=LOVE、通称イコラブの通算18枚目のシングル「とくべチュ、して / 恋人以上、好き未満」がリリースされた。
=LOVE初の両A面シングルである本作には、「愛してるだけじゃ足りないくらい愛しいあなたを独占して、特別な存在になりたい」という思いが込められた「とくべチュ、して」と、TOKYO MX、BS11ほかで放送中のテレビアニメ「クラスの大嫌いな女子と結婚することになった。」のオープニングテーマ「恋人以上、好き未満」を表題曲として収録。どちらも佐々木舞香がセンターを務めるラブソングで、=LOVEのラブリーでキュートな魅力を存分に味わえる作品となった。
音楽ナタリーでは今回もメンバーを2組に分けてインタビュー。野口衣織がセンターを務めるカップリング曲「超特急逃走中」の話も含め、ニューシングルについてたっぷりと語ってもらった。
取材・文 / 左藤豊撮影 / 堀内彩香
インタビュー
歌詞の至るところに独占欲がちりばめられている
──ニューシングルの表題曲の1つ「とくべチュ、して」はタイトルからインパクト抜群で、「あなたの特別な存在になりたい」という思いが込められたキュートなラブソングになっています。
佐々木舞香 前作「絶対アイドル辞めないで」(2024年発売の17thシングル)とはまた全然違うテイストの楽曲になっていて、甘々な世界観を表現するのもひさしぶりな気がします。そして、私自身も「誰かの特別になりたい」という思いが強くて、今回の歌詞はとても共感できます。
山本杏奈 そんな舞香が「とくべチュ、して?」というセリフを毎回最高にかわいく言ってくれるので、パフォーマンス中も「さすが!」と思いながら聴いています。
瀧脇笙古 歌詞が本当に素敵です。「なんでもある日の 『なんでもない』気付いてね」という部分はまさに女の子らしさが伝わってくる歌詞ですし、「ショートケーキ イチゴみたいに 座ってもいい?」というフレーズが特にお気に入りです。指原(莉乃。=LOVEのプロデューサーで、全楽曲の作詞を手がけている)さんにとってショートケーキはイチゴが座っているように見えるのかな?と思いました。
──確かに、個性的でかわいい表現ですよね。
山本 私は「好きなところ、優しいとこ。嫌いなとこも、優しいとこ。」という歌詞がすごく好きです。優しいところが好きなのに嫉妬してしまうような心情が描かれていますが、実際、恋愛トークのテーマとして「自分以外にも優しい人を許せるか、許せないか」という論争がよくありますよね。それを歌詞に落とし込んでいる指原さんはすごいと思いました。
大谷映美里 確かに。前に観た恋愛リアリティ番組で、相手がみんなに優しいところが原因で別れたというカップルのエピソードがあり、歌詞を読んでそのことを思い出しました。楽曲に対するファンの方の反応を見ていても、ここの歌詞について「わかる! 刺さる!」と言っている声が多いです。
佐々木 みんなに優しかったら、自分は特別じゃないもんね。
大谷 うん。女の子の“面倒臭さ”が歌詞に描かれていて、私も「わかるなあ」と感じました。
佐々木 私が好きな歌詞はAメロの「眩しくって 目が覚めて 愛おしく思ってよ」。寝顔をかわいいと思ってほしいという心情が描かれていますが、寝顔はすっぴんじゃないですか(笑)。この曲は「それすらも丸ごと愛してよ!」という女の子の気持ちがかわいいな、と思いました。あと「あまあまな君なのに 広い街 吸い込まれ」という部分からは「私だけが君の甘々な面を知っている」という気持ちが垣間見えるし、歌詞の至るところに独占欲がちりばめられているのがすごくいいなと思います。
──佐々木さんは先ほどご自身のことを「誰かの特別になりたい」という思いが強いと言っていましたが、歌詞について語るときの熱量がすごいですね。それだけ強く共感できる歌詞なんでしょうか?
佐々木 はい。私は「しゅきぴ」(2020年発売の8thシングル「青春”サブリミナル”」に収録されている佐々木のセンター曲)の頃から指原さんに「面倒臭い女」と言われていて、自分でもその自覚はあるのですが(笑)、指原さんが書く歌詞を読んで「わかる!」と思うことがとても多いです。
大場花菜 私も「とくべチュ、して」で描かれている複雑な女の子の気持ちについて共感できました! あと、「戦う姿に 大きいはなまるだね」という歌詞を最初に見たときはびっくりしました。私の名前が大場花菜なので「『大きいはなまる』は私かな!?」と思いました。ここの歌割りをいただけたこともうれしかったですし、ミュージックビデオでは私の「はなまるポーズ」を使っていただけました!
大谷 シングルのリリース時期が2月ですし、甘々な曲の世界観がバレンタインにもぴったりだなと思いました。衣装が全員真っ赤なのも新鮮で、また新たな=LOVEをお見せできる曲だと思います。
山本 衣装にはニットが使われていて、私はこのニットにも愛情の重さが表現されているのかなと感じました。
大場 確かに! 手編みマフラーのような愛の重さを感じるよね。
MVを観ながら大騒ぎ
──「とくべチュ、して」のMVは、2月2日にさいたまスーパーアリーナで行われたアリーナツアー「=LOVE ARENA TOUR 2025『~Timeless Tales~』」初日公演の中でお披露目されました。スクリーンに映像が映し出された瞬間、会場のファンから大きな歓声と悲鳴が上がっていましたね。
山本 私たちもステージ裏で映像を観ながら、みんなで「かわいい! かわいい!」と大騒ぎして、舞香が花男さん(MVの登場人物)にギュッと抱き付くシーンが映った瞬間、「キャー!」と悲鳴を上げました(笑)。
佐々木 ちなみに、花男さんを演じているのは女性の方です。ファンの方は花男さんが男性だと思って「キャー!」と言っていたんだと思いますが、なんで女性だとわかっているメンバーまで悲鳴を上げていたんだろう?(笑) このシーンでは、メンバーがそれぞれいろいろなポーズを取っていて面白かったです。
大場 撮影ではメンバーと花男さんがいるステージの周りを、カメラがすごいスピードでぐるぐる回っていました。
佐々木 「絶対にステージから落ちないように」と言われました。落ちてカメラとぶつかったら大変なことになってしまうので。
瀧脇 あと、花男さんの顔はCGで合成したものではなくて本物のお花でした。私のシーンは空からタロットカードが降ってくるというシチュエーションで、撮ってはカードを全部回収してまた上から降らせて……というのを何回も繰り返しながら撮影しました。
大場 私は花男さんとジャンプするシチュエーションで、試行錯誤しながら撮りました。
山本 メンバー1人ひとり、じっくり時間をかけながらこだわって撮っていただきました。
大谷 私のシーンは一発OKでした。
佐々木 ええっ!? 一発OKのメンバーってほかにいないんじゃない?
大谷 私の場合はキラキラの紙吹雪を回収するのが大変だから一発OKだったのかもしれない(笑)。スタッフさんが「めちゃくちゃいいよ! これでOK!」と言ってくださって、清々しい気持ちで撮影を終えました。
山本 あのシーンのみりにゃ(大谷)の笑顔、すごくかわいくて大好き!
──さいたまスーパーアリーナ公演ではMVのほか、「とくべチュ、して」のパフォーマンスもお披露目されました。
山本 最初からファンの皆さんがコールを入れてくださって、対応力のすごさに感動しました!
佐々木 パフォーマンスするときはすごく緊張しました。最初の「とくべチュ、して?」というセリフは、音源ではささやくように言っていますが、ライブだとその声量ではお客さんに声が届かないので、また違った言い方をしています。あとこれはメンバーへの提案なのですが、あのセリフ、いつか公演ごとにみんなで回さない?
山本 ええ!? 「とくべチュ選手権」みたいな企画で全員が順番に言っていくのならわかるけど、曲中のセリフはやっぱり舞香にやってほしいな。
佐々木 私はみんなのセリフを聞いて勉強したい! みんなの「とくべチュ、して?」が聞きたいです!
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舞香のウエディングドレス姿は直視できないくらい素敵