上坂すみれ「天国」で“選民”脅し、「地獄」でブラジル国旗をはためかす

2015年2月10日 23:56 383 30 音楽ナタリー編集部

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1月31日、東京・2.5Dスタジオで上坂すみれのイベント「天国LIVE」と「地獄LIVE」が行われた。

上坂すみれ「地獄LIVE」の様子。

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上坂すみれ［拡大］

「天国LIVE」「地獄LIVE」は上坂のシングル「閻魔大王に訊いてごらん」のリリース記念イベント。シングル特設サイトで公開されているビデオクリップを視聴し、Twitterに指定の文言を投稿した上坂ファン、通称”同志諸君”のうち、抽選で100余名ずつが、当日2.5Dで行われた「天国LIVE」と「地獄LIVE」というセットリストや演出の異なる2つのミニライブのいずれかに招待された。

天国LIVE

同志が手にした“ゲバルトの赤い棒”ことウルトラレッドのペンライトの光があふれ、オープニングSE「予感02」が爆音で鳴り響く2.5Dに白のワンピース姿で登場した上坂はライブのタイトル通り、天使モード。「天国の皆さん、おめでとうございます」「あなた方は現世での善行を認められ、無事天国に召されることになったのです」と同志諸君に優しげに語りかけると「天国LIVE」の1曲目「サイケデリック純情」を歌い出した。

同志の言葉にキレる上坂すみれ。［拡大］

「生産！」「団結！」「反抑圧！」を三唱する上坂すみれ。［拡大］

しかし「サイケデリック純情」の終了時こそ上坂は「ありがとう、ありがとう」「なんて心の清い同志なんだろう」と続けたものの、直後のMCではあっさりキャラ崩壊。「このリア充の街・渋谷にましますPARCOにお越しの皆さま、ズドラーストヴィチェ！」と挨拶したかと思えば、「あれ？なんかおかしいな」と小首をかしげつつ「渋谷のスクランブルを眺めてみますと、なんて汚ねえ人類が多いことだろう」「ここに集まられた皆さまは、すべてを見下す選民の皆さま」と、およそ天使らしからぬフレーズを連発する。さらに「来たれ！暁の同志」をパフォーマンスしたのちには「かわいいよ！」コールを送り、彼女を照れさせる同志を「落とすよ、地獄に！」「そういうことを言う人を順にハスの花から血の池に落とすメソッドができあがってるんだから」と恫喝。またミネラルウォーターを手に呈した「ウォッカをステージドリンクにしているアーティストっていないのかな？」との疑問を同志に「ノドに悪い」と一刀両断されれば「もう次の曲に行きますよ！」と逆ギレ。フロアが爆笑に包まれる中「閻魔大王に訊いてごらん」をドロップした。

そして「PARCO6階の客どもに我々のスローガーンを聞かせてやろうではないか！」と、上坂と同志の集団・革命的ブロードウェイ主義者同盟のスローガン「生産！」「団結！」「反抑圧！」を三唱したところで「天国LIVE」は最終盤に。「げんし、女子は、たいようだった。」を歌い、同志諸君と記念撮影を済ませた上坂は、ロシア語で“万歳”を意味する「Ура！」を三唱して「解散！」と“天国”の終わりを告げた。

地獄LIVE

「地獄LIVE」での上坂すみれ。［拡大］

数時間後に行われた「地獄LIVE」での上坂は「天国LIVE」から一転。オープニングSE「予感02」が爆音で鳴り響き、フロアに“ゲバルトの赤い棒”の光があふれかえる中、黒いワンピース姿で登場するや、野太い声で「ハーッ、ハッハッハッ！」「地獄に堕ちた亡者ども、ズドラーストヴィチェ」と挨拶すると「この薄暗い部屋でお前たちの罪を1つひとつ、洗いざらい暴いていくから覚悟しろー！」と同志を煽る地獄の番人モードでイベントをスタートさせる。

「キャラメル桃ジャム120％」を歌う上坂すみれ。［拡大］

しかし、そのキャラクターがあっさり崩壊するところは「天国LIVE」と同じ。「ツラい……」とボヤきつつも「閻魔大王に訊いてごらん」こそ歌い上げたものの、地獄の番人モードの自身の声が、親交のある声優・大橋彩香に似ていると同志に指摘されるや、その大橋のモノマネと、大橋との共演作「アイドルマスターシンデレラガールズ」の収録スタジオでの裏話に夢中になってしまう。

「冥界通信～慕情編～」を歌う上坂すみれ。［拡大］

さらにアニメ「鬼灯の冷徹」で自身が演じたピーチ・マキ名義の楽曲「キャラメル桃ジャム120%」と、人間椅子・和嶋慎治（G, Vo）作詞・作曲・編曲の「冥界通信～慕情編～」を歌う。そして、天国らしさに欠いた「天国LIVE」終了後「『地獄LIVE』では地獄っぽいことをしなくちゃ」と一瞬慌てるも、その後は昼食をとって昼寝していたことを告白。「地獄っぽいことってなんだろう？」と“番人”らしからぬ言葉を繰り出した。

結局同志から「懺悔！」との提案をされた上坂は、フロアの同志こと“亡者”を1人ひとり指名しては、その罪を暴き立てる告白タイムをスタートさせることに。最初に指名された亡者の罪は「外回りの営業に出たフリをしてソーシャルゲーム『Ingress』に興じていた」というもの。これを「地獄に落とすほどではないかな」と寛大な心で許した彼女だったが、2番目の亡者が「ある年のバレンタインデー、2時間おきにいろんな女の子と会う約束をとりつけたことがある」と語り出すや、親指を立てた左手で首を斬る動作。「あなたはGo to Hellです」「業火に焼かれてください」と笑顔で断罪してみせた。

ブラジル国旗を手に入れた上坂すみれ。［拡大］

「小学校時代、今も親友として付き合っている女性に噛み付いたことがある」と自らの罪も告白し、「地獄LIVE」、そしてこの日の2.5Dでの全イベントのラストナンバーとなる「七つの海よりキミの海」をパフォーマンスした上坂は、2年前のデビュー発表イベントでも、とある同志が振っていて話題となったブラジル国旗を手にした同志をフロアに発見。さっそく借り受け「生産！」「団結！」「反抑圧！」のスローガンと「Ура！」を三唱すると、そのまま国旗を譲り受け“地獄”をあとにした。