このツアーは昨年10月リリースのシングル「傍若のカリスマ」を携え、全国9会場14公演を開催。最新シングル収録曲はもちろん、過去のヒットシングルやライブで人気の楽曲、さらにレアなアルバム曲やシングルカップリング曲まで多彩な選曲が繰り広げられた。
1曲目はまさかのクリスマスソング
ライブのオープニング、固唾をのんで見守る満員のオーディエンスの前で斎藤宏介(Vo, G)が鳴らし始めたのは「Santa Claus Is Coming to Town」のメロディ。赤と緑のライトに照らされたステージから届けられた予想外のフレーズにフロアが軽くどよめく中、「Charisma & Princess」は「サンタクロースは渋滞中」で幕を開けた。今回のセットリストの予測不可能具合を観客に印象付けたところで、斎藤の「お待たせしました!」という言葉から「オトノバ中間試験」がドロップされ、フロアは観客のジャンプで大きく揺れる。3人のパフォーマンスもどことなく余裕が感じられ、ツアーの充実ぶりをファイナルに集まったファンに見せつけた。
「kaleido proud fiesta」で歓喜の大合唱が起こったのち、斎藤は今回のセットリストについて「1月の頭から始まって3月まで、1曲目にいきなりクリスマスソングを演奏して、たくさんの皆さんの頭の上のクエスチョンマークを見てきました(笑)」と振り返り、観客の笑いを誘う。「そんなことをできるのもシングルツアーならではです。やることは基本的に変わらないんですけど、知ってる曲は全力で、知らない曲はお口ポカーンで楽しんでいってください(笑)」と、オーディエンスにそれぞれの楽しみ方を促した。
続いて披露されたのは2011年リリースのアルバム「Populus Populus」の収録曲「3 minutes replay」。ライブで演奏されるのは2015年に行われた東京・日本武道館公演以来だ。鈴木貴雄(Dr)の屈強なドラミングが牽引する熱いサウンドに、観客は目を輝かせて聴き入る。さらに同じく「Populus Populus」から「kid, I like quartet」そして「アトラクションがはじまる(they call it "NO.6")」とライブでおなじみのナンバーが連投され、場内の温度はますます高まっていった。軽やかな音色に満たされていたフロアだが、サイケデリックなライティングの中で「世界はファンシー」が始まると空気は一変。3人のソリッドなアンサンブルに感化され、場内にはまた異なる興奮がほとばしった。
カップリング曲も続々連投
華やかなアンサンブルに乗せて斎藤と田淵智也(B)がステージを駆け回った「like coffeeのおまじない」のあと、小休止を挟んで「City peel」が始まる。斎藤のメロウな歌声と、3人の芳醇な音色が印象的なミドルチューンをじっくり聴かせたあとは、最新シングルのカップリング曲でツアータイトルの一翼を担う「憂鬱はプリンセス」へ。ときに禍々しく、ときに軽快に響く3人のテクニカルなサウンドにフロアは翻弄される。さらにピンスポットを浴びた斎藤が奏で始めたイントロは「WINDOW開ける」。ステージ後方からの鮮烈な逆光が、3人のスケール感たっぷりな演奏を力強く後押しした。
圧倒されていたオーディエンスを優しく引き戻すように「harmonized finale」を届けたあとは田淵、斎藤、鈴木がそれぞれのスキルを存分に発揮するソロ回しを披露。カリスマ性あふれるそれぞれのパフォーマンスにフロアから怒号のような歓声が起こる中、ステージ後方にはツアータイトルをあしらったバックドロップが掲げられた。そして満を持して披露されたのは「傍若のカリスマ」。田淵の豪快なベースラインを中心に繰り広げられるスリリングなサウンドを全身で楽しんでいたオーディエンスは、大サビで大合唱してこの日一番の熱狂を生み出す。さらに斎藤が「放課後マリアージュ」の印象的なギターイントロを奏でると、観客からは喜びの声が。シングルのカップリング曲ながら、鈴木が刻むリズムに合わせてフロアからは完全に息ぴったりの軽快なハンドクラップが響いた。
ステージ上もカオスのまま迎えたフィナーレ
「君の瞳に恋してない」では立ち上がったままドラムを叩く鈴木がスタッフを促してコーラスマイクの位置を上げ、一方田淵は完全にステージ下手側を向いてしまったマイクに向かってコーラスするなど、本編ラストが近づくにつれステージ上もいよいよ混沌状態へ。曲が終わり、3人が笑顔でフロアを見渡すと場内にはすさまじい音量の拍手が長く長く鳴り響いた。本編ラストナンバーは「カオスが極まる」。3人はこのツアーの内容を象徴するかのようなタイトルの楽曲で会場の一体感を再びピークまで高めた。
アンコールを求める手拍子に応え、すぐにステージに現れた3人。鈴木はツアーグッズのタオルで自らの顔面を覆い隠して観客を沸かせたのち、そのまま「シュガーソングとビターステップ」のビートを刻み始めた。斎藤もイントロのギターの音色を変えてみせるなど、遊び心にあふれたパフォーマンスでオーディエンスを喜ばせた3人。全21曲を通じてファンを存分に楽しませ、ツアーを締めくくった。
なおユニゾンは3月26日に、昨年開催した東京・日本武道館での結成20周年ライブの模様を収録した映像作品「UNISON SQUARE GARDEN 20th Anniversary LIVE “ROCK BAND is fun” 2024.07.24 / “オーケストラを観にいこう” 2024.07.25 at Nippon Budokan」をリリース。7月6日には神奈川・Kアリーナ横浜でオフィシャルファンクラブ「UNICITY」発足10周年記念の会員限定ワンマンライブを開催する。
セットリスト
UNISON SQUARE GARDEN TOUR 2025「Charisma & Princess」2025年3月6日 Zepp Haneda(TOKYO)
01. サンタクロースは渋滞中
02. オトノバ中間試験
03. 天国と地獄
04. kaleido proud fiesta
05. 3 minutes replay
06. kid, I like quartet
07. アトラクションがはじまる(they call it "NO.6")
08. Silent Libre Mirage
09. 世界はファンシー
10. like coffeeのおまじない
11. City peel
12. 憂鬱はプリンセス
13. WINDOW開ける
14. harmonized finale
15. 傍若のカリスマ
16. Simple Simple Anecdote
17. シャンデリア・ワルツ
18. 放課後マリアージュ
19. 君の瞳に恋してない
20. カオスが極まる
<アンコール>
21. シュガーソングとビターステップ
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📸 いつも、そして、毎回最高と思えるライブを撮影できて嬉しく思います:)ツアーファイナルのレポぜひ! https://t.co/hJN7G9XYIO