再生数急上昇ソング定点観測 (2025年12月1週目) [バックナンバー]
キンプリにしかできない独自のエンタメの創出 / BUMP OF CHICKENの新曲の歌詞を読み解く / 平井堅×安室奈美恵コラボに再評価の声が
今、盛り上がり始めている曲 / これから盛り上がりそうな曲について詳しく解説
2025年12月5日 18:30 1
YouTubeでの視聴回数チャートや、ストリーミングサービスでの再生数が伸びている楽曲を観測し、今何が注目されているのかを解説する週イチ連載「再生数急上昇ソング定点観測」。今週はYouTubeで11月21日から11月27日にかけて集計されたミュージックビデオランキングの中から要注目トピックをピックアップします。
文
まずはこの週の初登場曲の振り返りから
今週のYouTubeのミュージックビデオランキングは、8位に
Stray Kids「Do It」ミュージックビデオ
34位には
iLiFE!「君セン!」振り動画
45位には
ILLIT「NOT CUTE ANYMORE」ミュージックビデオ
52位には
RIIZE「Fame」ミュージックビデオ
55位には
Mori Calliope「Gold Unbalance feat. 中島健人」ミュージックビデオ
K-POPアーティストの新曲が目立った今週は、下記の3曲をピックアップする。
King & Prince「Theater」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場6位
「Theater」は
「Theater」の作詞、作曲、振付を担当したのは、15thシングルの表題曲の1つ「moooove!!」も手がけた
「アルバムのコンセプトを伺い、『どんなタイトルの曲にしよう?』と考えていたときに、さまざまなストーリーが展開される場所=“Theater”がぴったりだと感じ、そこから楽曲の世界観を広げていきました。日本の音楽シーンを盛り上げている二人が歌ってくれるからこそ、より説得力のある1曲になったと感じています」
この曲は、心も体もボロボロになりながら懸命に働く人たちに向けて、シアターの案内人を務めるメンバーの
キンプリがアイドルとしての魅力はそのままに、その枠組みだけに留まらない幅広い音楽的アプローチを見せてきたことは、これまでの楽曲でもすでに証明されているが、高い音楽スキルで大衆を魅了しながらも、現代社会のリアルを描きつつ希望のある世界を創出するところに、彼らにしかできない独自のエンタメを感じる。
BUMP OF CHICKEN「I」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場33位
エモーショナルできらびやかなイントロで幕が開けるこの曲は、ストリングス、ホーンに加えて、電子音など多彩な音色を取り入れながらも、歌が心にスッと入ってくる。一聴しただけで、歌と演奏のどちらの魅力も際立つ緻密なバランスは、BUMP OF CHICKENの職人芸とも言えるだろう。
今作の歌詞は、主人公“僕”の自問自答が1つのポイントになっているのではないかと思う。大事な瞬間が目の前に訪れたとき、自分はなんのために生きて、大事な“君”に何を伝えるべきなのかを自問自答する。そして「僕も生きる 君と生きる」という安心立命の答えを導き出す。「一人じゃないぜ」という印象的なフレーズは、僕自身と君に向けられた救いの言葉のように思える。曲が進むごとに主人公がたくましくなっていく姿は、まさにヒーローの生き様そのものを表しているようだ。
平井堅「グロテスク feat. 安室奈美恵」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場49位
安室の新曲がリリースされるたびに必ずチェックし、ツアーがあれば足を運んでいた平井が、手紙で熱烈なオファーをしたことで実現したこのコラボ。「グロテスク」の制作には約1年もの月日が費やされ、楽曲デモは国内外問わず100曲以上集められた。
力強くスリリングなビートの上で、嫉妬や妬み、本音や建前、素直に生きられない葛藤など、人間の奥底にある歪みや不快な感情を、タイトルの「グロテスク」が持つ異様さ、奇妙さのイメージに重ねながら、全編を通して鋭く歌にしている。YouTubeのコメント欄では「懐かしいけど今見てもぜんぜん古く感じないし お二人ともやっぱりカッコいい……」「時代先取りな曲調だよね 今聴いても古臭さがない」など、改めて同曲を評価する声が多く上がっている。
- 真貝聡
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ライター / インタビュアー。雑誌やWebで執筆するほか、MOROHA「其ノ灯、暮ラシ」、BiSH「SHAPE OF LOVE」、PEDRO「SKYFISH GIRL-THE MOVIE-」といったドキュメンタリー映像作品や、テレビ特番「Mrs. GREEN APPLE ~Review of エデンの園~」にインタビュアーとして参加している。
バックナンバー
- (2025年11月4週目) 優里「最低な君に贈る歌」がリアルな理由とは / 雨夜燕「理論武装して」が描く“強さ”と“覚悟” / つんく♂「私のラミンタッチオーネ」に込めた思い
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音楽ナタリー @natalie_mu
今週は…
🔸キンプリにしかできない独自のエンタメ
🔸BUMP OF CHICKEN新曲の歌詞を考察
🔸平井堅×安室奈美恵コラボに再評価の声
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今盛り上がり始めている曲について解説する連載
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