“没入型”の音楽家・大橋トリオが語る、オープンイヤー型デバイス「耳スピ」

コロナ禍以降、暮らし方・働き方が変化し、イヤフォンやヘッドフォンの長時間使用が当たり前になっている昨今。あなたはどんな形状のデバイスを使用しているだろうか。

NTTグループの音響ブランドnwm(ヌーム)が展開するシリーズ「耳スピーカー」、通称「耳スピ」は、イヤフォン / ヘッドフォンすべてが耳をふさがないオープンイヤー型デバイス。まるで耳元にスピーカーがあるような開放的なデザインだが、NTTの独自技術により、音漏れを気にすることなく臨場感のある音質を楽しめる。

この耳スピを、プロの音楽家が使用したらどう感じるのか? 音楽ナタリーでは、ストイックに上質な音楽を生み出し続けている大橋トリオに試用を依頼。その音質や使用感、日常で活躍しそうなシーンなどを率直に語ってもらった。さらに、バンド編成ライブやコラボレーションでさまざまなミュージシャンと関わり合っている彼に、nwmが掲げる“共存”というコンセプトに対する印象も聞いた。

取材・文 / 森朋之撮影 / 須田卓馬

nwm(ヌーム)とは?

「nwm」ロゴ

変化するライフスタイルの中で自分と周囲の世界をシームレスにつなぐために生まれたNTTグループ初の音響ブランド。“共存(Co-being)”をコンセプトに、オープンイヤー型製品を開発している。

「耳スピ」とは?

ヘッドフォン / イヤフォンなのに、まるでスピーカーのような体験ができるオープンイヤー型の製品シリーズ「耳スピーカー」、通称「耳スピ」。長時間の使用でも疲れにくく、周囲の音が聞こえることが特徴で、通勤・通学、オンライン会議、通話、音声ガイド、動画視聴、ワークアウトなど幅広いシーンに適応。耳をふさがないのに音漏れを抑えるNTT独自の「PSZ(パーソナライズドサウンドゾーン)」技術により、周囲を気にすることなく満足のいく音質・音圧を楽しめる。また「nwm ONE」「nwm DOTS」のマイクには周囲の音をカットして自分の声だけを届けるNTTの特許技術「Magic Focus Voice」が搭載されている。

大橋トリオ インタビュー

周囲の音が自然に耳に入ってくるほうが安心できる

──大橋さんは普段、イヤフォン、ヘッドフォンをどのように使っていますか?

BGMとして音楽を聴くことはほとんどなくて、制作や選曲のときに使うことが多いですね。J-WAVEのレギュラー番組(「THE UNIVERSE」)で流す楽曲を毎週20~30曲くらい選んでいるのですが、その際、スピーカーではなくイヤフォンかヘッドフォンで聴いていて、音楽制作のときはヘッドフォンがメインです。どちらも長時間使うので、耳がかなり疲れるんですよ。

──集中して音楽を聴くことが多い、と。

そうですね。僕の場合はどちらかと言うと“没入型”かもしれません。しかもイヤフォンの場合、耳の形のせいか、カナル型がうまくハマらなくて。インナーイヤー型を手で押さえながら使っているんですが、かなりストレスなんですよ。

大橋トリオ

大橋トリオ

──大橋さんに試用していただいた「nwm」のヘッドフォンとイヤフォンはオープンイヤー型。まるでスピーカーで聴いているようなリスニング体験ができる「耳スピーカー」(耳スピ)というシリーズです。

外の音を自然に聴ける、そして音漏れしにくい、言わば“逆ノイズキャンセル”ですよね。

──オープンイヤーだと音漏れが気になるかもしれませんが、耳スピはNTTが開発したPSZという技術で音漏れを抑えているそうです。ドライバー(音の出口)から一定距離のところで逆相の音波を当てることで、音波同士を打ち消し合い、周囲への音漏れを抑えることが可能なのだとか。

すごい技術ですよね。村上春樹さんの小説「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」に“音抜き”(声や自然音を消す技術)というものが出てくるんです。以前から「これ、本当に可能なのかな?」と思っていたんですが、PSZ技術はそれに近いのかも。オープンイヤー型の製品はあまり使ったことがないので、とても新鮮でした。例えばリビングで選曲しているときに耳スピを使えば、周囲にいる家族の声も聞こえるので、いいかもしれないですね。移動中、新幹線の中でも、音漏れを気にせずにエンタメが楽しめると思います。

「nwm DOTS」マスタードイエローを装着した大橋トリオ。「nwm DOTS」は付属の専用チップを付け替えることで自分に合った装着感が得られる。

「nwm DOTS」マスタードイエローを装着した大橋トリオ。「nwm DOTS」は付属の専用チップを付け替えることで自分に合った装着感が得られる。

──Podcastや音楽を聴きながら家事をして、同時に家族とコミュニケーションも取る、という使い方もできそうです。

自分にはそういう状況はあまりありませんが、確かに便利そうですよね。周りの音が聞こえてくる安心感ということでは、外で使ったときにより実感できるかもしれません。最近はノイズキャンセル機能を使って音を遮断しながら外を歩いている人も多いと思いますが、やはり周囲の音が自然に耳に入ってくるほうが安心できるんじゃないかなと。先ほども言ったように自分は“没入型”なので、制作や選曲では音楽に入り込めるイヤフォンなどを使い、日常では耳スピという具合に使い分けるのがいいかもしれないです。

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気になる音質は?