第33回読売演劇大賞贈賞式が、昨日2月27日に東京・帝国ホテル 東京で開催された。
第33回読売演劇大賞贈賞式の様子。左から長田佳代子、KAAT神奈川芸術劇場の堀内真人支配人、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、亀田佳明、望海風斗、片岡仁左衛門、尾上右近、大倉孝二、稲葉賀恵。
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1992年に創設された読売演劇大賞は、毎年1月から12月まで国内で上演された演劇作品を対象にした賞。第33回読売演劇大賞では、最優秀作品賞に「最後のドン・キホーテ THE LAST REMAKE of Don Quixote」、最優秀男優賞に
贈賞式には各賞の受賞者、選考委員、高円宮妃久子殿下らが出席。まず、「最後のドン・キホーテ THE LAST REMAKE of Don Quixote」の演技で選考委員特別賞を受賞した大倉が登壇し、選考委員の森元隆樹氏から正賞のブロンズ像と副賞の賞金を受け取った。大倉は「場違いすぎて、めまいがしています。先輩の古田新太さんが飲み屋にこういったもの(像)を忘れたと聞いたので気を付けたいと思います。私を選んでいただくとは、読売演劇大賞さんもずいぶん思い切ったご決断をしてくださったなと感謝しております。ありがとうございました」とユーモアたっぷりに話し、会場の空気を温める。
続いて、歌舞伎三大名作「仮名手本忠臣蔵」「菅原伝授手習鑑」「義経千本桜」の演技と、長年にわたる歌舞伎界への貢献が評価され、芸術栄誉賞を受賞した仁左衛門が登場し、読売新聞グループ本社の老川祥一代表取締役会長・主筆からブロンズ像と賞金が授与された。仁左衛門は「気持ち良く舞台を勤められるように、送り出してくれる弟子たち、そして関係者の皆様のお力があって、現在があると思っています。また、60回目の結婚記念日を迎えた本日、家内に良い報告をすることができました。10年前に金婚式を迎えた際、第23回読売演劇大賞で大賞をいただきましたので、10年後にプラチナ婚式を迎えた際にも、賞をいただけるように精進いたします」と笑顔で語った。
以降は、前年の第32回読売演劇大賞の受賞者がプレゼンターを務め、今回の受賞者にブロンズ像と賞金を渡す形で式が進行。杉村春子賞を受賞した右近には
「ガマ」「みんな鳥になって」「WAR BRIDE -アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン-」の美術で最優秀スタッフ賞を受賞した長田は、自身の師である舞台美術家の故・島次郎の話題を挙げ、「過去に島さんが最優秀スタッフ賞を受賞した際に言っていた『舞台美術は1人ではできない』という言葉が心に残っています。今回もカンパニーの皆様に支えられて、このような賞を受賞することができました。ありがとうございました」と声を震わせながら話す。
「リタの教育」「オレアナ」「Downstate」の演出で最優秀演出家賞を獲得した稲葉は、1年前に死去した父のエピソードを披露。稲葉は「大きな劇場で演出することが決まった際に『ぜひ観に来てほしい』と父に言ったら、『その作品が上演される頃には、僕はこの世界にいないかもしれない。でも、演劇は“もういない人と出会える場所だ”ということを君に教えてもらった。だから、これからも何度でも出会えるはず』と言ってくれました。これからも、何度でも父に化けて出てもらうつもりで、皆様の心に届く作品を作り続けたいと思います」と晴れやかな表情で語った。
「マスタークラス」「エリザベート」の演技で最優秀女優賞を受賞した望海は「自分にとって勝負に挑むような作品だった、この2作品で素晴らしい賞をいただいたことを心から光栄に思います。『マスタークラス』と出会わせてくださった渡辺ミキエグゼクティブプロデューサー、稽古の大切さ、大変さ、楽しさを教えてくださった演出家の森新太郎さん、宝塚歌劇団時代、なかなか芽が出なかった私を何度も引き上げてくださった、『エリザベート』の演出家である小池修一郎さんをはじめ、皆様に心より感謝申し上げます。舞台にすべてを捧げる気持ちを持って、1つひとつの作品を大切に務めていきたいと思います」と熱い思いを語った。なお、望海が大賞を受賞した際のコメントは既報の通り。
「ポルノグラフィ PORNOGRAPHY / レイジ RAGE」「狩場の悲劇」の演技が評価され、最優秀男優賞に選出された亀田は「受賞の知らせを聞いたとき、マネージャーに再度確認をするくらい実感がわかなかったのですが、大先輩の木場さんからブロンズ像をいただいて、賞の重みを強く感じています」とコメント。続けて、「私が所属する文学座がまもなく90周年を迎えます。お気持ちが向きましたら、ぜひ文学座の公演をご覧いただけたらと思います」と来場者に呼びかけた。また、男優賞のプレゼンターを務めた木場が「もろもろの事情により、昨年と今年は舞台に立っておりません。しかし、このまま消えてなるものか。来年の8月頃、私が作・演出を務める芝居を上演する予定です。ぜひ足をお運びください」と力強く話すと、会場から大きな拍手が上がった。
最優秀作品賞を獲得した「最後のドン・キホーテ THE LAST REMAKE of Don Quixote」のカンパニーからは、KAAT神奈川芸術劇場の堀内真人支配人、作・演出を手がけた
KERAは選考委員席に駆け寄りながら、「選考委員の方々、本当にありがとうございます! 大倉が受賞できたことが本当にうれしいです!」と謝辞を述べ、「演劇は時が経てば忘れられていくもの。作品に関わったキャスト・スタッフも、舞台が終わればすぐ次の現場へ移っていきます。しかし、今回のように『この作品を上演して良かったな』と振り返る機会をいただけることをうれしく思います。今後もただひたすらに演劇をやっていくのみです」と気持ちを新たにした。
第33回読売演劇大賞 結果
最優秀作品賞
- 「最後のドン・キホーテ THE LAST REMAKE of Don Quixote」
最優秀男優賞
亀田佳明「ポルノグラフィ PORNOGRAPHY / レイジ RAGE」「狩場の悲劇」
最優秀女優賞
望海風斗「マスタークラス」「エリザベート」
最優秀演出家賞
稲葉賀恵「リタの教育」「オレアナ」「Downstate」
最優秀スタッフ賞
- 長田佳代子「ガマ」「みんな鳥になって」「WAR BRIDE -アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン-」の美術
杉村春子賞
尾上右近「春興鏡獅子」「目の弟」「義経千本桜」の演技
芸術栄誉賞
片岡仁左衛門 歌舞伎三大名作「仮名手本忠臣蔵」「菅原伝授手習鑑」「義経千本桜」の演技と、長年にわたる歌舞伎界への貢献
選考委員特別賞
大倉孝二「最後のドン・キホーテ THE LAST REMAKE of Don Quixote」
優秀作品賞
- 「ガラスの動物園」(滋企画)
- 「マライア・マーティンの物語」(On7)
- 「Downstate」(ポウジュ)
- 「三人の密偵 導火線 / IGNITION / 誘爆」(劇団チョコレートケーキ)
優秀男優賞
植本純米「走れ☆星の王子メロス」「近松心中物語」「Downstate」 柄本時生「泣くロミオと怒るジュリエット2025」 大窪人衛「ずれる」 - 大倉孝二「最後のドン・キホーテ THE LAST REMAKE of Don Quixote」
優秀女優賞
桑原裕子「鯨よ!私の手に乗れ」「Downstate」 小池栄子「爆烈忠臣蔵~桜吹雪 THUNDERSTRUCK」 sara「ポルノグラフィ PORNOGRAPHY / レイジ RAGE」「Once」 瀬戸さおり「父と暮せば」「きらめく星座」
優秀演出家賞
優秀スタッフ賞
- 岩城保「ガラスの動物園」の照明
- 下田昌克「幸子というんだほんとはね」のライブペインティング
鈴木光介「最後のドン・キホーテ THE LAST REMAKE of Don Quixote」の音楽 - 松井るみ 「ミュージカル『十二国記 -月の影 影の海-』」のデザイン・ディレクション
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笠木泉 @izumikasagi
昨日は下田昌克さん読売演劇大賞優秀スタッフ賞受賞のお祝いに贈賞式に行ってまいりました。 https://t.co/gLYLwNLrlu