MOTOKOLOGYは兵庫県のJR元町駅高架下、元町高架通商店街の通称“モトコー”と、学問を意味する接尾詞“-logy”を組み合わせた造語。戦後の闇市を発端とし、さまざまな文化を育んできたモトコーだが、現在は解体・再整備を目前に控えたシャッター街となっている。MOTOKOLOGYでは“ARTISTS、KOBE MEMBERS、MOTOKOH STUDY、アーカイブブックの制作”を主な取り組みとして、再整備までの限られた期間、神戸市内の産官学民による参画をはじめ、アーティストなどを招きながら、この地に蓄積された記憶や価値を再検証してきた。そして今月末で活動最終月となるMOTOKOLOGYでは、“開発後を祭りと捉えるなら、現在は前夜祭だ”という思いから、「モトコー大前夜祭」と銘打ち、多様なイベントを行っている。
プレスツアーは、森山と、MOTOKOLOGYプロジェクトメンバーでプロデューサーの田村圭介が説明しながら行われた。森山は“ARTISTS”に関して「僕ら運営メンバーがお声がけした6組のアーティストの方にモトコーをリサーチしてもらい、作品に落とし込んでもらいました。現在は山田悠さん、contact Gonzoさん、濱田晋さん、副産物産店さんの4作品を見ることができます。今月下旬には飯川雄大さんのワークショップ、持田敦子さんによる作品制作・展示が行われます」と話す。
神戸で活動するさまざまな施設や団体、KOBE MEMBERSは空き店舗を使ってそれぞれの活動を展開している。「それぞれのタイミングでMOTOKOLOGYに関われるときに(お店を)開けていただいています」(森山)ということだが、この日は多くのシャッターが開き、賑わいをみせていた。
MOTOKOH MARKETは、月に1回開催されてきたマーケット企画。3月はこの後、22日まで毎週末行われる予定だが、「月末最後の週末は、オフィシャルとしては予定していなかったのですが、すでに『やりたい』と手を挙げている人がいるので、行われる可能性があります(笑)」と森山。さらに「アカデミックにモトコーをとらえていこう」というトークイベントMOTOKOH STUDYの次回20日開催回は、MOTOKOLOGYの運営メンバー5人で実施される予定だと語った。
そのほかギャラリーとのコラボレーションや、AIを利用したナイトタイムエコノミー活性化企画、アーティストユニット・エキソニモが行うオープンプラットフォームにて、MOTOKOLOGY参加メンバーによるインターネットヤミ市が開催されるほか、企画公募枠より仁花の作品展示、モトコーの歴史を写真と絵で記録してきた西川光子の展示なども行われる。
さまざまなアクションが同時多発的に行われているが、森山はMOTOKOLOGYの大きな目標の1つはアーカイブを残すことだと言い、「僕らがトークしてきたこと、考えてきたことを資料として残したい。そしてそれが単なる資料としてだけでなく、次の新しいモトコーを作り出していく際の一助になれば、と思っています」と語った。
昨年7月のプロジェクト始動時には、未定な部分も多く活動の全貌が見えない印象があったが、最終的にはさまざまな人・団体が関わる活気あるものとなった。その手応えや実感について尋ねると、田村は「お声がけしたのは約20団体とアーティスト6名ですが、トータルで800ぐらいのアクションが起きています」と述べ、森山も「お声がけは僕らからしても、その後の皆さんの派生のさせ方や工夫は僕らは“アンコントロール”(笑)。当初僕らが想定していない関係性や動きがここから生まれています」と話した。
最後に森山は「MOTOKOLOGYは単なるイベントとしてだけでなく、“神戸にとってモトコーとは何だったのか、これから開発されていく新しいモトコーはどうあってほしいのか”をアカデミックに捉えながら、閉まっている店舗のシャッターを開けて実践的に活動するものでした。最終月に入り、さらに多くの方にこの活動を知ってもらえたらと思いますし、日本全国、こういう商店街や高架下のリニューアルが推進される中で、僕らが何を考え、何をやろうとしたのかを知っていただけたらと思います」と語った。
MOTOKOLOGYの会場は元町から神戸駅間高架下(モトコー)1街区及び2街区で、活動期間および「モトコー大前夜祭」は3月31日まで。
モトコー大前夜祭
2026年2月28日(土)~3月31日(火)
兵庫県 元町高架通商店街(通称モトコー)
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【会見レポート】森山未來がディレクター務めるMOTOKOLOGY、最終月迎え“モトコー大前夜祭”開催
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