「これで最後なんだ。寂しいですよね」安藤裕子4都市ツアーファイナル

安藤裕子がワンマンライブ「安藤裕子 LIVE 2015 『あなたが寝てる間に』」を4月24日に東京・中野サンプラザホールにて開催した。

1月にニューアルバム「あなたが寝てる間に」をリリースした安藤。今回の公演はアルバムの発売を記念したもので、3月より4都市で実施された。

バックバンドメンバーが入場して「森のくまさん」の演奏を始めると安藤もスキップしながら登場し、ライブはスタート。前半では「大人計画」「Live And Let Die」などアルバム「あなたが寝てる間に」収録曲を中心に披露された。

「RARA-RO」演奏後、安藤はMCで「これで（今回のツアーは）最後なんだ。寂しいですよね」と感慨深そうに振り返る。そして「今日もキーボードで参加しているもっさん（山本隆二）が結婚すると聞いたとき、2人が仲よくやっていけるといいな、と思って作った曲なんです」と紹介し「TEXAS」を披露。ゆったりとしたテンポの曲調で、和やかな雰囲気が会場を包み込んだ。その後山本による合いの手の説明を挟んで演奏された「うしろゆびさされ組」では、安藤は“指差し”の振り付けも行う。また設楽博臣（G）はソロパートに入ると前転してステージ前方に移動。激しい演奏も相まって客席から歓声が飛び交った。

ライブ中盤はキーボード、アコースティックギター、ウッドベースによる「人魚姫」、キーボードのみの「のうぜんかつら（リプライズ）」など、編成を変更し穏やかなナンバーが披露された。「73%の恋人」の演奏を終えると安藤は「青い空」の制作背景について話題にし、「曲をずっと作ってたんですけど、フッと抜け殻になってしまったときがあって。その頃にファンの子から『助けて』っていうお手紙をいただいて、一緒に泣くことならできるかなって思って『青い空』を作ったんです。そのあとその子（ライブに）来るかなって思ったんですけど、どうなったかわかんないんだ。でも私も、この曲を作ったときに救われたんです」と当時を振り返った。

そんな「青い空」の途中からバックバンドは重厚なサウンドを展開し、観客を盛り上げていく。「世界をかえるつもりはない」の後半で安藤はファンに向かって何度も「ありがとうございます」と感謝を述べ、そのまま間髪入れずに「サイハテ」を歌唱。オーディエンスの拍手が響き渡る中、メンバーはゆっくりとステージを後にした。

アンコールで安藤は改めてバックバンドメンバーを紹介したあと「問うてる」「地平線まで」を披露。そしてこの日最後の楽曲となった「都会の空を烏が舞う」では、彼女はバレエのような舞いを行い、荘厳な雰囲気でクライマックスを迎える。終了後メンバーはステージ中央に並んで礼をし、公演を締めくくった。