Travis Japan初インタビュー|初のCDシングルで表現するTJの新たな一面

宮近海斗、中村海人、七五三掛龍也、川島如恵留、吉澤閑也、松田元太、松倉海斗で構成される7人組ボーイズグループ・Travis Japan。マイケル・ジャクソンの振付師であるトラビス・ペインによるオーディションで選ばれ、卓越したダンススキルを武器に国内外で活躍している。そんな彼らにとって初のCDシングル「Say I do / Tokyo Crazy Night」がリリースされた。

表題曲はメンバーの宮近が主演を務めているドラマ「ホンノウスイッチ」の主題歌「Say I do」と、松倉の主演ドラマ「トーキョーカモフラージュアワー」の主題歌「Tokyo Crazy Night」。ストレートなラブソング「Say I do」、アーバンなダンスチューン「Tokyo Crazy Night」に加えて、シングルにはバラエティに富んだカップリング曲も収録されている。

音楽ナタリーでは休養中の川島を除く、宮近、中村、七五三掛、吉澤、松田、松倉の6人に初インタビュー。ニューシングルの聴きどころや開催中のアリーナツアー「Travis Japan Concert Tour 2025 VIIsual」の手応え、来るワールドツアーへの意気込みを聞くと、7人の強い結びつきとファンに対するあふれんばかりの感謝の思いが見えてきた。

取材・文 / 真貝聡撮影(P1) / 梁瀬玉実

王道ラブソングにキュンキュンして

──Travis Japan初のCDシングル「Say I do / Tokyo Crazy Night」を聴かせていただきました。大人っぽさも、キラキラも、無骨さも、楽曲ごとにさまざまなTravis Japanが詰まっていて最高でした。

七五三掛龍也 ありがとうございます!

宮近海斗 僕たちやスタッフさんも含めて、いろんな方々の思いが詰まった1枚になっています。もちろん、これまでの楽曲にもしっかりと思いを込めているので、その思いの強さは変わらないですけど、今回はフィジカルでシングルCDをリリースできるという部分で、ファンのみんなと“初めて”を楽しめるシングルだと思います。初めての経験をすることによって、自分たちの中でまた次の可能性も見えると思いますし、皆さんに愛してもらえる1枚になったらうれしいです。

Travis Japan

Travis Japan

──宮近さんが主演を務めているテレビ朝日系オシドラサタデー枠のドラマ「ホンノウスイッチ」の主題歌「Say I do」は、透明感のある柔らかいサウンドに、優しい愛の言葉が乗ったラブソングだと感じました。

宮近 Travis Japanが普段歌っているアプローチとは違った新しさがありつつ、僕たちらしい雰囲気も漂う絶妙なバランスの楽曲です。「ホンノウスイッチ」の主題歌ということで、ドラマともリンクする要素も魅力に思います。愛とか恋は形のないものだけど、TJ(Travis Japanの略称)が表現することで、その輪郭が見えたらうれしいです。

──最近のラブソングは、小説のように具体的な情景描写と物語性の高い楽曲が多いですが、「Say I do」はそれとは真逆のアプローチですね。

宮近 そうですね。聴く人によって思い浮かぶシチュエーションが違うんじゃないかなと思います。愛や恋はどこかふわっとしていて、端的に言葉では言い表せないけど、皆さんの素敵な気持ちに寄り添える楽曲だと思います。

松田元太 まず、リーダー(宮近)が主演するドラマの主題歌を担当させていただけることが、本当にありがたいです。ポップで明るくてかわいらしい楽曲ですし、ドラマの内容ともマッチした歌詞とサウンドがすごく魅力的で。TJの新たな一面をお見せできる楽曲になっていて、個人的にも大好きな1曲です。

七五三掛 歌詞がまっすぐなラブソングなので、ちゃか(宮近)のドラマを観ながら、この曲を聴いてキュンキュンしてもらえたらうれしいよね。

吉澤閑也 うん。初めて聴いたときは、すごくポップに感じましたね。それでいて今言ったようにキュンキュンする要素も入ってる。非常にバランスのいい素敵な曲だな、と思いました。

左から七五三掛龍也、吉澤閑也。

左から七五三掛龍也、吉澤閑也。

松倉海斗 すごく王道なラブソングだよね。「Say I do」は結婚式での誓いの言葉という意味も込められていて、とてもストレートでしっくりくるタイトルだと思いました。

中村海人 すごく聴きなじみのいい曲になっていると思います。歌いやすいので、カラオケなどで歌ってくれたらうれしいですね。

吉澤 振付に関しては、キャッチーで見ていて気持ちいい動きになっているので、ダンスもチェックしていただきたいです。

都会の夜を艷やかに表現

──もう1つの表題曲「Tokyo Crazy Night」は、松倉さんが主演を務めているABCテレビのドラマL枠の「トーキョーカモフラージュアワー」の主題歌で、艶っぽい歌声と、洗練された都会的なサウンドが印象的です。

七五三掛 「Tokyo Crazy Night」は「Say I do」とは全然違った魅力を持っていて。すごくクールでカッコいい楽曲です。

松倉 レトロ感が漂うシティポップな楽曲になっていて、こちらでも今までのTravis Japanにはなかった、新たな試みに挑戦させていただきました。ドラマの世界観に沿って当て書きをしていただいたんじゃないかな、と思うぐらい「トーキョーカモフラージュアワー」にマッチしています。

松田 ドラマの雰囲気にぴったりですし、「Say I do」と同じく「Tokyo Crazy Night」が加わることで、新しいアプローチが増えてさらにグループの魅力が高まったと思います。

左から松倉海斗、松田元太。

左から松倉海斗、松田元太。

吉澤 この曲を聴くと、夜の街を歩いてる情景が頭に浮かぶんですよね。その雰囲気が曲の構成だけでなく、ダンスにも反映されていて。都会の夜を想像しながらパフォーマンスを観ていただけたらうれしいです。ポイントで言うと、サビがかなりキャッチーで独特な振付になっていて。これをカッコよく踊れるのは、僕らしかいないんじゃないかなって。かなり大胆な振付なので、「どうしたらカッコよく踊れるんだろう」と研究していただきながらマネしてもらいたいですね。

七五三掛 シティポップでレトロ感のある曲調に合わせた振付になっているのと、途中でジャズっぽい動きもあって。僕はこの曲を聴いて、自分たちの事務所の歴史を感じました。先輩方が歌っていてもおかしくない曲でもあり、そこに今の時代を感じるエッセンスも加わっている。これをTravis Japanがパフォーマンスするのは、すごく意味のあることだなと思います。

──レトロ感が漂っているけど、決して古くないですよね。令和のダンスナンバーに昇華されている。

中村 そうなんですよね。この曲を聴いて、音楽もファッションも1周するんだなと感じました。僕は昔の音楽もすごく好きなんですけど、「Tokyo Crazy Night」はちゃんと今のニュアンスも注入されていて。「また新しいTJをお見せできる楽曲に会えたな」と思えたので、皆さんからどんな反応をいただけるのか楽しみですね。

──まず、タイトルから想像を掻き立てられますよね。

宮近 東京という街がどういったところなのかは、僕の生きている範囲でしか知らないですけど、いろんな思いが交錯するような場所だと思っていて。そういった“知りたい、ふれたい、見つけたい”という……(笑)。

吉澤 それ、V6さんの「愛なんだ」じゃん!

松倉 「Tokyo Crazy Night」は「押したり 引いたり じれったい Camouflage」だから。

宮近 ハハハ。東京で生きている人たちの人生や東京特有の忙しい雰囲気が、「Tokyo Crazy Night」のカッコいいメロディと歌詞にマッチしているなと感じます。何より聴いていてすごく気持ちがいい曲ですし、どんな振付になっているか楽しみにしていてほしいです。

収録曲で一番の色モノは

──表題曲のほか、「Be Your Shadow」(初回T盤収録)、「My Own Night」(初回J盤収録)、「Backup Plan」「O-Shan-Tee」(ともに通常盤収録)という4曲のカップリングも制作されました。楽曲が持つ個性も違えば、サウンドや歌のアプローチも違っていて。Travis Japanの音楽性をさらに拡張しているように感じます。

松倉 そうですね! CDの形態ごとにカップリング曲が入っていますけど、本当にジャンルがバラバラで、それぞれに聴き応えがあります。「Travis Japanってこんな魅力があるんだ」「こういうジャンルの曲も歌えるんだ」という驚きを体現できていたらいいなと思います。

吉澤 「カップリングはどの曲を入れようか」とみんなで話し合いをしました。皆さんの前で披露するチャンスが来たら、どんな反応をいただけるのかすごく楽しみです。

松田 うんうん。

吉澤 その中でも「O-Shan-Tee」がね、どう受け入れられるのか。今回のシングルで一番の色モノなので。

中村 カップリング曲を考えるにあたって、3曲はすんなり決まったんですけど、「もう1曲はどうしようか」と悩みました。僕たちの事務所の楽曲って、わりと、とんちが利いた曲も多いじゃないですか。今回は日本のファンの方に向けて出すシングルだから、「せっかくならとんちのある曲も入れたいよね」という話になり、その結果「O-Shan-Tee」が選ばれて。ほかに、お寿司を題材にした曲も候補にあったよね。

松倉 日本を感じる楽曲としてね。

中村 いろんな曲があったんですけど、その中で選ばれたのが「O-Shan-Tee」でした。

松田 ライブで披露できるのが楽しみで今からワクワクしていますし、ファンの方たちにも期待してほしいですね。

宮近 そうだね。多種多様な曲が並んでいるので、Travis Japanの表現の幅を楽しんでもらいたいなと思います!

左から中村海人、宮近海斗。

左から中村海人、宮近海斗。

──先ほど吉澤さんと中村さんから「みんなで話し合ってカップリング曲を選んだ」という話がありました。選曲するうえで決め手はなんだったのでしょう?

吉澤 「これをTravis Japanでパフォーマンスしたら、絶対によくなるよね」とイメージできるサウンドやリリックを軸に選ばせてもらいました。あとはインパクトを重視しましたね。歌割りもみんなで決めて、「O-Shan-Tee」だったら、一番ポイントになる歌い出しの「O-Shan-Tee」を誰が歌うのか……。

松倉 メンバーで話し合って、とにかくかなり練りましたね。

──確かに、あの第一声で心をつかまれました。

吉澤 そう! そこが一番大事だなと思いました。

──雰囲気が絶妙なんですよね。

吉澤 真面目に歌わないと面白くなりすぎちゃうし、そこの塩梅は大事でした。

──誰が歌い出しを担当するのか、どのように決めたんですか?

松倉 それは、まだお話しできないんですよ(笑)。歌割りの話し合いをしている模様は、面白いコンテンツとして公開する予定なので、ぜひ楽しみにしていてください。

偶然生まれた僕たちの味

──今回のシングルは「Tokyo Crazy Night」「My Own Night」「Be Your Shadow」「O-Shan-Tee」など、夜をモチーフにした楽曲が多いと思いました。

七五三掛 あー、確かに!

宮近 それは意識してなかったね!

中村 言われたら、夜の曲が多いね。

松倉 確かにそうか。今回の楽曲に限らず「T.G.I. Friday Night」(2024年3月リリースのシングル曲)も夜の曲だし、これはなんでだろうね?

──「DRIVIN' ME CRAZY」「The Show」「Golden Girl」もそうですよね。

松田 面白いね。ただ、夜にフォーカスする意識が、僕ら自身にはなかったんですよ。そこは新しい発見ですし、偶然生まれた僕たちの味でもあるなって思いますね。

吉澤 すべての曲を自分たちで決めているわけではなくて。もちろんメンバーで決めることもあれば、レーベルが決めてくださることもある。そこがたまたまナイトだったっていう。夜は好きだけど、昼っぽく歌ったら昼っぽくなりますし(笑)。

松倉 昼っぽく歌う、って何?

一同 ハハハハ。

吉澤 夜だったらちょっとクールな感じでさ。

中村 「T.G.I. Friday Night」とかはね、ライブの演出や歌い方によっても曲の表情が変わるから。

吉澤 そう! 感じ方も違ってくる。