Uru、画面を通じて「あなたと私」をつないだ初の配信ライブ

Uruの初の配信ライブ「Uru Online Live 2020『あなたと私』」が、昨日9月6日に行われた。

Uruは今年2月にうるう日ライブ「Precious One day ～Uru-u Year 2020～」、春に最新アルバム「オリオンブルー」を携えたツアーの開催を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて各公演は中止に。今回の配信ライブを通じ、全国のファンに最新作の世界を届けた。

雨が滴り落ちる映像からステージ上に画面が切り替わると、普段のライブのようにUruの周りを覆う紗幕はなく、頭を下げたUruの姿がそのまま映し出された。ゆっくりと顔を上げた彼女は1曲目「今 逢いに行く」を、全国のファンへの思いを乗せるように丁寧に歌った。続いては多数の丸いライトが光る中、「奇蹟」でサポートメンバーの奈良ひより（Cho）と美しいハーモニーを響かせる。切なげな表情で歌うUruの横顔をカメラが捉え、通常のライブとは異なる形で彼女の魅力を届けた。Uruは配信を見守るファンに向け「予定していたライブが中止や延期になる中、このような新しい形でお届けしていますが、皆さんどんなふうに聴いてくださっているでしょうか？」と話しかけ、それぞれのシチュエーションに思いを馳せていた。

「次はカバー曲を歌います。初めて聴いたときはすごく幸せな歌詞なのかと思ったけど、だんだん切なくなって胸が苦しくなった曲です」という言葉に続いて披露されたのは、wacciの「別の人の彼女になったよ」。Uruの語りかけるようなボーカルが柔らかなアコースティックサウンドと共に届けられた。その後はこの季節にぴったりな「remember」、スツールに腰掛けて感情の揺れ動きを歌声で表現した「いい女」と、さまざまな曲を歌う。Uruは画面を通じて「今日は皆さんのお住まいの地域は暑いですか？ 今年はいつもと違う夏を過ごした方がたくさんいらっしゃると思うけど、何か夏らしいことはできましたか？」と呼びかけ、自身の幼少期の夏にまつわる微笑ましいエピソードを明かし、配信を楽しむファンを和ませた。

最新アルバム「オリオンブルー」の収録曲でもある「marry」のあとは、飯塚直斗（G）がかき鳴らすアコースティックギターとHidenori（Key）のピアノが軽やかなリズムを刻んだスピッツ「チェリー」、Uruならではの透明感にあふれたハイトーンが印象的な「fly」を披露。MCでUruは自粛期間中にいろいろなことを考えていたと話し、今シンガーとして人前に立っている自身について「昔の私は今より臆病で流されてしまいがちでした。でも最後には自分のやりたかったこと、行きたい道を選べました。音楽に対して本気になる前は自分の気持ちに蓋をして、居心地のいい場所から抜け出せなかったけど、『本当にこれでいいのか』と考えることができて、そして今こんなふうにここにいます」と、ゆったりした口調の中に強い思いを込めて語った。

「そのときの私と同じ状況の方がいたら、これから歌う曲は心に届くと思います」という言葉に続いて披露されたのは、ハナレグミの「サヨナラCOLOR」。柔らかくも芯の強いボーカルで自身の気持ちを表現したUruは、さらに自身の「夢」に対する思いを吐露するように、the pillowsの「Funny Bunny」をシンプルなサウンドに乗せたバラードアレンジで歌う。力強いアンサンブルと共に「プロローグ」を披露したUruは「なかなか肩の力が抜けない、息が詰まる日が続く中、心穏やかに過ごしていただけたらと思って歌っていましたが、皆さんお聴きいただけているでしょうか？」とこの日のライブに込めた思いを語る。そして10月28日に映画「罪の声」主題歌の「振り子」と、テレビアニメ「半妖の夜叉姫」エンディングテーマの「Break」を両A面シングルとしてリリースすることを発表した。

ライブはいよいよ終盤へ。Uruは「最後の3曲、聴いてください」と話し、「フリージア」をしっとりと歌い、今の世情を映し出したかのような歌詞が印象的な「あなたがいることで」でエモーショナルな歌声を響かせた。ラストナンバーはデビュー曲「星の中の君」。Uruは「普段は会場の皆さんと一緒に歌うんですが、いつかまた一緒に歌えることを願いつつ」と全国のファンに語りかけ、星空を模した照明が灯る中で丁寧にその声を届けた。

今回の配信ライブのアーカイブ映像は9月9日23:59まで配信中。視聴チケットも9日19:00まで販売されている。