「冬のライオン」明日開幕、主演・佐々木蔵之介「お客様を“楽しく”裏切りたい」

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佐々木蔵之介が主演する「冬のライオン」が、明日2月26日に東京・東京芸術劇場 プレイハウスで開幕する。これに先駆け、本日25日にフォトコールと取材会が行われた。

「冬のライオン」より。

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ジェームズ・ゴールドマン作の「冬のライオン」は、1966年にアメリカ・ブロードウェイで初演された2幕の家族劇。1968年にはアンソニー・ハーヴェイ監督により映画化もされた。今回は小田島雄志が翻訳、森新太郎が演出を手がけ、出演者には佐々木、葵わかな加藤和樹水田航生永島敬三浅利陽介高畑淳子が名を連ねた。

劇中では、1183年のクリスマスを舞台に、イングランドの国王ヘンリー二世(佐々木)の後継を巡るパワーゲームが描かれる。フォトコールでは、1幕のラストが上演された。佐々木はヘンリーを、老成した狡猾さと、少年のような無邪気さを兼ねそろえた人物として立ち上げ、その底知れなさを巧みに表現。高畑は、ヘンリーの妻・エレノアを肝の座った聡明な女性として演じ、ヘンリーとエレノアが互いの肚を探り合うシーンでは、スピーディーかつリズミカルなセリフの応酬で観る者を圧倒した。

葵は、ヘンリーの愛妾でフランス王女のアレーを、愛らしさと哀れさを強調し演じる。ヘンリーの長男リチャード役の加藤は、佇まいに気品を漂わせつつも、ヘンリーへの苛立ちを隠せない芝居からリチャードの人間味を感じさせた。

「冬のライオン」フォトセッションより。

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左から葵わかな、佐々木蔵之介、高畑淳子。

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フォトコール後に行われた取材会には、出演者全員が登壇。佐々木は「明日からお客様とお会いできることを楽しみにしています」と笑顔を見せ、本作について「家族全員の、“誰を信じて良いのかわからない”という状態が、むき出しのときもあれば、ユーモアとして描かれることもある。またヘンリーも、権力だ領土だと言いながらも、結局愛情が欲しかったのかな、とも思っています。王族を描いた作品ではありますが、“家族のお芝居”として、格式張らずに楽しく観ていただければ」と話す。

今作がストレートプレイ初出演となる葵は「不安はありましたが、皆さんとお稽古をしていく中で、今ではすごくホカホカした気持ちになっています(笑)。このパワーをお客様に伝えて、どんなリアクションが返ってくるか楽しみです」と述べ、加藤は「僕も久々のストレートプレイなので、交わされる言葉の応酬にすごくわくわくしております。早くお客さんに観ていただきたい」と語る。

水田は「このご時世で開幕できることが本当に幸せ。千秋楽まで駆け抜けたい」と話し、永島は「稽古場ではみんなで笑いながら作っていたので、お客様が最終的にどのような反応をしてくださるのかが楽しみ」とコメント。浅利は「怖いのが、ウケないんじゃないかということ。そうなったら、僕らは舞台上で凍りつくしかないので……(笑)。お客様に、構えず、リラックスした気持ちで観ていただけるように努めます」と意気込みを述べた。

左から高畑淳子、加藤和樹。

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左から佐々木蔵之介、高畑淳子。

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高畑は、家の壁中にセリフを貼っていることを明かしつつ、「明日が初日なのですが、まだ1回もちゃんとできたことがなくて……ものすっごく悔しい! (周囲を見回し)こういう若い脳細胞の人たちは、みんなチャチャチャッとできてるんですよ。本当に、腹の立つ……(笑)」と恨めしそうに語り、周囲を笑わせたあと、「人生最後の舞台と思うくらいの気持ちで相務めさせていただきます」と気合十分な様子を見せた。

司会が、ヘンリーとエレノアの丁々発止のやり取りに言及すると、高畑は「(佐々木が)セリフのテンポが速いんですよ。頭良いから」とコメント。それに対し、佐々木が「僕は高畑さんに圧倒されます」と話すと、「うそやん……」「ほんまやもん」と2人は関西弁での会話を小気味よく繰り広げる。その中で佐々木が「稽古場で、森さんから『この戯曲を1回関西弁でやってみてください』って言われて。実際にやって、関西弁だとこういうノリになるのかって気付きがありました」と稽古場でのエピソードを披露。これを受け、高畑が「あれ面白かった~」と反応すると、佐々木は「じゃあこの公演が終わったら、関西弁バージョンもやりましょうか!」とニヤリ。高畑が「ええ!? まだやる気や、この人!(笑)」と驚きの声を上げる中、佐々木は「(関西弁だと)もうちょっと入りやすくなると思いますけど(笑)。関西弁じゃなくても、夫婦の喧嘩が、夫婦漫才みたいに見えると良いかな」と述べた。

「冬のライオン」フォトセッションより。

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最後に、来場者へのメッセージを求められた佐々木は「これは、1183年のクリスマスを舞台にした、イングランドの国王・ヘンリー二世のお話なんですが、登場人物たちがだましだまされているように、お客様にも、楽しくだまされた、と思っていただけるお芝居になればと思っております。重厚な歴史劇かと思ったら、『あれ、ちょっと笑えたな?』と裏切りたい。何の勉強もいりませんので、劇場に来て楽しんでいただけたら」と呼びかけ、取材会を締めくくった。公演は3月15日まで。

ステージナタリーでは「冬のライオン」の特集を展開中。森と佐々木の対談、さらに葵、加藤、水田、永島、浅利、高畑からのメッセージを掲載している。

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「冬のライオン」

2022年2月26日(土)~3月15日(火)
東京都 東京芸術劇場 プレイハウス

作:ジェームズ・ゴールドマン
翻訳:小田島雄志
演出:森新太郎
出演:佐々木蔵之介 / 葵わかな加藤和樹水田航生永島敬三浅利陽介 / 高畑淳子

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東京芸術劇場 @geigeki_info

【公演 / 会見レポート】東京芸術劇場 プロデュース公演「冬のライオン」開幕。主演・佐々木蔵之介「お客様を“楽しく”裏切りたい」(舞台写真あり) https://t.co/RgrS6FyRHE

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