TK from 凛として時雨×toe、冬のなんばHatchで白熱競演

11月30日に大阪・なんばHatchにてTK from 凛として時雨とtoeのツーマンライブ「Walk On The "Cool" Side」が開催された。

先陣を切ってステージに現れたのはtoeのメンバー。1曲目「Run For Word」で山嵜廣和（G）と美濃隆章（G）は体全体でリズムを取りながらアルペジオを重ね、呼吸を合わせるように柏倉隆史（Dr）と山根さとし（B）が重厚なアンサンブルを鳴らした。続く「I dance alone」では柏倉がフレーズの合間に叫びつつ、グルーヴィなドラムプレイで観客を引き込んだ。

序盤のMCでメンバーはマイクを介さずフロア前方の観客とのコミュニケーションを楽しんだ。「エソテリック」では、山嵜がギターを床に置いたまま演奏を続けるなど、エキセントリックなパフォーマンスで観客の興奮を誘った。間髪入れずに彼らは「past and language」をプレイし、気迫に満ちた掛け声とともにエキサイティングな空間を生み出した。

ライブ中盤からは中村圭作（Key）が加わり、山嵜と美濃がアコースティックギターを抱えた編成に。メンバーは「1/21」でジャジーかつ情熱的な演奏を披露する。そしてクラムボンの原田郁子のボイストラックが使用された楽曲「After Image」で山嵜と美濃は、フラメンコギターの要素を取り入れたプレイを見せつけた。最後のMCで山嵜は「もう1曲だけやります。また来ますんでよろしくお願いします。今日はありがとうございました」と挨拶。そしてラストナンバー「グッドバイ」を歌い始めると、観客は山嵜の落ち着いた歌声にゆったりと耳を傾ける。その後メンバーは徐々に楽曲の勢いを増しつつ、最後はパワフルなパフォーマンスで観客を魅了した。

TK from 凛として時雨のライブはサポートメンバーのBOBO（Dr）、山口寛雄（B）、大古晴菜（Piano）、佐藤帆乃佳（Violin）が定位置に立った状態で幕が上がる。薄暗い明かりの中、TK（Vo, G）がステージに登場すると会場は大きな拍手に包まれた。そしてオープニングSEが鳴り止んだあとの静寂を切り裂くかのように始まったのは「phase to phrase」。ピアノリフが印象的なイントロから始まり、TKはウイスパーボイスから力強いシャウトまで多彩な歌声を届けた。刺激的な展開が続く「Abnormal trick」では楽曲の激しいサウンドにあわせてストロボが点滅し、楽曲のミステリアスな世界観を彩った。

続けてTKは「新曲を1曲やります」と小さくつぶやいてから、音源化されていない新曲「Fantastic Magic」を披露。BOBOと山口のリズム隊によるアンサンブルが楽曲に疾走感を与え、TKの畳み掛けるようなシャウトと佐藤の美しいバイオリンのフィルが会場の盛り上がりを加速させた。ライブの後半に彼らは「flower」「haze」という定番曲を連続投下し、会場中の視線を釘付けにした。そして本編ラストは「film A moment」が届けられ、スリリングな余韻を残しつつ本編が締めくくられた。

アンコールに応えてステージに再び姿を現したTKは、「ありがとうございます」と小さくお礼を言ってから「（照明が）ちょっと明るいんで……下げてもらってもいいですか」とはにかみ、シャイな表情を見せる一幕も。その後TKはエレキギター弾き語りスタイルの新曲（タイトル未定）を優しく歌い始める。途中で大古のピアノ伴奏が加わり、繊細なアンサンブルが会場を満たした。

最後のMCでTKは「1つ告知がありまして、来年2014年2月から、弾き語りのツアーを3本やることになりました」と発表した。そして「サポートメンバーの皆さんです」とメンバーをステージに招き入れ、「もう1曲、新曲をやらせてください」と話してから新曲をさらにもう1曲プレゼント。この新曲では佐藤がキーボードとコーラスで演奏に加わり、TKの歌い上げるメロディに彩りを添えた。アンコールラストに彼らは凛として時雨「シャンディ」のセルフカバーバージョンである「Shandy」を届け、イベントはフィナーレを迎えた。

Walk On The "Cool" Side
2013年11月30日（土）大阪府 なんばHatch セットリスト

toe

01. Run For Word
02. I dance alone
03. C
04. エソテリック
05. past and language
06. 1/21
07. After Image
08. The Future Is Now
09. グッドバイ

TK from 凛として時雨

01. phase to phrase
02. Abnormal trick
03. 12th laser
04. Fantastic Magic
05. flower
06. haze
07. film A moment
＜アンコール＞
08. 新曲（弾き語り）
09. 新曲（バンド）
10. Shandy