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サカキナオ「フラッシュバック!!」ジャケ写

サカキナオ フラッシュバック!!

オリジナリティを増幅させたポップなダンスミュージック

文 / 森朋之

NTTドコモと吉本興業が立ち上げたNTTドコモ・スタジオ&ライブと、SUPER BEAVERやマカロニえんぴつを輩出したレーベルmurffin discsを運営するeggmanの共同オーディションでグランプリを獲得し、新レーベル・Scrum Wave Musicからデビュー。アーティスト名の由来は「源氏物語」で、音楽性の軸は“ファンク×日本の古典”──とにかく“ヤバい奴が出てきたな!”感たっぷりのニューカマー・サカキナオ。「神退治」「scream」に続く第3弾楽曲「フラッシュバック!!」は、圧倒的なオリジナリティをさらに増幅させつつ、より幅広いリスナーにリーチできるポップ感を併せ持った楽曲だ。

イントロは切れ味鋭いギターカッティング。推進力とタメのバランスがとにかく絶妙で、“踊りたい!”欲望が湧き上がってきた直後、「ハッ!」というかけ声とともにドラム、ベース、シンセ、三味線、笛の音が加わり、和のエキゾチズムをたっぷり注ぎ込んだバンドサウンドが立ち上がる。「フラストレーション気味だ 目凝らしても」から始まるボーカルは日本語の響きをしっかりと生かし、音としてめちゃくちゃ楽しいし、スピード感も抜群。「神退治」「scream」もそうだが、日本語をグルーヴさせるセンスがとにかくすごいのだ。

では歌詞にそんなに意味はないか?と言えばそうではなく、“高値の花に恋心を抱くも、うまくいかず、モヤモヤしながらもがいてる”というラブコメ的なテーマを設定することで、誰もが楽しめるポップソングとしての魅力につなげている。「喰らわすナンマイダ 全くたまんねえな 捨てた恋心を 置き直すはずが」から始まるサビの切なさとキャッチー具合も素晴らしく、“浮き憂き”してしまうのだ。もちろんダンスミュージックとしても最高なので、TikTok界隈の踊りたい人々は即座に触手を伸ばすだろうし、もしフェスに出ても抜群のパワーを発揮するはず。そう、こうなると「ライブが観たい!」となるのが音楽ファンの生理。次のアクションを心待ちにしたい。

サカキナオ「フラッシュバック‼」MV

サカキナオ「フラッシュバック!!」
2025年2月26日(水)配信開始 / Scrum Wave Music
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作詞・作曲:サカキナオ
編曲:大久保友裕

サカキナオ

サカキナオ

シンガーソングライター。eggmanとNTTドコモと吉本興業が立ち上げたNTTドコモ・スタジオ&ライブによる、次世代バンドおよびグローバルアーティストの発掘・育成を目的としたオーディション「Catching Wave Audition 2024」にて初代グランプリを獲得。プロジェクト内で発足されたレーベル・Scrum Wave Musicより、第1弾シングル「神退治」を10月に、第2弾シングル「scream」を12月に、第3弾シングル「フラッシュバック!!」を2025年2月に配信リリースした。