今回の公演に冠された「はじまりのはじまり」は、Taniが2020年12月に東京・代官山LOOPにて行った初ワンマンライブと同じタイトル。それから5年を経て開催されたTaniにとって念願の武道館公演では、音楽活動の始まりから現在までの足跡を感じさせるパフォーマンスが披露された。
会場に入ると、センターステージの中央には巨大な月が浮かび、開演前から幻想的な雰囲気を醸し出す。定刻を迎えると、武道館のある九段下から宇宙へと向かう映像が映し出され、月面に着陸した宇宙船の演出とともにTaniが現れた。
万雷の拍手を浴びた彼が1曲目として歌い上げたのは「万有引力」。「星の瞬きほどの命を燃やす」と歌うこの曲で観客を自身の世界へと引き込んだあとは、「飛ばしていくよ!」と叫び「自分革命」を伸びやかに披露した。代表曲「Myra」ではデビューする前にSNSに投稿した動画を投影する演出を取り入れ、過去の自分との共演を果たしたTani。5年間の成長を感じさせるステージングに、オーディエンスは大きな拍手を送った。
最初のMCでTaniは360°を囲む客席を見渡し、「俺たちの念願の武道館じゃないですか。俺たちがやってきたカッコいいところを見せないとな! 今までのライブで一番デカい声頼むぜ!」と呼びかける。そして、「日本武道館、始めます!」と改めて宣言すると、6人のダンサーとともに「Unreachable love song」を披露したり、キッズダンサーと一緒に「ワンダーランド」をキュートにパフォーマンスしたりと、にぎやかにライブを進行。かと思えばライブ中盤では「吾輩は人である」をギターで弾き語り、「記憶」をピアノの演奏と声だけで届け、しみじみとした世界へとオーディエンスを誘った。
その後、Taniは「時間なんてあっという間に経っちゃうからさ、いつ何ができなくなるかわかんないからさ、やれるうちにやりたいことを、手を取り合ってもう一度、いや何度でも、一緒に叶えにいこうぜ」と自分を囲むファンに向けて語りかけ、「もう一度」を力強く熱唱。「後悔史」ではダンサーによるダイナミックなパフォーマンス、「夢喰」では炎の特効を交えるなど、大会場ならではの視覚的な演出でオーディエンスのテンションを高めた。本編の最後では「気付いたらひとりじゃなくなっていました。俺が『あげよう』と思っていたのに、みんなの声に元気や勇気をたくさんもらって、ここまで歩いていました」と自身の足跡を振り返り、色とりどりの紙吹雪が舞う中で、自身を一気にスターダムへと押し上げたヒット曲「W/X/Y」を晴れやかに歌唱した。
アンコールでは今の季節にぴったりな「メニークリスマス」や、初期曲「We are free」で会場を盛り上げたTani。「俺にとってライブはさらけ出せる場所で、自分らしくいられる場所で、余計なことを考えなくていい場所。あなたにとっても、そんな場所であってくれたらいいなと思っています。また遊びにきてください。また帰っておいでね。そのときに俺は必ずこう言ってあげるからさ!」と口にした彼は、ラストナンバーとして「おかえり」を届けて初の武道館公演に幕を下ろした。
なお、Taniは4月から全国11カ所を巡るファンクラブ会員限定のライブハウスツアーを開催。来秋にはホールツアーを開催し、2027年には関東と関西の2エリアでアリーナ公演を行う。
セットリスト
Tani Yuuki「Tani Yuuki Live Tour 2025 “Still love... this” FINAL~はじまりのはじまり~」2025年12月15日 日本武道館
01. 万有引力
02. 自分革命
03. Myra
04. Unreachable love song
05. ワンダーランド
06. もしものがたり
07. 運命
08. 吾輩は人である
09. 記憶
10. もう一度
11. 後悔史
12. 夢喰
13. Life is beautiful
14. W/X/Y
<アンコール>
15. メニークリスマス
16. We are free
17. おかえり
関連人物
Okoror Victory 🍊,💊 @OkororvV
@natalie_mu 「5年間の集大成って言うけど、武道館まで何十年もかかるアーティストもいるよね。」