ONEPIXCEL、5年9カ月の軌跡を噛み締めたラストライブ「胸を張って新しい道に」

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ONEPIXCELが6月25日に東京・UNITでラストライブ「ONEPIXCEL LAST LIVE “サヨナラの前に”」を開催した。

「ONEPIXCEL LAST LIVE “サヨナラの前に”」の様子。(撮影:田中真光)

「ONEPIXCEL LAST LIVE “サヨナラの前に”」の様子。(撮影:田中真光)

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田辺奈菜美、傳彩夏、鹿沼亜美の3人からなる東宝芸能発のガールズグループONEPIXCELは2015年9月に結成され、2018年3月にアニメ「ドラゴンボール超」のエンディングテーマ「LAGRIMA」でメジャーデビュー。国内だけでなく、上海や台湾、カナダやメキシコでもライブを行い、昨年12月には東京・渋谷ストリームホールで結成5周年記念ワンマンライブを開催するなどさらなる飛躍が期待されていたが、「メンバー全員が成人となり、今後の活動について考える機会が増えてきたことに伴い、それぞれの目標に向かって進んでいきたいという気持ちが強くなった」という理由により解散を決断した。

「ONEPIXCEL LAST LIVE “サヨナラの前に”」の様子。(撮影:田中真光)

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ラストライブはアグレッシブで刺激的なダンスナンバー「Final Call」「Summer Genic」の2曲でスタート。観客によるクラップが鳴り響く中、鹿沼は「ラストライブ、最後まで楽しみましょう」とクールに呼びかけた。低音が効いたトランス寄りのEDMロック「Howling」や、R&Bのメロディとトロピカルハウスのサウンド感を組み合わせた「Girls Don’t Cry」で強気では3人が歌とダンスでポジティブな女性像を表現。田辺が「ONEPIXCELの最後の瞬間まで目に焼き付けてください」と話したあとにはメドレーが展開され、観客は拳を上げたり、タオルや腕を回したりして大いに盛り上がった。続くMCでは前日から緊張していたという鹿沼が田辺と傳に1日一緒にいてくれないかと頼んだものの、見事に断られたことを明かして観客の笑いを誘う。メンバーへの愛をアピールした彼女は、「こんなに緊張しているのは、みんなにいいパフォーマンスを見せたいという気持ちと、今まで応援してくれたことへの感謝を伝え切りたいという思いがあったからです」と胸の内を語った。

「ONEPIXCEL LAST LIVE “サヨナラの前に”」の様子。(撮影:田中真光)

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「ONEPIXCEL LAST LIVE “サヨナラの前に”」の様子。(撮影:田中真光)

「ONEPIXCEL LAST LIVE “サヨナラの前に”」の様子。(撮影:田中真光)[拡大]

次のブロックでは田辺が歌声だけで会場の空気をガラリと変える「monochrome」、傳がリズム感抜群のラップで魅せる「Slow Motion」と続き、切ない雰囲気も併せ持ったソリッドなステージングが展開される。鹿沼が「直前のリハまで練習してました。私たちの曲の中で最大難度の曲です」と解説した「LAGRIMA」や、メンバーをボーカリストとダンサーにセパレートしたラブバラード「Go My Way」でもそれぞれの個性が光り、「TURN ME ON」の曲中には3人が肩を組み、ハイタッチをしながら歌唱。メンバー同士の絆を感じさせるハーモニーを響かせ、さらにメロウなEDMナンバー「Blue Ocean」を向かい合って歌い上げた。結成からの5年9カ月を振り返るMCでは、活動初期の頃の全体リハーサルでいつも不機嫌だったことを明かされた田辺が「自分に怒ってて、それが制御できなかった。ごめんなさい」と笑顔で謝罪。また「歌が嫌いで、彩、もう歌わない」と拗ねていた時期があったという傳が「でも、今は好き。3人で歌うことは楽しいね」と話すと、ほかのメンバーはうれしそうな表情を見せた。

青春や恋愛をテーマにしたさわやかでキュートな楽曲をコンパイルしたメドレーを経て、ライブはラストスパートへ。「Sparkle」ではこの日一番のクラップとジャンプが沸き起こり、インディーズ時代からのライブの鉄板曲「TONDEKE」では多くの観客がメンバーに合わせてダンスする。その後、チャーミングなステップを踏むディスコファンク「DO IT, DO IT」、結成当時から大事に歌ってきた「YEAAAHHH!!!!」で会場内のテンションを一段と引き上げたたONEPIXCELは、昨年11月にリリースしたラストシングルのエールソング「シャラララ」を明るく歌唱し、笑顔が広がる中でライブ本編を締めくくった。

田辺奈菜美(撮影:田中真光)

田辺奈菜美(撮影:田中真光)[拡大]

傳彩夏(撮影:田中真光)

傳彩夏(撮影:田中真光)[拡大]

アンコールに応えて再びステージに上がった3人は田辺の「皆さんに一番伝えたい曲を歌います」という言葉を合図に、ラストシングルのカップリング曲「サヨナラの前に」を披露。田辺が歌う「立ち止まらない 振り返らないよ もう決めたから」というフレーズがこれまで以上に観客の胸に響いた。そしてメンバーはファンに向けて感謝の気持ちを伝えつつ、1人ずつ別れの挨拶を述べる。田辺は「1人だったらここまでできなかったなと思います。正直、まだまだやりたかったなってこともあるけど」と一瞬だけ涙を見せたあと、「自分たちの新しい夢に向かってがんばるって3人で決めたし、皆さんにもその姿を応援してほしいなと思います。これからはそれぞれ1人ずつ、がんばっていくことになるけど、この空間があったことは絶対に忘れないし、私たちには皆さんがいてくれたことは絶対に忘れません。最高に楽しい時間でした。みんなのこと大好きです!」と笑顔に。傳も涙を堪えながらライブの楽しさを繰り返し語りつつ、「もっともっと亜美とななみんとライブを作っていきたかったけど、自分たちで決断したことなので、後悔したくないし、覚悟を持ってがんばらないといけない。新しい場所に行って、2人がいなくて寂しい思いを絶対にすると思うけど」と正直な思いを吐露し、「でも、たくさん努力して、みんなの前に自信を持って立てるようにがんばります」と意気込みを口にした。

鹿沼亜美(撮影:田中真光)

鹿沼亜美(撮影:田中真光)[拡大]

続く鹿沼は感極まって話せなくなり、田辺と傳に背中をさすられる場面もあったが、「私たちが決断したことを無駄にしたくないので、1人ずつ前を向いてがんばりたいと思います。3人とも絶対に有名になるし、私はどんな形であれ、音楽を続けていきたいです。胸を張って新しい道に向かっていきたいと思います」と前向きな言葉を紡ぐ。そしてそれぞれの思いを伝え終えたONEPIXCELは、3人で初めて練習した楽曲であり、結成後最初のステージの1曲目に披露した「SAKURA SAKU」、いつもライブの最後に歌ってきた思い入れの強いナンバー「Take Off」をラストに歌唱。これまで歩んできた道のりを噛み締めつつも、晴れ晴れとした表情を浮かべた。全28曲、約3時間弱におよぶラストライブを終えた3人は鹿沼の「傳ちゃんななみんも大好きだから、これからもよろしくね」という言葉のあと、「以上、ワンピクセルでした!」と一礼してステージをあとに。会場は彼女たちの旅立ちを祝うかのように温かい拍手が包まれた。

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ONEPIXCEL「ONEPIXCEL LAST LIVE “サヨナラの前に”」2021年6月25日 UNIT セットリスト

01. Final Call
02. Summer Genic
03. Howling
04. Girls Don't Cry
05. sora
06. S
07. Tell us!!!
08. We Go Now
09. FREEDOM
10. monochrome
11. Slow Motion
12. LAGRIMA
13. Go My Way
14. TURN ME ON
15. Blue Ocean
16. Time
17. Beautiful Lady
18. hello,wonder star
19. seven colors
20. be with you
21. Sparkle
22. TONDEKE
23. DO IT, DO IT
24. YEAAAHHH!!!!
25. シャラララ
<アンコール>
26. サヨナラの前に
27. SAKURA SAKU
28. Take Off

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クルッとパナマ帽 @CraPana1984

【ライブレポート】ONEPIXCEL、5年9カ月の軌跡を噛み締めたラストライブ「胸を張って新しい道に」 https://t.co/zoztMCHKfF

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