デビュー当時より、「EBiDANで一番おしゃれなグループ」というコンセプトを掲げていたLienel。それから約3年、彼らはスタイリッシュなダンスや歌声でLien(Lienelファンの呼称)を魅せながら、いわゆる“トンチキソング”のレパートリーも増やし続け、「おしゃれ」の意味はいつしか広義のものとなっていた。
そんなLienelの1st EPは「Osyan」(おしゃん)と名付けられた。本作には綾小路 翔(氣志團)プロデュースによるリード曲「羅武が如く~恋の風林火山~」や、グループ初のユニット曲、先行シングルである王道アイドルソングなどが収められている。
音楽ナタリーでは、綾小路との制作エピソードや、“江戸パリピ”のシーンが印象的なミュージックビデオ撮影、常に付いて回る宿命的な言葉である「おしゃれ」に対する現在の解釈について、6人にたっぷり話を聞いた。
取材 / 三橋あずみ文 / 湯澤穂波撮影 / 堅田ひとみ
本当におしゃれだったら自分で言わない
──「Osyan」のタイトルには結成当初のコンセプトである「EBiDANで一番おしゃれなグループ」に原点回帰し、Lienel流の“おしゃれ”をお届けするというメッセージが込められているそうですね。
近藤駿太 本当におしゃれだったら、自分でおしゃれだって言わないと思うんですよ。
一同 (笑)。
武田創世 「おしゃん」なんて、余計言わないよな。
高桑真之 確かに。
──その「Osyan」のリード曲が、綾小路 翔(氣志團)さんプロデュースのヤンキーチックでエネルギッシュなナンバー「羅武が如く~恋の風林火山~」というのも意外性がありました。ツアー「Miracle」で特攻服を着ていたのは、このタッグの伏線だったのでしょうか?(参照:6人の進化示すステージから“暴走天使”たちの狂騒へ─Lienelが初の東名阪ツアーで起こした「Miracle」)
高岡ミロ そのときは僕たちは全然知らなかったんですよ。スタッフさんは知っていたのかもしれませんが。
近藤 実際どうなんですか?
スタッフ あれは全然関係ないんですよ。偶然で。
一同 えー! すご!
高岡 たまたまなんだ!
近藤 僕らが知ったのはメンバー全員で一緒にいるときで。スタッフさんが動画を回しながらカンペみたいなものを渡してきて、それをめくったら「綾小路 翔さんプロデュース」と書いてあったんです。すごくびっくりしました。
森田璃空 まさかすぎた。
──皆さんはこれまで、翔さんにどんなイメージを抱いていましたか?
高桑 ヤンキーです。
近藤 僕はDJ OZMAさんのイメージです。
武田 僕はやっぱり「One Night Carnival」のイメージ。
──「One Night Carnival」は皆さんが生まれる前の2001年にリリースされた曲ですが、なじみがあるんですね。
武田 知ってます。
芳賀柊斗 翔さんに対してはお優しい方というイメージがあったのですが、実際にお会いしてホントに優しいんだ!と思いました。テレビで観るときのまんま、なんなら裏のほうがもっと優しいぐらいで、すごいなと。
森田 翔さんはオーラがすごかったです。やっぱりヤンキーのイメージで、怖いとは言わないまでも、けっこうクールなのかな?と思っていたら、こんなに優しいんだ!?って。なんだかうれしくなりました。
近藤 優しすぎて逆に怖かったです。
氣志團からLienelへの伝承
──レコーディングは翔さん立ち会いのもと行ったんですか?
高岡 はい。翔さんから、この曲は「1つの小さなミスにも怯えながら生きている世界で、お互いのことを認め合って、愛し合っていこうじゃないか」というポジティブソングだと教えていただきました。翔さん、創世の歌を大絶賛で。「直すとこない」と。
武田 期待に応えなきゃと緊張しながら、やったことがないような歌い方をぶっつけ本番で録ったので不安でしたが、褒めていただけてうれしかったです。「動かざること山のごとく」という歌詞の部分は「もうちょっと落ち着いた感じでいい」とアドバイスをいただいて。時間的には短かったんですけど、いろんなことを学びました。
高岡 僕らの“ケツ持ち”に就任していただいたので、なんかあったら守ってもらおう(参照:天下無双のLienel、新曲は綾小路翔プロデュース!「バチバチに尖った曲を作っています」)。
芳賀 コッチには翔さんがついてるからな!って。
高岡 「Ah-hoo!」も歌わせてもらって、うれしい限りです。
近藤 僕らも「Ah-hoo!」の本家になれたということで。
高岡 本家は氣志團さんだから!
──「Ah-hoo!」もしっかりと伝承されているんですね。レコーディングで意識したことは?
高桑 僕はがなりみたいなオラオラ感を出すことを意識しました。歌声が弱くなりがちなので強く声を出しました。
近藤 ミロの歌い方は、もろジャイアンです。
一同 あははは!
高岡 「オラオラ感を出してください」と言われて全力でやった結果です。レコーディングした声を最初に聴いたときは自分でもジャイアンだと思いました(笑)。
近藤駿太が“日本の総長”に
──「羅武が如く~恋の風林火山~」で心に響いた部分や、グッときたフレーズを教えてください。
武田 サビがとにかくいいんですよ。
近藤 サビの歌詞、いいよね。
武田 歌詞もいいし、歌いながらテンションが上がる。サビはソロではなくユニゾンになっているので、ほかの5人との仲間意識を感じながら歌えるんです。初めての不思議な感覚でした。
高岡 思わず肩を組んで歌いたくなります。
近藤 あとは、「〇〇の如く」というフレーズがたくさん入っているので、「如く」で今年の流行語大賞を狙ってます。
──キャッチーですよね。振付はどなたが担当されたんですか?
高岡 Lienelの曲の振付を多く担当してくださっている方です。僕たちがイメージする振りと作ってくださった振りは、いい意味で全然違っていたんですよ。最初に振付の映像を観たとき、みんなで大絶賛でした。
森田 Lienのみんながマネしやすいような振りがありますし、パラパラみたいな動きが入ったと思ったら、バイクでブーン!みたいな動きもあって。ギャップが面白おかしいダンスになってます。
武田 Lienelっぽい部分も、超特急さんっぽい部分もある気がする。あと最初に駿太が総長になりきって、僕とさねとミロで持ち上げるんですよ。
高岡 俺らがバイクになるんだよね。
武田 そうそう。そこは瞬きせずに観てもらいたいです。
近藤 イントロから「これから何が始まるの? サーカス?」と引き込まれると思います。
──駿太さん、そのバイクに乗ってみての感想は?
近藤 もうちょい安定感が欲しいです。
武田 うるさいなあ!
森田 あはは!
近藤 振付でメンバーの上に乗る役はこれまで創世が多くて。僕は初めてですが、いい景色ですね。俺が日本の天下を取ったぞ!みたいな気分になります。
──日本の総長に(笑)。ちなみに氣志團リスペクト的なダンスも?
武田 はい。「Ah-hoo!」のパートが氣志團さんリスペクトの振付になっているんです。
高岡 「One Night Carnival」とポーズも同じです。ここまで許してくれる氣志團さん……ありがとうございます! やっぱりヤンキーって優しいですね。
芳賀 ホントにそうだよね。
学生たちがタイムスリップ、なぜか“江戸パリピ”に
──「羅武が如く~恋の風林火山~」のミュージックビデオは時代劇のセットで撮影したそうですね。
高岡 そうなんですよ。僕たちは弱々しい学生なんですけど、ひょんなことから“リーゼント亀”に出会い、江戸にタイムスリップしたらなぜかヤンキーになっているんです。NHKの朝ドラとか、大河ドラマのような本格的な江戸時代風のセットで撮影しました。
武田 エキストラさんも含め、今までの比にならないぐらいの人数の方々が協力してくださって、なんかもう常にびっくりしてました。周りを見渡すと、撮影のために動いてくれてる人がいっぱいいて、ありがたかったです。
芳賀 そして、大寒波が……ね。
近藤 めっちゃ寒かった。
芳賀 前日の夜に雪が降っちゃって、通学のシーンは真っ白な景色の中でホッカイロを貼りながら撮影しました。
高桑 撮影が終わってすぐ、暖かい車に駆け込んで救われました。
高岡 あと印象的だったのは、江戸の街がいきなりカオスなクラブ状態になって、“江戸パリピ”たちと踊ったシーンかな。
一同 江戸パリピ(笑)。
近藤 あのシーン、MVで使われるのは最初のほうだから、意味がわからないと思う(笑)。
武田 確かに。僕たちの後ろで、大勢のエキストラさんが同じ振りを一緒に踊ってくださって。そういうMVに憧れていたのでうれしかったです。
近藤 「Curry on love」(2024年8月発表の4th両A面シングル「Curry on love / ギラサマ」表題曲)ではインドの方に踊ってもらったよね。
武田 そうだね。それはインドバージョンで、今回は江戸パリピバージョン。
高岡 エキストラさんを呼ぶときのクセがすごいなあ(笑)。
──“江戸パリピ”という気になるワードが出ましたが、MVはどんなストーリーなんですか?
高岡 江戸にタイムスリップした僕たちが、悪い人たちに立ち向かって……。
武田 ボロ負けするっていう。「勝つシーンはいつ撮るんだろう?」と思ってました。
森田 確かに(笑)。負けて終わりだったね。
近藤 現代に帰ってきた場面を最初に撮ったんですけど、そのときは勝った感じで演技しちゃってたよね。
武田 そうそう。自信がついた感じで!と言われたので、勝つのかと思ったら(笑)。
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Lienelが世に知らしめたい“羅武”なもの



