THE SPELLBOUNDの5周年を集約、まるで魔法のようなZepp新宿ワンマン

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THE SPELLBOUNDのワンマンライブ「THE SPELLBOUND 5th Anniversary -All Magical Spellbound Show-」が12月13日に東京・Zepp Shinjuku(TOKYO)にて開催された。

「THE SPELLBOUND 5th Anniversary -All Magical Spellbound Show-」の様子。(撮影:タカギユウスケ)

「THE SPELLBOUND 5th Anniversary -All Magical Spellbound Show-」の様子。(撮影:タカギユウスケ)

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2020年のデビューから5周年を迎えることを記念し、今年は演奏楽器をシンセサイザーのみに絞った“モバイル”セットでのライブ「Wired and Automatic」、BOOM BOOM SATELLITESの楽曲オンリーでセットリストを組んだ「!!Spiritualized!!」、The Novembersとのツーマン「BIG LOVE Vol.7」など、さまざまな公演を実施してきたTHE SPELLBOUND。「All Magical Spellbound Show」は2025年最後の主催企画として行われた。

「THE SPELLBOUND 5th Anniversary -All Magical Spellbound Show-」の様子。(撮影:タカギユウスケ)

「THE SPELLBOUND 5th Anniversary -All Magical Spellbound Show-」の様子。(撮影:タカギユウスケ) [高画質で見る]

3つのTHE SPELLBOUNDが集結、全編成一挙披露

冒頭は中野雅之(Programming, Synth, B, G)と小林祐介(Vo, G, Synth)の2人のみがステージに登場し、「Wired and Automatic」のように“モバイル”セットでライブをスタート。浮遊感に満ちたサウンドにアレンジされた「花が咲くみたいに」は柔軟に音像が変容していき、途中からゲストコーラスのXAIが参加すると、徐々にソリッドなビートが刻まれていく。続く「A DANCER ON THE PAINTED DESERT」ではミニマルなリズムを中心に据え、心地よくフロアを揺らした。

BOOM BOOM SATELLITES「RISE AND FALL」「MORNING AFTER」のカバー2連発では、「!!Spiritualized!!」と同じくサポートドラマーに福田洋子を迎えた3人体制へと移行。福田による強靭で手数の多いドラミングにより、生音ならではのグルーヴが生み出されていった。そこから「名前を呼んで」に入ると、もう1人のサポートドラマー大井一彌(yahyelDATS)も演奏に加わり、初ライブから現在まで続く4人体制へとチェンジ。ダブルドラム編成による爆音でオーディエンスを圧倒しつつ、一気にテンションを高めていった。

福田洋子(サポートドラマー)(撮影:タカギユウスケ)

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大井一彌(サポートドラマー / yahyel、DATS)(撮影:タカギユウスケ)

大井一彌(サポートドラマー / yahyel、DATS)(撮影:タカギユウスケ) [高画質で見る]

ケンゴマツモトの轟音ギター、XAIの美しい歌声が彩る後半戦

「Unknown」「すべてがそこにありますように。」と疾走感あふれるナンバーが立て続けに届けられたあと、「なにもかも」「はじまり」の2曲ではThe Novembersのケンゴマツモト(G)がゲストとして参加。ケンゴは禍々しさをも感じさせるノイジーな轟音と、美しく幻想的な音色を巧みに使い分け、原曲のハイスケールなムードをより強固なものへと導いた。

そして近年のライブではおなじみとなったナンバー「FOGBOUND」「FLOWER」を経て、本編ラストに選ばれたのは「さらりさらり夢見てばかり」。小林とXAIののびやかな歌声と、中野が奏でる穏やかなシンセサイザーの響きが優しく重なり合い、深い余韻を生み出していった。

ケンゴマツモト(ゲストギタリスト / The Novembers)(撮影:タカギユウスケ)

ケンゴマツモト(ゲストギタリスト / The Novembers)(撮影:タカギユウスケ) [高画質で見る]

XAI(ゲストコーラス)(撮影:タカギユウスケ)

XAI(ゲストコーラス)(撮影:タカギユウスケ) [高画質で見る]

できることを尽くし、大事にするべきことを考え続けた5年間

本編の全楽曲を終えると、中野と小林はこれまでの活動を振り返る。中野は「すごく楽しい5年間でした。大変だったけど、こんなバンドになりました」と告げつつ、「そのとき感じたこと、できることのすべてを尽くしてやっていこうと思っています」とこれからの意気込みを明かした。小林は「僕と中野さんは会うたびに『今自分たちが大事にするべきことはなんだろう?』と話してきた気がします」「いろんなことがある世の中で、自分たちの大切なものを見失わないで、大事な人にシェアし続けてきました」とTHE SPELLBOUNDで追求してきたことを語り、「今日という日を迎えることができて、僕は本当に幸せ者です」と観客たちに感謝の言葉をかけた。

中野雅之(Programming, Synth, B, G)(撮影:タカギユウスケ)

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小林祐介(Vo, G, Synth)(撮影:タカギユウスケ)

小林祐介(Vo, G, Synth)(撮影:タカギユウスケ) [高画質で見る]

そしてアンコールでは、中野がBOOM BOOM SATELLITESのアマチュア時代から演奏していたという「DIG THE NEW BREED」をセレクト。ボーカルエフェクトを用いた小林の歌声、ビッグビート調の壮大なサウンドスケープ、キレあるドラミングが複雑に重なり合い、「All Magical Spellbound Show」のフィナーレを大いに盛り上げた。

THE SPELLBOUNDは川島道行(BOOM BOOM SATELLITES)の10周忌に合わせ、来年5月からTHE SPELLBOUND×BOOM BOOM SATELLITES名義の全国ツアー「"FRONT CHAPTER" -DECADE- Tour 2026」を開催。ファイナル公演は川島の命日である10月9日に東京・SGC HALL ARIAKEにて行われる。

セットリスト

「THE SPELLBOUND 5th Anniversary -All Magical Spellbound Show-」2025年12月13日 Zepp Shinjuku(TOKYO)

01. 花が咲くみたいに
02. A DANCER ON THE PAINTED DESERT
03. RISE AND FALL
04. MORNING AFTER
05. 名前を呼んで
06. モンスター
07. 世界中に響く耳鳴りの導火線に火をつけて
08. Unknown
09. すべてがそこにありますように。
10. なにもかも
11. はじまり
12. FOGBOUND
13. FLOWER
14. さらりさらり夢見てばかり
<アンコール>
15. DIG THE NEW BREED

THE SPELLBOUND×BOOM BOOM SATELLITES presents 川島道行10周忌LIVE "FRONT CHAPTER" -DECADE- Tour 2026

2026年5月10日(日)福岡県 DRUM SON
2026年6月6日(土)宮城県 仙台MACANA
2026年6月27日(土)北海道 SPiCE
2026年7月3日(金)愛知県 ell.FITS ALL
2026年7月4日(土)大阪府 Shangri-La
2026年10月9日(金)東京都 SGC HALL ARIAKE

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𝐓𝐇𝐄 𝐒𝐏𝐄𝐋𝐋𝐁𝐎𝐔𝐍𝐃 @THESPELLBOUNDjp

【Media】

「THE SPELLBOUND 5th Anniversary -All Magical Spellbound Show-」のライブレポートが掲載されました💡 https://t.co/jW6aUXvq9H

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