HAPPY CREATORS|アイドル2年生、充実の1年を経て届けたいHAPPYのかたち

世界中にハッピーを届ける──大きな夢を掲げて結成された7人組アイドルグループ・HAPPY CREATORSがデビュー2年目に突入した。昨年11月の結成から現在までに、2本のツアーと1枚のアルバムリリース、さらには夏の大型イベントや音楽フェスへの参加、海外遠征と、わずか1年の間にさまざまな経験を重ねてきた。

11月15日、東京・大手町三井ホールにて結成1周年記念ライブ「HAPPY CREATORS 1st Anniversary Live -はっぴー創造記念日!-」を行い、2年目の歩みを始めたハピクリ。この1年間は彼女たちにとってどのような時間となったのか。7人に話を聞いた。

取材・文 / 西廣智一撮影 / 臼杵成晃

アイドル1年生、初めての夏に感じたこと

──前回皆さんにお話を聞いたのは「HAPPY CREATORS 夏の全国ツアー2025 ~ハッピーサマーバケーション!~」の最中でしたが、その後ツアーは9月28日まで続き、それ以外にもアルバム「make happy」とシングル「じゃじゃじゃじゃーん!!」のリリースイベント、そして「LuckyFes'25」や「@JAM EXPO 2025」といった夏フェスへの出演や台湾遠征など、目まぐるしい日々が続きました。この期間を過ごして得られた手応えや感じたことについて、お一人ずつお話を聞かせてください。

HAPPY CREATORS

HAPPY CREATORS

橘あや 私が率直に感じたことは、本当にたくさんの方の協力がないと過ごせなかった夏だな、ということ。私たちは東京を拠点に活動しているから、地方や海外に遠征した際には集客含めて大変な経験もたくさんありましたが、それでもがむしゃらにがんばれるのは周りの支えがあるからこそだなと実感した夏でした。

楠森しゅり この夏はほぼ毎日イベントがあったりと、これまでの人生の中でも一番忙しかった夏だったと思っていて。私はもともとインドア派で、普段はあまり外には出ないので、毎日いろんな場所に飛び回って、すごく充実した夏を過ごせました。

夏目りこ ハピクリ1年目の夏だからこそ、「今年の夏は最高にするぞ!」という気合いも入っていましたし、自分たちが思っていた以上にたくさんステージに立たせていただいたうれしさもあるけど、だからこそ「来年はさらにがんばりたい」って気持ちになりましたし、夏フェスを制覇したいという思いも芽生えてきました。

左から橘あや、楠森しゅり、夏目りこ、小鈴かれん。

左から橘あや、楠森しゅり、夏目りこ、小鈴かれん。

小鈴かれん この夏を通して、メンバーもファンも家族みたいな存在になったなと感じていて。特に私はこの夏、ライブ中に体調を崩したり、海外遠征の際に成田空港と羽田空港を間違えてしまったり……(笑)、いろいろ失敗もあったんですけど、周りの支えがあって乗り越えられました。

松本せりな 今年の夏は毎日のようにライブやイベントがあったので、ファンの方とコミュニケーションをとる機会も本当に多くて。そういうこと全部含めて、今までの人生で一番チャレンジや努力をした期間だったので、私自身すごく成長できたんじゃないかなと思っています。

逢川あい ほかのメンバーが言うように、本当に多忙な夏でしたけど、無事に全部やり遂げられて達成感いっぱいの夏でした。

七瀬こあ ツアーを回らせていただけたこともすごくうれしかったですし、加えてフェスにも出演させていただいて、かつ海外遠征もあったりして。この経験が自信にもつながりましたし、ハピクリのことを信じて応援してくれたファンの皆さん、貴重な経験をたくさんさせてくれたスタッフの皆さんがいてこその夏だったので、メンバーはもちろん、ファンの方やスタッフさんなど周りの方々とも絆を深められた期間になりました。

左から松本せりな、逢川あい、七瀬こあ。

左から松本せりな、逢川あい、七瀬こあ。

──「LuckyFes'25」に関しては僕も会場で拝見しましたが、朝イチにもかかわらずたくさんのお客さんが集まっていて、爪痕もしっかり残せたのではないでしょうか。

七瀬 「LuckyFes'25」はアイドルだけじゃなくて、いろんなジャンルのメジャーなアーティストさんが集まっていたので、「私たちもこうなれるのかな。もっとこうなりたいな」とパフォーマンス面でもすごく触発されました。

 ステージも大きかったもんね。

──そこで結果を残せたからこそ、LuckyFMで冠ラジオ番組「ハピラキ★ステーション!」が始まったり、笠間芸術の森公園イベント広場で開催されたイベント「IBARAKI DREAM LAND2025」に出演したりと、茨城関連のお仕事が立て続けに決まったわけですものね。

楠森 「LuckyFes'25」から全部つながっているんだと思うと、本当にありがたいです。ラジオの収録は毎回楽しいです!

逢川 みんなしゃべりすぎて、収録がどんどん長くなってしまう(笑)。

七瀬 でも、番組を通じて私たち7人のことをもっと深く知ってもらえたらなと思っているので、どんどん素を出していきます(笑)。

HAPPY CREATORS

HAPPY CREATORS

1年の成長、2年目の課題

──いろんな縁をつなぎながら、11月にデビュー1周年を迎えました。改めてこの1年を振り返ってみて、それぞれ「ここが成長したな」「ここは反省点、2年目への課題だな」と思うポイントと、それに対してほかの皆さんが感じたことを教えてもらえますか?

七瀬 パフォーマンスに関して、ほかのアイドルさんだけじゃなく、いろんなジャンルのアーティストさんのライブ映像を観たりと、見せ方についてすごく研究した1年でした。あとはファンの方との関係性についても、ツアーやリリースイベントを通じて1人ひとりの方としっかり向き合うこともアイドルとして大事な部分だなと強く実感できたので、そこは自分にとっても成長ポイントだったのかなと思います。歌に関しては常に向上心を持ち続けていきたいなと思っているので、もっと研究して場数を踏んで、いろんなジャンルの歌に挑戦していきたいです。

七瀬こあ

七瀬こあ

松本 こあさんは文章力やコミュニケーション能力が高くて、ファンの方への気持ちの伝え方がすごく上手だなって思います。

楠森 あと、歌い方がかわかったりカッコよかったりと、曲によっていろんな歌い方ができるところも尊敬しています。

七瀬 え、恥ずかしいですね、これ……(笑)。

逢川 私はデビュー間もない頃は緊張しすぎて、ライブのときもファンの方の顔をちゃんと見ることができなくて、頭が真っ白になっちゃうときもあったんですけど、だんだんと慣れてきたのか、歌を通してコミュニケーションを取ることができるようになった気がします。あと、サインを書くのがうまくなりました(笑)。課題に関しては、私はダンスが苦手なので、もっと基礎力を上げていきたいなと思っていて。私、尋常じゃないぐらい体が硬くてメンバーの中でも名物になりつつあるので(笑)、そこは脱・名物を目指したいです。

逢川あい

逢川あい

 あいは言動1つで周りをパッと明るくさせる魅力を持っているのに、初期の頃は「私って……」とネガティブに捉えがちなことが多くて。でも、最近はステージでも堂々としていて、すごく輝いて見えるので、きっとこの1年で自信が付いたのかなと思っています。

逢川 付きました!(笑)

松本 私はもともと内向的で、ファンの方の目を見てライブをしたり特典会で話したりするのが苦手だったんですけど、最近はちゃんと目を見てライブも特典会もできるようになって。人見知りも少しずつ克服できている気がします。反省点は……ダンスは初期よりも上達したとは思うんですけど、まだまだ基礎が足りていないので、そこはどんどんがんばりたいです。

松本せりな

松本せりな

七瀬 せりなは最年少なのに一番肝が据わっていて。みんなが緊張しているときも、1人どっしり構えて「大丈夫!」って姿を見せてくれるので、いてくれるだけで安心します。

小鈴 私はこの1年、いい意味で毒というかスパイスになれるような立ち回りを研究してきて。立ち回りをはじめ、髪型やメイクでより自分らしさを出せるようになったかなと思います。一方で、活動と看護学校の実習が重なって忙しい時期、ちょっとネガティブになってしまったこともあったので、2年目はもっとポジティブを目指したいです。あと、成田と羽田を間違えないようにします(笑)。

夏目 かれんは一見小悪魔っぽく見えるんですけど、実際に話すとすごく面白いし、豪快に笑うそのギャップがいいところで。

小鈴 そこは反省点かな(笑)。

夏目 いやいや(笑)。そこがいいんだよ。

左から夏目りこ、小鈴かれん。

左から夏目りこ、小鈴かれん。

七瀬 あと、ビジュアルもそうですけど、おしゃれで流行の最先端を取り入れるのも上手。

逢川 スタイルもいいしね。

夏目 私はいまだにステージに上がる前は緊張するんですよ。ライブ映像を観返すと顔が引きつったまま踊っていたり。でも、今年の夏はたくさんステージに立たせてもらったこともあってか、ファンの方から「ライブを楽しんでいる表情してるね」と言ってもらえることが増えてきて。それは自分でも成長なのかなと感じています。とはいえ、まだまだ大きなステージの前には緊張しますし、本番に弱いところもあるので、来年はさらに強くなりたいなと思います。

夏目りこ

夏目りこ

七瀬 りこは周りからは「意外と何も考えてなさそう」とか言われるもあるんですけど(笑)、実はすごく洞察力があって。メンバー1人ひとりのことをすごく分析してくれるのと同時に、「私、今日ここやらかしてたよね?」と自分のことも冷静に見れていて、常にハピクリ全体のことを考えてくれているんだなと思います。

小鈴 ステージ上で間違えたときも「ああ、間違えた!」って素直に言って、笑いに変えちゃう。そういうところで、メンバーもファンの人もハッピーにしているなって思います。

逢川 一家に1人、りこちゃんが欲しい(笑)。

楠森 (笑)。私は今までレスとかファンサとか、決まったこと以外のことをするのが苦手だったんです。でも最近はライブのたびに工夫していろいろ変えてみたり、臨機応変な動きやリアクションができるようになりました。2年目の課題は、言動とか考え方が人に影響されやすいので、周りに流されずにちゃんと自分自分の軸で物事を考えられるようになることです。

楠森しゅり

楠森しゅり

夏目 しゅりちゃんはすごく周りのことを見ていて。例えば、元気がないメンバーがいたりすると「大丈夫?」ってそっと寄り添ってくれたり、誰かがちょっと怪我したりすると絆創膏をくれたり、優しさの塊みたいな人なんです。

 出会った頃は会話しても相槌を打つ程度で、本当に口数が少なかったんですけど、今は自分からいろいろ話しかけてくれたり自分の意見を伝えてくれるようになった。

楠森 海外遠征とか4、5日みんなと一緒にいるようなことも多かったので、どんどん家族みたいな存在になっていって、人見知りが解けたんだと思います(笑)。

左から橘あや、楠森しゅり、夏目りこ。

左から橘あや、楠森しゅり、夏目りこ。

 私は自分の気持ちを言葉にすることが苦手だったので、最初の頃はMCでも「楽しかったです、うれしかったです」とか当たり障りのないことしか言えなかったんですけど、最近はその日の時間を通して得たもの1つひとつを自分の言葉で説明できるようになりましたし、ハピクリのクリエイティブな部分……振付に私のアイデアを求めてくださる機会も増えたので、自分に今できることや得意なことを自覚して、それを発信できるようになったのかなと思います。とはいえ、すべてにおいてのスキルがまだまだ未熟だなと感じることも多いですし、ハッピーを届けることにおいてももっといろんな表現方法があるはずなので、そういう引き出しを増やしていくことは今後の課題かもしれません。

逢川 私はダンスが苦手なので、振り入れでみんなより遅れをとることも多いんですけど、あやちゃんは何度でも丁寧に教えてくれる、本当に頼れる人で。あと、大事なタイミングにしっかり仕切ってくれたりと、ハピクリになくてはならない存在だと思います。

──皆さんに初めて取材したのが今年2月頭でしたが、そこから約9カ月でここまで成長したのかと、今のお話を聞いて改めて実感しました。

 最初の取材のとき、「グループとして今一番欲しいもの」を聞かれて「団結力です!」と答えましたけど……。

夏目 7人の声が全然そろってなかったけどね(笑)。

 でも、その団結力が得られたから、こうして7人それぞれ成長できたのかなと思います。