ミュージカル「ミス・サイゴン」が、プレビュー公演を経て、本日10月19日に東京・帝国劇場にて開幕。初日にエンジニア役を演じる
本作は、ベトナム戦争末期のサイゴンを舞台に、国と国に引き裂かれた人々の葛藤と悲劇を描いたミュージカル。1989年にロンドン・ウエストエンドで初演されたのち、1992年に日本にも上陸。1年半のロングラン公演を行ったあと5度の再演を重ね、今回2年ぶりに上演される。なお前回行われた2014年の公演では、市村が胃がんのため初日に出演したのみで降板し、大きなニュースとなった。リベンジとなる今回で、市村は「サイゴン」卒業を発表している。
囲み取材は、市村演じるエンジニアがキャデラックのボンネットに乗って歌う、2幕ラストの「アメリカン・ドリーム」のセットの前で行われた。体調は万全かと聞かれた市村は、おなじみの“足上げ”を繰り出し「このくらい戻りました」と復活をアピール。「今回は復活と同時に“ファイナル”です。元気だったら“リターンズ”をやっちゃうかもしれないですけどね」とおどけながらも「でも今回で“ファイナル”。来年1月の大千秋楽まで精いっぱい努めたいと思います」と語った。
2004年からキム役を演じている笹本は、そんな市村を「不思議な存在感がある方」と改めて紹介。「市村さんが舞台に立つだけで、あたりがベトナムの空気になるんですよね。一緒にお芝居をするだけで引き込まれていく感じがあって。『この世界で生きる!』とカンパニーの絆が強くなります」と目を輝かせた。
2012年にアンサンブルとして本作に初参加した上野は、その際に起こった市村とのエピソードを披露。「本番中の袖中で僕の名前を呼んで『お前、真面目だな』と声をかけてくださって。それがとてもうれしくて今日まで励んできました」と告白するも、市村は「真面目っていうのは“つまんない”っていう意味だったんだよ!」とかわす。しかしすぐ「今のはジョーク。いろんなことを考えてちゃんと演じていることがわかったよ」とフォローし、後輩の顔を見ながら笑顔を浮かべた。
さらに市村は初演時の思い出を述懐する。「傾斜の大きい帝劇の舞台でしたね。それまでは日生劇場が多かったけど、初めて帝劇の舞台に立たせてもらったのが『サイゴン』で、帝劇の大きさを実感しました」と述べる。さらに「劇団四季を辞めて初めての大作で、1年半のロングランだったんですよ。サイゴンスクールも入れたら約2年半。高校3年間をみんなで共に過ごした感覚かな。いい経験をさせてもらいました。この作品があったからこそ、僕にとっての『アメリカン・ドリーム』、ミュージカル界におけるドリームを叶えることができました」と感謝の気持ちを述べた。
東京公演は11月23日まで。その後、岩手、鹿児島、福岡、大阪、愛知と巡演し、2017年1月22日に大千秋楽を迎える。
ミュージカル「ミス・サイゴン」
2016年10月15日(土)~18日(火)プレビュー公演
2016年10月19日(水)~11月23日(水・祝)
東京都 帝国劇場
2016年12月10日(土)・11日(日)
岩手県 岩手県民会館 大ホール
2016年12月17日(土)・18日(日)
鹿児島県 鹿児島市民文化ホール
2016年12月23日(金・祝)~25日(日)
福岡県 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
2016年12月30日(金)~2017年1月15日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 メインホール
2017年1月19日(木)~22日(日)
愛知県 愛知県芸術劇場 大ホール
オリジナル・プロダクション製作:キャメロン・マッキントッシュ
作:アラン・ブーブリル、クロード・ミッシェル・シェーンベルク
音楽:クロード・ミッシェル・シェーンベルク
演出:ローレンス・コナー
歌詞:リチャード・モルトビー・ジュニア、アラン・ブーブリル
ミュージカル・ステージング:ボブ・エイヴィアン
オリジナルフランス語テキスト:アラン・ブーブリル
追加振付:ジェフリー・ガラット
追加歌詞:マイケル・マーラー
舞台美術原案:エイドリアン・ヴォー
翻訳:信子アルベリー
訳詞:岩谷時子
出演:
※ダイアモンド☆ユカイの「☆」は六芒星が正式表記。
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