2025年、「今日ビジュいいじゃん」というキラーフレーズとともにお茶の間にその名を広め、最も躍進を遂げたグループと言っても過言ではないM!LK。このグループに熱狂的なディズニーファンがいることはご存知だろうか。そのメンバーとはSNSで全力ダンス動画が話題になった塩﨑太智。和歌山県出身の彼は幼少期より東京ディズニーリゾート®︎に家族で足を運び、多忙を極める今も隙を見つけてはパークに足繁く通っている。
そんな塩﨑をも唸らせるアルバムが「ディズニーファン読者が選んだディズニー ベスト・オブ・ベスト~創刊35周年記念盤」だ。2009年から始まった人気シリーズ「ディズニー ベスト・オブ・ベスト」の最新作である本作には、月刊誌「ディズニーファン」読者の投票をもとに選ばれた21曲が収録されている。今年9月にオープンしたばかりのディズニーの音楽作品専門のオンラインストア「ディズニー・ミュージック・エンポーリアム」ではここでしか買えない本作の限定盤も販売中だ。
映画の楽曲はもちろん、テーマパーク音楽や劇団四季ミュージカルの劇中歌など、ジャンル横断でディズニーの名曲の数々が詰まった「ディズニー ベスト・オブ・ベスト」の最新作を塩﨑はどのように聴いたのか。またディズニーがM!LKの活動に与えている影響についても語ってもらった。
取材 / 三橋あずみ文 / 清本千尋撮影 / YURIE PEPE
V.A.「ディズニーファン読者が選んだディズニー ベスト・オブ・ベスト~創刊35周年記念盤」(ディズニー・ミュージック・エンポーリアム限定盤)
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2025年7月25日(金)発売
ユニバーサル ミュージック
[CD] 税込6200円 / PROW-1018収録曲
映画音楽部門
- ウィッシュ~この願い~[ウィッシュ]〈日本語歌〉
- パート・オブ・ユア・ワールド[リトル・マーメイド(実写版)]〈英語歌〉
- ビヨンド ~越えてゆこう~[モアナと伝説の海2]〈日本語歌〉
- 秘密のブルーノ[ミラベルと魔法だらけの家]〈日本語歌〉
- どんな君も[私ときどきレッサーパンダ]〈日本語歌〉
- ブラザー / 君みたいな兄弟[ライオン・キング:ムファサ]〈日本語歌〉
- Steal The Show[マイ・エレメント]〈英語歌〉
テーマパーク音楽部門
- ジャーニー・トゥ・ファンタジースプリングス[東京ディズニーシー]
- リビング・イン・カラー(東京ディズニーリゾート40周年“ドリームゴーラウンド”テーマソング)[東京ディズニーリゾート]
- ザ・ヴィランズ・ハロウィーン“Into the Frenzy”(エディット・バージョン)[東京ディズニーランド]
- イッツ・ユア・ソング(「ミッキーのマジカルミュージックワールド」より)[東京ディズニーランド]
- Reach for the Stars(「Reach for the Stars」テーマソング)[東京ディズニーランド]
- 君の願いが世界を輝かす(「ビリーヴ!~シー・オブ・ドリームス~」日本語版テーマソング)[東京ディズニーシー] / MISIA
ライブエンターテイメント部門
- フェアリー・ガーデン(「東京ディズニーランド ディズニー・ファンティリュージョン!」より)[ディズニー・オン・クラシック –まほうの夜の音楽会 2022]
- 生まれて初めて[ディズニーミュージカル アナと雪の女王 / 劇団四季]
- フライ・トゥ・ユア・ハート([ティンカー・ベル]より)[ディズニー・オン・クラシック –まほうの夜の音楽会 2022]
- サークル・オブ・ライフ [ディズニーミュージカル ライオンキング / 劇団四季]
あらゆる音楽部門
- Starting Now ~新しい私へ(Ultimate Princess Celebration 日本版テーマソング) / 清水美依紗
- ウェルカム・トゥ・クリスマス(2024) / 島田歌穂
- コンパス・オブ・ユア・ハート / 清塚信也
- ライフ・イズ・スウィーター[ディセンダント ライズ・オブ・レッド]
ディズニー・ミュージック・エンポーリアムとは?
ディズニー、ピクサー、マーベル、スター・ウォーズなどのサウンドトラックやパークリゾートの音楽を収めたレコードやCD、コレクターズアイテムなど、ここでしか手に入らない限定商品を扱うオフィシャルストア。
ディズニー漬けだった幼少期、夢は世界のパークを全制覇
──太智さんはディズニーが大好きなんですよね。
いつかパークで働きたいと思っているくらい大好きなんです。「王様のブランチ」とか「ラヴィット!」みたいなバラエティに出るたびに「ディズニーのロケはありませんか?」と聞いているんですよ(笑)。
──太智さんは和歌山県出身ですが、パークに行くようになったのは上京してきてからですか?
いや、小さい頃から家族で、年イチで行っていたんです。家にいるときもディズニー・チャンネルをずっと観ていました。あとパークの映像を集めた公式DVDも家にあって、それもよく観ていましたね。確か東京ディズニーシー®︎に行ったときに買ったんです。親もディズニーがすごく好きなので、その影響も大きいですね。
──直近だと写真集撮影で訪れたパリで、メンバーの皆さんとディズニーランド・パリに行かれてましたよね。
撮影が終わって着いたらあと3時間で閉園だったんです。頭の中に地図を叩き込んで行ったので、日本にないアトラクションに片っ端から乗ってきました。プレミア・アクセスを使いまくって、早歩きでなんとかですけど。夜のショーもちゃんと観ましたし、キャラクターグリーティングができるレストランも行けてけっこう充実していました。
──たった3時間でそれはすごいですね。もちろん太智さんがリードして?
そうなんですよ。メンバーは「行きたい」と言うだけで、何も調べないんです(笑)。僕はレストランにも絶対行きたかったので、パリ行きが決まったときからマネージャーさんにディズニーランドで遊べる時間を聞いて予約を取って行きました。カリフォルニアのディズニーランド・リゾートにも行ったことがあるんですが、国ごとに雰囲気が全然違うんですよね。パリはけっこうフランク。キャストさんも「乗っちゃえ乗っちゃえ!」って感じ。ハワイのアウラニ・ディズニー・リゾート&スパには行ったことがあるけど、フロリダと上海のディズニーリゾート、あとディズニー・クルーズラインも未体験なので、いつか行ってみたいですね。
──いつか全世界のディズニーのパークを制覇してしまいそうな勢いですね。
人生の目標ですね。M!LKの活動をしていたらなかなか厳しそうではあるんですが(笑)。
──M!LKの活動がグローバルになれば、その可能性は高まるのでは?
でもうち、リーダー(吉田仁人)が飛行機嫌いなんです(笑)。だからパリも渋々でした。個人的にいつか全制覇できたらいいなと思っています。
パレードを何度も観たい理由
──今はものすごく多忙だと思うんですが、日本のパークにはどれくらいの頻度で行ってますか?
けっこう行きますよ。空き時間があったらすぐに行きたくなっちゃうんですよね。最近だとつい1週間前に東京ディズニーランド®︎に行きました。丸1日の休みがなかなかなくて、その日は仕事が夜だったので朝イチで行って、ハロウィーンの人気パレード「ザ・ヴィランズ・ハロウィーン“Into the Frenzy”」を観てすぐに都内に戻ってTBSに。シーズンもののパレードは観ておきたいので、タイミングを見て最低でも1回は行くようにしています。本当は何度も観たいんですけどね。
──何度も同じパレードを観たいと思う理由は?
いろんな場所から観たいんですよね。パレードにつき2、3回は観たいですね。
──今の「パレードを楽しむ」というのもそうですが、太智さん流のパークの楽しみ方を教えてください。
友達と行くときは友達に合わせてアトラクションにたくさん乗りますが、僕は季節のイベントが好きなので、1人のときは事前に食べたいフードや観たいパレードの時間をリサーチしてから行きます。あとは「この時間のショーの座席が取れたら、それに合わせてこれに乗ろうかな? DPA(ディズニー・プレミアアクセス)買おうかな」とか。最近はありがたいことにお仕事が忙しくて、シーズンごとに何回も何回も行ける感じじゃなくなってきたので、1回1回に集中しています。
曲を聴きながら「ビリーヴ!~シー・オブ・ドリームス~」の光景を思い出して……
──そんな太智さんが大好きなパレードの曲も、今回特集する「ディズニーファン読者が選んだディズニー ベスト・オブ・ベスト~創刊35周年記念盤」にたくさん入っていますよね。
ファンの人が選んだらきっとそうなりますよね。全体的にアツいですけど、個人的にはテーマパーク部門の曲がたくさん入っていてうれしいです。「ジャーニー・トゥ・ファンタジースプリングス」(東京ディズニーシーの「ファンタジースプリングス」をイメージした楽曲)なんかは、オープン前の紹介動画で少し聴いたときからすごくいい曲だろうなと思っていたんですけど、全編通しても本当にいい曲で。聴いていてなんか泣きそうになります。
──普段の生活の中でもパークの音楽を聴きますか?
聴きますよ。それこそ「ジャーニー・トゥ・ファンタジースプリングス」はダウンロードしてめっちゃ聴いてます。僕、あまりストレスが溜まるタイプではないんですが、疲れたときにこの曲を聴くとグッと来ちゃうんですよね。英語がわからないので和訳を調べたら、歌詞もよくてすごく沁みました。去年テレビ番組の企画(2024年放送の「世界の匠が“技術”で激突 決戦!タイガー&ドラゴン」)でバイオリンに初挑戦して、そのときの課題曲が「レット・イット・ゴー ~ありのままで~」だったんですけど、「ジャーニー・トゥ・ファンタジースプリングス」が好きすぎて、この曲も先生に教えてもらってサビの部分だけ弾けるように練習しました。
──大好きな曲なんですね。
はい。あと「ザ・ヴィランズ・ハロウィーン“Into the Frenzy”」も入っててうれしいですね。パークの曲は全体的にハッピーで明るい、ポップな感じが多いけど、この曲はカッコいい曲で。ハロウィーン期間はもうずっとこの曲ばっかり聴いています。M!LKも明るい雰囲気の曲が多くて、みんなに幸せを届けることを大前提にライブ構成を考えているんですけど、この曲を聴くと色気があるような、カッコいい曲もいいなあと思うんですよね。ハロウィーン期間にたくさん聴いちゃったので、次のツアーはカッコいい感じの曲がセットリストに多く入ってるかもしれないです(笑)。
──M!LKのライブにも影響を与えているんですね。
そうですね。あと「リビング・イン・カラー」と「Reach for the Stars」も好きですねえ。特に「Reach for the Stars」は曲のよさがキャッスルショーをすごく盛り上げている気がして。「ミラベルと魔法だらけの家」のシーンも最高ですし、「ヘラクレス」のパートもいいんですよね。「Reach for the Stars」きっかけで「ヘラクレス」を観ましたもん。あと欠かせないのはMISIAさんの「君の願いが世界を輝かす」。「ビリーヴ!~シー・オブ・ドリームス~」の曲ですね。セリフが入ったショーのバージョンも好きでよく聴いています。(ピーターパンの声を真似ながら)「みんな、星の中へ入るよ!」ってやつ。
──「ビリーヴ!~シー・オブ・ドリームス~」は夢を追い続ける大切さを伝える感動的なハーバーショーで、すごく人気がありますよね。
曲を聴くだけで泣きそうになりますよ。本当に。それこそ今M!LKって夢を追いかけている最中で。紅白に出たい、ドームツアーをやりたい……いろんな夢の途中なんです(取材は「NHK紅白歌合戦」出場決定前に実施)。そんな中で東京ディズニーシーに行って「ビリーヴ!~シー・オブ・ドリームス~」を観たらもうヤバい……曲を聴きながらその光景を思い出してグッと来ますね。
──太智さんが大好きなパークの楽曲が選ばれた「テーマパーク音楽部門」の話をたくさんしていただきましたが、「映画音楽部門」には最近の映画の楽曲が並んでいますね。
とはいえ、実写版「リトル・マーメイド」の曲も入ってるし、おなじみの曲もありますよね。あと「ミラベルと魔法だらけの家」の「秘密のブルーノ」。この曲はカッコいいし、ブルーノ・マドリガルというキャラクター自体も人気だから入るだろうと思っていました。『ウィッシュ』の曲も「Reach for the Stars」に使われていることもあって人気ですよね。僕も好きです。『ライオン・キング:ムファサ』の曲とか、最近の曲も入ってるんですね。
──劇団四季の楽曲も入っていますし、網羅性がすごいですよね。
本当に。ディズニーのファンはみんなこれ買わないと。自分たちのことで例えて言うなら、EBiDANのグループの人気曲だけを集めているみたいな感じってことでしょ? ずるいなあ。
──「ディズニーファン読者が選んだディズニー ベスト・オブ・ベスト~創刊35周年記念盤」をどんな人にオススメしたいですか?
「ディズニー ベスト・オブ・ベスト」はコアなディズニーファンにはたまらないアルバムですし、そんなにディズニーを知らない人でも聴いたらパークに行きたくなったり、映画を観たくなったりするんじゃないかなと思います。実際にこのアルバムを聴いて僕も劇団四季を観に行きたいなと思いましたし。きっと何かのきっかけになる1枚だと思います。この時代のディズニーのベストですよ。これさえあれば完璧です。めちゃくちゃイイじゃん! ベストじゃん!という感じです。
──ちなみにディズニーのサウンドトラックやパークリゾートの音楽を収めた作品を扱うディズニー・ミュージックのオンラインストア「ディズニー・ミュージック・エンポーリアム」では限定特典の付いたバージョンも販売しています。太智さんが好きなスティッチのレコードなんかも売っているんですよ。
わ、すごい。これでそのまま聴けるんですか?
──ダイカットのレコードなのでそのまま聴けます。ほかにもスター・ウォーズやマーベル、ピクサー作品関連のアイテムも扱っていて、国外で製造されたものもたくさんあります。
これはオタクの人たちが喜びますね。すごい。レコードを聴ける機械は持っていないんですが、こうやってスティッチが回っているのを見ると欲しくなっちゃいますね……。
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