ICExの5thシングル「理想郷」が2月26日にリリースされる。
今年3月31日に結成3年目を迎えるICEx。伸び盛りの彼らが放つ5thシングルには、テレビアニメ「RINGING FATE」のオープニングテーマである表題曲をはじめ、形態ごとに異なるカップリング曲が収録される。表題曲は新たな“レトロトイポップ”を感じさせる挑戦的なサウンドで、ICExの新たな一面を垣間見ることができる。音楽ナタリーではICExにインタビューし、「理想郷」のレコーディングエピソードや現在開催中のライブツアー「ICEx Second Concert Tour 2025 "ROUTE-8"」について話を聞いた。
取材・文 / 小松香里撮影 / YOSHIHITO KOBA
アニメ「RINGING FATE」とリンクした「理想郷」
──5枚目のシングル「理想郷」の表題曲はアニメ「RINGING FATE」のオープニングテーマで、“メカを操縦して戦う”というアニメの設定が反映されたような歌詞やクールなサウンドが印象的です。「RINGING FATE」は観ていますか?
筒井俊旭 観てます! まず作画がめっちゃ好きで、キャラクターはかわいいのにメカがすごくカッコよくて、そのギャップにも惹かれます。ストーリーもすごく面白くて毎回続きがめちゃくちゃ気になる。自分たちの曲が使われているということを抜きにしても毎回楽しませていただいています。
阿久根温世 とっしー(筒井)が言ったように次の展開がすごく気になるんですよね。そこに「理想郷」がすごくハマっていて。オープニングテーマだけじゃなくて戦闘シーンでも流れるんですが、観ていると自分の闘争心も刺激されます。感動するアニメでもあるのでぜひたくさんの人に観てほしいですね。
──「理想郷」のデモ音源を聴いたときはどう思いましたか?
竹野世梛 「ものすごくカッコいい曲だな」と思いました。そしてレコーディングで完成度がより高くなったなと。メンバーそれぞれの声の魅力も出ているし、振りも含めてとてもカッコいいです。
八神遼介 ICExにとって挑戦的な楽曲です。3rdシングルでは表題曲を「ビリミ」にして、これまでとは違うカッコよさに挑みましたが、「理想郷」は「ビリミ」とはまた違ったカッコよさがあるので聴き比べてほしいです。
中村旺太郎 テレビアニメ「RINGING FATE」のオープニングテーマになると聞いたあとに、完成した「理想郷」の音源を聴きました。「アニメでどんなふうに使われるんだろう?」と思って曲を聴いたんですが、いざアニメを観てみたら「理想郷」が流れるシーンで、ストーリーの続きが気になるようなワクワク感が生まれているなと思いました。
志賀李玖 アニメと歌詞がリンクしていて、振付にもロボットをイメージする動きがあったり、時計の針を表していたり、聴いても楽しいし見ていても楽しい曲だと思います。
千田波空斗 デビュー曲の「CANDY」からスタートして、毎回難しさがレベルアップしている感覚があります。「理想郷」の振りもすごく難しくて。1Aか終わって曲調が変わるタイミングで振りもガラッと変わるところが好きです。
山本龍人 今リリースイベントで「理想郷」を披露していますが、曲の頭で僕が動き出してからみんなが動くパートがあったり、自分のソロのパートがあったりして、「自分が『理想郷』を引っ張っていくぞ」という気持ちで毎回がんばっています。
阿久根 龍人はダイナミックなダンスでみんなを引っ張ってくれていますね。でも「僕たちも負けずに輝くぞ」という思いがあるので、パフォーマンスを観てくれている方にもそれが伝わっていればうれしいです。ダンスだけを取ったら龍人には勝てないので僕は表情管理の部分でがんばってます。観てくれたらそれがわかると思うので、ライブにぜひ来てほしいです。
表情管理の引き出し
──表情管理で参考にしている方はいますか?
阿久根 最近はK-POPのアーティストの方の動画をよく観ています。いろんな表現を持っているアーティストがいる中、K-POPの方は特にセクシーな表情がとてもうまいなと。そのまま真似するというよりは引き出しを増やすために参考にさせてもらっています。
竹野 僕も温世くんと同じでK-POPのアーティストを参考にすることが多いですね。
山本 僕はEBiDANの先輩である原因は自分にある。の長野凌大くんの表情を参考にさせてもらっています。ライブでの表情管理がうまくて、しっかり曲に没入してる印象があります。デビュー曲の「原因は自分にある。」での振り返ったときのキメ顔とか、表情の切り替えが誰よりもうまいし神秘的ですらある。昔「EBiDAN THE LIVE」で先輩の曲をカバーする機会があって凌大くんのパートを担当させていただいたことがありました。僕が緊張してたら凌大くんが「心の底から楽しめば大丈夫だよ」という温かいアドバイスをくれてうれしかったです。
千田 僕は曲にグッと入り込みたいタイプなのでかわいい曲ならかわいい表情、カッコいい曲ならカッコいい表情っていうふうにキャラを一変させています。曲によって頭の中で想像した自分を再現していますね。「理想郷」はパワフルな歌詞が印象的な曲なので、ずっと誰かを睨んでいるんじゃないかというくらい目力を強くするように意識しています。TOMORROW X TOGETHERのYEONJUNさんとかaespaの皆さんとか好きなアーティストの表情を真似してみることもあります。
筒井 僕は誰かを参考にしてるわけじゃなくて、その曲にしか出せない表情、自分にしか出せない表情があると思っているので、曲から感じたことをそのまま表現をしています。
八神 僕はメンバーと相談する中で「ここはこういう表情をしよう」っていうふうに決めたところ以外はライブや曲の雰囲気に合わせてやっていますね。
千田 八神の笑顔は表情豊かでめちゃくちゃ好きです。
八神 ぜひライブで観てください!
千田 みんなライブに来させようとする(笑)。
中村 僕は普段から日本のアーティストやK-POPのアーティストの表情を参考にしながら、自分で鏡を見て研究していて。そのたくさんの引き出しの中から、リハのときにどれをどう出すかっていうことを考えています。
志賀 自分もK-POPが大好きなのでチッケム(メンバー個人にフォーカスした映像)を観て「この表情のときにお客さんがすごく沸いてるな」と参考にさせてもらっています。
メンバーの新たな魅力
──「理想郷」のパフォーマンスでメンバーの新たな魅力を感じた部分はありますか?
阿久根 ダンスパートで八神が真ん中に立ってるとき、カッコよくない?
山本 八神をメカに見立てて、僕と旺ちゃんが両脇から八神に腕のパーツをはめるような振付があって。
阿久根 あそこの八神は新しいよね。
筒井 生き生きしてる。
山本 そのままラストのサビ前のソロパートに入るところもカッコいいよね。
八神 みんながそう言ってくれるなら、もっとがんばらないといけないなと思いました。
竹野 僕はラスサビに入る前に千田さんがセンターに立って歌唱力を発揮しているところが一番好きです。千田さんのきれいな声も目立つし、その歌に合わせて僕らがちょっと浸っている感じが一体感があっていいなって。そのあとまたサビにいくときに全員が1カ所に集まっていく流れも好きです。
八神 千田くんにしか出せない高音のパートを任されて、ちゃんと決めるところがすごいなと思います。
竹野 本当に鳥肌立つ。
山本 迫力があってね。
筒井 きれいなハイトーンの歌声が響くからこそ、ラスサビにテンション高く持っていける。助かります。
千田 自分の取り柄の高音をがんばって伸ばしてきたので、今回のパートで最大限に生かせたのはうれしいです。もっとがんばりたいですね。僕は、いつもにこにこしているとっしーがカッコいい曲をパフォーマンスしてるときの表情が好きなんですけど、「理想郷」のとっしーの表情もめっちゃ好きです。これまでとはまた違うカッコいい面が見れる。
筒井 ポップな曲では笑顔を浮かべてパフォーマンスしていますが、カッコいい曲はカッコいいほうに振り切って世界観に浸るようにしています。「ここはこういう表情で」と決めてるわけじゃくフィーリングでやっているところが多いので、そう言ってもらえてうれしいです!
山本 ホントにうれしそうだね(笑)。
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スパドラ・ジャン海渡の丁寧なディレクション