再生数急上昇ソング定点観測 (2025年12月2週目) [バックナンバー]
Number_iは誰にも媚びず何にも縛られず走る / ヒゲダン新曲から感じたアインシュタインの言葉 / 「Underdog」はEveなりの人生賛歌だ
今、盛り上がり始めている曲 / これから盛り上がりそうな曲について詳しく解説
2025年12月12日 18:30 11
YouTubeでの視聴回数チャートや、ストリーミングサービスでの再生数が伸びている楽曲を観測し、今何が注目されているのかを解説する週イチ連載「再生数急上昇ソング定点観測」。今週はYouTubeで11月28日から12月4日にかけて集計されたミュージックビデオランキングの中から要注目トピックをピックアップします。
文
まずはこの週の初登場曲の振り返りから
今週のYouTubeのミュージックビデオランキングは、7位に
藤井風「Casket Girl」ミュージックビデオ
17位にランクインしたのは、
DOMOTO「愛のかたまり」ミュージックビデオ
30位には
Stray Kids「DIVINE」ミュージックビデオ
48位には
Tani Yuuki「もしものがたり」ミュージックビデオ
ソロアーティスト、アイドル、ボーイズグループなど、さまざまな新曲が並んだ今週は、下記の3曲をピックアップする。
Number_i「LAVALAVA」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場9位
「LAVALAVA」は、
SNSをはじめとした“息苦しい現代社会”をレーシングコースに例えた歌詞では、見えない社会のルールに順応するのではなく、自分の走るべき道をハンドリングしながら、整備されていない道を悠々自適に進んでいく様子が描かれているのではないだろうか。誰にも媚びず、何にも縛られず、自分たちらしい走りを見せるNumber_i。「LAVALAVA」は3人のこれまでとこれからの歩みをメタ的に表現した楽曲のように感じる。
Official髭男dism「Sanitizer」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場11位
11月26日に突如開設されたカウントダウン付き特設サイト。そこで流れていた一部のメロディが、実は新曲のイントロだったことが明らかになった。
楽曲の主人公“僕”は乗り越えなければいけない心の問題を抱えており、それを「Oh baby この渇きだけは ここにある穴だけは / 君に満たしてもらっちゃいけない気がするんだ」と自らの力で打開しようと克己する。なぜ、僕は己の力だけで乗り越えようとするのか? それは、自分という人間を自分で誇ることが、自分という人間を自分で守ることが、大事な“君”を愛することに不可欠だと思うからだ。人間は“自分のため”だけではがんばることは難しい。しかし、“誰かのため”という大義名分があれば、大きな壁や試練を乗り越えることができる。筆者はアルベルト・アインシュタインの「誰かのために生きてこそ人生には価値がある」の名言とも重なる、人生哲学をこの曲から感じた。
Eve「Underdog」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場28位
人間は誰しも生まれたときは「妬みやそねみ」も「虚栄心」もない無垢な心を持っている。それが成長するにつれて、周りとの差や世間の評価を気にするようになり、誰かに劣っていると見られないように自分を取り繕って、無理をして生きるようになる。要するに、みんな他人に負けていることを認めるのが怖いのだ。それは「人生の失敗を認めることが怖い」と言い換えられるだろう。
独立研究者・著作家の山口周は、
「多くの人は『失敗しないに越したことはない』と思っているでしょうが、じつは失敗はすごく重要なものです。その失敗をいかにプラスに生かしていくか。それは、個人にとっても組織にとっても、社会全体にとっても大事なことだと思います」
この話と通じるものを、
- 真貝聡
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ライター / インタビュアー。雑誌やWebで執筆するほか、MOROHA「其ノ灯、暮ラシ」、BiSH「SHAPE OF LOVE」、PEDRO「SKYFISH GIRL-THE MOVIE-」といったドキュメンタリー映像作品や、テレビ特番「Mrs. GREEN APPLE ~Review of エデンの園~」にインタビュアーとして参加している。
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凛音 @092926Yuuta
誰にも媚びず、何にも縛られず、自分たちらしい走りを見せるNumber_i。 https://t.co/NoBzphg4Dc