「STUDIO HISASHI with Anime」特集|HISASHIが掘り下げる、唯一無二のアイナの魅力

アニメに造詣が深いGLAYのHISASHI(G)がナビゲーターとなり、新たな作品との出会いを視聴者に提供するアニメ紹介番組「STUDIO HISASHI with Anime」。アニメ専門チャンネル・AT-Xの動画配信サービス「AT-DX」で月2回のペースで配信されているこの番組の第20回と第21回にアイナ・ジ・エンドが登場する。

以前より親交のあるHISASHIとアイナ。番組ではBiSH時代からアイナの活動を追ってきたHISASHIが、彼女のこれまでのルーツやアニメ主題歌の制作に対する向き合い方を掘り下げている。音楽ナタリーでは収録後にインタビューを行い、お互いの印象について改めて語り合ってもらった。

取材・文 / 中野明子収録レポート / 中川麻梨花撮影 / 入江達也

「STUDIO HISASHI with Anime」はAT-DXにて配信中。

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「STUDIO HISASHI with Anime」
#20、#21 収録レポート

今回はBiSH初期からのファンだったHISASHIにとって“推し”とも言える存在、アイナ・ジ・エンドが登場。アイナはスタジオに現れるなり、前回HISASHIに会ったときに渡された“レジェンドならではのプレゼント”を明かす。アイナがWACK合宿オーディションに参加していた当時から、ニコニコ生放送でオーディションの行方を追いかけていたというHISASHI。2人は毎日24時間配信されていたWACK独特の過酷なオーディションの思い出話に花を咲かせる。また、当時自分の声に自信がなかったというアイナは「実は救われていて……」と、HISASHIのSNSの書き込みに励まされていたことを振り返る。

左からアイナ・ジ・エンド、HISASHI。

左からアイナ・ジ・エンド、HISASHI。

HISASHI

HISASHI

「俺、チラッと聞いたことがあるんだけど、上京したタイミングもすごく大変だったんだよね?」とHISASHIに話を振られ、アイナは家賃を払えずに東京の街をさまよった下積み時代を回顧。さらにアイナは80人キャパシティのライブハウスから5万人規模の東京ドームまでたどり着いたBiSHの“夢物語”、そしてソロアーティストとして歩み始めてから身に染みたメンバーのありがたみについて感慨深げに話す。ゲストが大切にしているアイテムを紹介する恒例コーナー「思い出ライナーノーツ」では、「6歳のときからずっと一緒にいる」というアイナの“相棒”が登場。その相棒に関連した、アイナの得意のモノマネも飛び出す。

左からアイナ・ジ・エンド、HISASHI。

左からアイナ・ジ・エンド、HISASHI。

アイナ・ジ・エンド

アイナ・ジ・エンド

「機動戦士ガンダム 水星の魔女」や「薬屋のひとりごと」といった話題作のテーマソングを担当してきたアイナは、楽曲の制作エピソードも披露する。HISASHIは「すごいよね、この曲! 狂ってるのよ!」と、「劇場版モノノ怪 第二章 火鼠」の主題歌「花無双」の構成を分析。「イントロを付けてみたんだよね」と切り出すとギターを手に取り、原曲のピアノアレンジとは異なる、ロックミュージシャンらしいイントロのコード進行とフレーズを提案する。

左からアイナ・ジ・エンド、HISASHI。

左からアイナ・ジ・エンド、HISASHI。

「STUDIO HISASHI with Anime」恒例のセッションコーナーでは「花無双」と「薬屋のひとりごと」第1期エンディングテーマ「アイコトバ」の2曲が披露された。聴き手の心が震えるような唯一無二のアイナの歌声に、HISASHIは楽曲の世界観を汲み取った情緒的なギターアレンジで寄り添う。

アイナ・ジ・エンド

アイナ・ジ・エンド

HISASHI

HISASHI

HISASHI&アイナ・ジ・エンド インタビュー

ロックのイメージを変えてくれたGLAY

──初めてセッションしてみていかがでしたか?

アイナ・ジ・エンド GLAYさんと言ったらレジェンドすぎる存在だし、セッションするとなったらピリピリした空気になるのかなと思っていたんですが、すごく穏やかに始まって。でもHISASHIさんのスイッチが入っているのがはっきりわかったので、「すごいな、カッコいいな」と思いました。HISASHIさんのギターを耳でも体でも味わえて、めちゃくちゃ楽しかったです。

HISASHI アイナちゃんの歌は幼い頃から聴いてきたR&Bと、BiSHで歌ってきたロックの影響がいい形で混ざっていて、多くの人に好まれるシンガーだなと思ってたんです。一緒にセッションをして改めてそれを感じられたし、想像以上に楽しかったですね。

アイナ 私、昔GLAYさんのライブに行ったことがあって。HISASHIさんがギターを弾いている姿を観て、「生のエネルギー、ヤバ」と思ったんですよね。あれから私、自分がギターを弾くときはHISASHIさんのギターを弾いているポーズや立ち振る舞いを真似してて。でも全然できない(笑)。

アイナ・ジ・エンド

アイナ・ジ・エンド

──アイナさんは今30歳なので、GLAYがデビューされた年に生まれたんですよね。つまり、物心ついたときにはGLAYが存在する世界だったと思うんですが、もともとGLAYの印象というのはどういうものでしたか?

アイナ 初めてGLAYを見たとき、「髪型、めっちゃカッコいい!」と思ったのを覚えていて。小学校低学年、自我が芽生えた頃だった気がしますね。

HISASHI たぶん2000年頃だよね? ちょうど忙しすぎて俺ら解散するかどうか迷ってた時期だ。

アイナ えー!? そうなんですか。

左からアイナ・ジ・エンド、HISASHI。

左からアイナ・ジ・エンド、HISASHI。

HISASHI ちなみに当時は雨にも風にも雪にも耐えうる髪型にしてました(笑)。

アイナ いろんなヴィジュアル系のバンドさんがいる中で、GLAYは抜きん出てカッコよかったし、こだわりが感じられて。あと私がその頃抱いていたロックのイメージって、パキパキして前のめりなものだったんですが、GLAYさんはなだらかでありながら深さも妖艶さもあって、全然違ったんです。テレビ越しでしたが、新しいロックの形を知るきっかけになりました。