サブカルチャーの祭典!筋肉少女帯人間椅子デビューライブ大盛況

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筋肉少女帯人間椅子による合体バンド、筋肉少女帯人間椅子が5月にデビューシングル「地獄のアロハ」をリリースしたことを記念し、昨日6月7日に東京・渋谷公会堂でライブが行われた。この日は人間椅子、筋肉少女帯、そして筋肉少女帯人間椅子の3バンドがそれぞれたっぷりライブを実施。“新人バンド”筋肉少女帯人間椅子による初のステージを楽しみに多くのファンが詰めかけ、会場は満員となった。

筋肉少女帯人間椅子(撮影:柴田恵理)

筋肉少女帯人間椅子(撮影:柴田恵理)

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人間椅子(撮影:柴田恵理)

人間椅子(撮影:柴田恵理)[拡大]

熱狂的な歓声に迎えられて一番手の人間椅子が登場すると、彼らは「新調きゅらきゅきゅ節」「地獄の招待状」を次々に披露。重厚なギターサウンドと激しいツーバスによる、強烈な演奏でオーディエンスを圧倒していった。和嶋慎治(G, Vo)は観客に向けて「今日は言ってみれば、サブカルチャーの祭典! アンダーグラウンドのお祭りです! 社会に受け入れられない皆さん、ようこそ!」と挨拶。シングル「地獄のアロハ」のカップリングに収録された筋肉少女帯のカバー「少年、グリグリメガネを拾う」を披露すると、人間椅子のオリジナル曲に聞こえるほどのなじみぶりに、鈴木研一(B, Vo)が「これいい曲だね。人間椅子のライブでもガンガンやりたいね」とつぶやいていた。また、このカバー曲に合わせて筋少のファンが踊っている姿を初めて見たという和嶋は「曲の振り付け、お客さんに教えてもらって勉強になりました」「ちょっと一瞬、俺たちヴィジュアル系なのかなって気分になった(笑)」と語っていた。

その後も彼らは、ナカジマノブ(Dr, Vo)がメインボーカルを務める「蜘蛛の糸」などを披露。テクニカルかつ気迫に満ちた演奏で会場中を熱狂に導いていった。ラストナンバー「針の山」が始まると、観客も一斉に腕を振り上げて熱唱。演奏を終えたメンバーが手をつないでオーディエンスに礼をしようとしたところ、鈴木だけ先に袖に引っ込んでしまいほかの2人が慌てて呼び戻すという、ほのぼのとしたやりとりで人間椅子のライブは終了した。

「踊るダメ人間」を演奏する筋肉少女帯。(撮影:柴田恵理)

「踊るダメ人間」を演奏する筋肉少女帯。(撮影:柴田恵理)[拡大]

筋肉少女帯のライブは「サンフランシスコ」からスタート。大槻ケンヂ(Vo)は、異様なほどの盛り上がりを見せる会場を見て「逆にホーム感が怖い。いつもアウェイでやってきたから、誰からも愛されてるライブってどうすればいいのかわからない」と言い出し、観客にもっと冷たい態度をとってもらおうと「日本を印度に?」「しないよ」というコール&レスポンスを行った。アウェイ感に満足した大槻は「こんなにアウェイだったら、人様の曲で盛り上げてやろう!」と言って、シングル「地獄のアロハ」のカップリングに収められている人間椅子のカバー「ダイナマイト」をパフォーマンス。筋少サウンドに生まれ変わったこの曲に、観客は興奮の声を上げていた。

また大槻は「オーケンとワジー(和嶋)はどっちもオカルト好きなんですけど、ワジーはビリーバー、僕は懐疑派なんですよ。だから陰謀論の話をするとヤバいんです」と言って2人が“混ぜると危険”であることを説明し、アニメ「うしおととら」のオープニングテーマに決まった8月5日発売のニューシングル「混ぜるな危険」を初披露。

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大槻が作詞したももいろクローバーZ「労働讃歌」のセルフカバーでは、ラップパートでメンバー4人が楽器を置いてマイクリレーをし、観客をさらに盛り上げた。彼らはその後も「踊るダメ人間」「イワンのばか」とキラーチューンを連発。会場に大きな一体感を生み出し、次に登場するメインアクト・筋肉少女帯人間椅子につなげた。

ブラック菩薩(撮影:柴田恵理)

ブラック菩薩(撮影:柴田恵理)[拡大]

そしていよいよこの日の主役である筋肉少女帯人間椅子の出番。ところが最初に姿を現したのは、フミー橘高こと橘高文彦(G)がボーカル、トニー内田こと内田雄一郎(B)がギターを務めるバンド・ブラック菩薩。彼らは人間椅子の3人をサポートメンバーに迎えてBlack Sabbathのカバー「Iron Man」を熱唱した。フミーは曲中で、担いでいた十字架を床に叩きつけて破壊したり、バケツいっぱいの紙吹雪を客席にぶちまけたり、コウモリのぬいぐるみをかじったりと大暴れ。曲が終わってブラック菩薩が退場すると、袖で観ていた大槻が「ステージではしゃいでる人たちを観ると、サーッと冷静になっちゃうんだよね……」とテンション低めに話していた。

続いて大槻が人間椅子をバックに、筋少の初期曲「日本の米」を歌唱。大槻は「中学生のときに作った曲だから正直超飽きてて、ここ20年、歌ってて心がこもらないんですよ。でも今夜だけは、人間椅子とやるので心を込めて歌いますよ!」と宣言し、その言葉通り力強く歌い上げた。曲が終わると、その仕上がりに満足した和嶋が「この曲を人間椅子のレパートリーに加えていいでしょうか?」と質問し、それに対して大槻は「著作権ごと持っていってもいいくらいですよ!」と答えていた。さらに本城聡章(G)を加えて「君は千手観音」も披露され、貴重なセッションの連続に観客は1曲ごとに沸き上がった。

左から鈴木研一(人間椅子)、内田雄一郎(筋肉少女帯)。(撮影:柴田恵理)

左から鈴木研一(人間椅子)、内田雄一郎(筋肉少女帯)。(撮影:柴田恵理)[拡大]

その後ステージに立ったのは、内田と鈴木のベーシスト2人。彼らはおどろおどろしい緑色の照明を浴びながら、Kissのジーン・シモンズばりに口から血糊を吐き出した。そのまま鈴木がメインボーカルを務め、内田、橘高、本城、和嶋、ナカジマという編成でKissの「Detroit Rock City」をカバー。内田は口に含んだ血糊の量が思った以上に多かったためベースが濡れてしまい、周りのメンバーから心配されていた。そして大槻がそこに加わり、ついに筋肉少女帯人間椅子が全員集合。筋少サポートメンバーの三柴理(Key)も参加し、8人編成でデビュー曲「地獄のアロハ」が演奏された。ライブ初披露となったこの曲は、筋少の弦楽器3人によるウクレレと和嶋のスチールギターによるハワイアンな前奏や、橘高と和嶋による間奏でのギターバトルなど見どころたっぷり。メンバーの楽しそうな表情からは、気心の知れた仲間同士で音を出す喜びを感じさせた。

筋肉少女帯人間椅子(撮影:柴田恵理)

筋肉少女帯人間椅子(撮影:柴田恵理)[拡大]

ライブが終盤に入るとさらに筋少のサポートメンバー・長谷川浩二(Dr)が加わり、バンドはツインドラム、ツインベースの9人編成に。人間椅子の「りんごの泪」と筋肉少女帯の「釈迦」をセルフカバーし、個性豊かなメンバーが入り乱れてセッションするカオスなステージが繰り広げられた。アンコールではメンバー全員がアロハシャツとレイで着飾って、デビュー曲のロングバージョン「地獄のアロハ(Heavenly Version)」を披露。楽器隊が熱気あふれるステージを繰り広げる中、間奏で手持ち無沙汰になった大槻は袖からパイプ椅子を持ち込んで隅のほうで休憩し、オーディエンスの笑いを誘っていた。最後にメンバー全員で手をつないで観客に一礼し、大きな拍手に包まれてライブは終了。筋肉少女帯人間椅子のデビュー公演は「サブカルチャーの祭典」として大盛況のうちに幕を閉じた。

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筋肉少女帯人間椅子ライブ
2015年6月7日 渋谷公会堂 セットリスト

人間椅子

01. 新調きゅらきゅきゅ節
02. 地獄への招待状
03. 少年、グリグリメガネを拾う
04. なまはげ
05. 死神の饗宴
06. 相剋の家
07. 蜘蛛の糸
08. 人面瘡
09. 針の山

筋肉少女帯

01. サンフランシスコ
02. ダイナマイト
03. 日本印度化計画
04. 混ぜるな危険
05. 労働讃歌
06. 踊るダメ人間
07. イワンのばか

筋肉少女帯人間椅子

01. Iron Man
02. 日本の米
03. 君は千手観音
04. Detroit Rock City
05. 地獄のアロハ
06. りんごの泪
07. 釈迦
<アンコール>
08. 地獄のアロハ(Heavenly Version)

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