアルバム「DUM SPIRO SPERO」の楽曲を中心に、前日ライブで演奏しなかった楽曲を次々にプレイしていった。

ライブ中盤では「かすみ」「砂上の唄」とメロウな楽曲が立て続けに披露され、ライブ前半の攻撃的な雰囲気から一変。しかし「THE BLOSSOMING BEELZEBUB」のシンフォニックバージョン以降は再びヘビーかつダークな空気が会場を包み込み、「Unraveling」ではスクリーンに映し出される同曲のビデオクリップを背に、5人は力強く歌い演奏する。そして最後に複雑な展開を持つ壮大な「DIABOLOS」でライブ本編を締めくくった。

アンコールの1曲目はエモーショナルなメロディが印象的な「輪郭」。曲後半、静かになるパートでは京がマイクを使わずに「MINERVA」と叫び、曲が持つ悲痛さをより強めていく。続く「umbrella」では観客の盛り上がりも加速し、客席からは合唱が自然発生。さらに「羅刹国」では会場の熱気が急上昇すると同時にライブもクライマックスを迎え、曲のエンディングでは薫やDie、Toshiyaが笑みを浮かべる。そして京が「今日は1つお願いがある。いつもお前らに『1つになれるか!』って言うけど、それに対して(周りから)『そんなことできない』って言われる。今日はその夢を叶えさせてくれ!」と観客に語りかけると、ラストナンバー「SUSTAIN THE UNTRUTH」に突入。グルーヴィな演奏にあわせて、観客は最高の大合唱で京の思いに応える。そんなファンのリアクションに対し、ときに笑みをこぼす京は何度もマイクを使わずに「もっと! もっと!」と観客を煽り、最高の盛り上がりの中ライブを終えた。

5人がステージを降りると「THE FINAL」のピアノインストバージョンにあわせて、スクリーンにはライブのエンドロールが流れる。続いて「THE FINAL」のリメイクバージョンのビデオが上映されると、客席からはさらなる大合唱が始まり、ライブはまだ終わってないのではと思えるほどの盛り上がりをみせた。「THE FINAL」のビデオ上映も終わり、いよいよ本当にライブ終了かと思いきや、スクリーンには7月に武道館2DAYS公演のBlu-ray / DVDが発売されること、11月にニューアルバムがリリースされること、そして夏に「TOUR14 PSYCHONNECT - mode of "GAUZE"?-」と題した新ツアーが行われることが次々に発表され、会場には悲鳴のような歓声が鳴り響く。その後会場は明るくなりライブ終了となるが、それにも関わらず観客はアンコールを求め続け、その声はより強いものへと変わっていった。

この声援に応えるかのように、DIR EN GREYの5人は再度ステージに登場。客電が付く中、京は「お前ら、元気だな!」とうれしそうに叫び、予定外のダブルアンコールとして「朔-saku-」をプレゼントして2時間20分におよぶ武道館最終公演の幕を下ろした。バージョン違いを除き、2日とも演奏したのは最新シングル「SUSTAIN THE UNTRUTH」のみという壮絶なライブを繰り広げたDIR EN GREY。彼らは演奏を終えても名残惜しそうな表情でステージをなかなか離れることができず、ファンとコミュニケーションを取りつつ、最終的に観客に最大級の賛辞を送り1人、また1人とステージを降りた。

圧倒的な武道館での2公演を終え、快作「DUM SPIRO SPERO」に1つのけじめを付けたDIR EN GREY。8月の新ツアー「TOUR14 PSYCHONNECT - mode of "GAUZE"?-」、そして11月に発売予定の約3年ぶりのニューアルバムで何を提示するのか、その動向に注目が集まる。

DIR EN GREY「DUM SPIRO SPERO」
2014年3月8日(土)東京都 日本武道館 セットリスト

SE. 狂骨の鳴り
01. THE BLOSSOMING BEELZEBUB
02. DIFFERENT SENSE
03. OBSCURE
04. LOTUS (Symphonic Ver.)
05. Unknown.Despair.Lost
06. AMON (Symphonic Ver.)
07. 蜜と唾
08. 滴る朦朧
09. dead tree
10. 鴉
11. VINUSHKA
12. 霧と繭
13. 暁
14. THE FINAL
<アンコール>
15. VANITAS
16. SUSTAIN THE UNTRUTH
17. 蒼い月
18. THE IIID EMPIRE
19. C
20. 残

DIR EN GREY「DUM SPIRO SPERO」
2014年3月9日(日)東京都 日本武道館 セットリスト

SE. 狂骨の鳴り
01. MACABRE
02. 流転の塔
03. 激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇
04. 「欲巣にDREAMBOX」あるいは成熟の理念と冷たい雨
05. 獣慾
06. DECAYED CROW
07. Bottom of the death valley
08. かすみ
09. 砂上の唄
10. 孤独に死す、故に孤独。
11. THE BLOSSOMING BEELZEBUB (Symphonic Ver.)
12. 業
13. Unraveling
14. DIABOLOS
<アンコール>
15. 輪郭
16. umbrella
17. 羅刹国
18. SUSTAIN THE UNTRUTH
<ダブルアンコール>
19. 朔-saku-

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