THE BEAT GARDENインタビュー|ドラマ「元科捜研の主婦」主題歌で示す、ロックの香りもする柔らかいJ-POP

THE BEAT GARDENの11thシングル「エレメント」がリリースされた。

表題曲「エレメント」は松本まりか主演のテレ東系ドラマ「元科捜研の主婦」の主題歌として書き下ろされた心温まるラブソング。4MCと1DJで構成されるTHE BEAT GARDENなりのJ-POPが提示されている。さらにシングルには、「エレメント」とは毛色の異なる恋愛ソング「消しゴム」をカップリング曲として収録。音楽ナタリーではTHE BEAT GARDENにインタビューし、2曲のこだわりポイントはもちろん、KAI(Vo)とkowta2(DJ)の加入から1年の間に起きたグループ内の変化、メジャーデビュー10周年を前にした心境を語ってもらった。

取材・文 / 小松香里撮影 / YURIE PEPE

「Are you ready?」に聞こえる

──「エレメント」は歌い出しからKAIさんのパワフルなボーカルが印象的な楽曲ですが、Uさんはどんなイメージで詞曲を制作されたのでしょう?

U(Vo) ドラマ「元科捜研の主婦」サイドから「科学と愛の曲を主題歌として書いてほしい」というオファーをいただいたところから作り始めました。メロディに関しては、KAIのボーカルが思いっきり爆発できるように書きましたね。THE BEAT GARDENはもともと3人(U、藤掛昌斗、渡部怜)で歩んでいたところにkowta2がサポートで参加してくれるようになり、僕がKAIの声に惚れたことをきっかけに加入してもらって。kowta2も正式メンバーに加わって今の体制になりました。今のビートを広く知ってほしいと思っていたタイミングで素敵なドラマとの出会いがあったので、最初のAメロから思いっきりKAIの歌を打ち出していこうと決めました。

KAI(Vo) Uくんと出会った頃から、いつか一緒にドラマ主題歌を歌いたいという話をさせてもらっていたので、実際に形になってうれしかったですね。

──「エレメント」のデモを聴いたときはどう思いましたか?

KAI 僕はJ-POPを通ってきたわけではないんですが、「J-POPのドラマ主題歌だな」と思いました。そういう曲を自分がメインで歌わせてもらえて新鮮でしたね。この曲には「愛、ゆえに」という歌詞があるんですが、ずっと英語詞の曲を聴いてきた自分にとっては「Are you ready?」に聞こえたので、あえて崩して曖昧に歌って英語っぽく聞こえるようにしたところが自分的に気に入っています。

──1番はKAIさんのボーカルにUさんのラップっぽい歌が混ざっていって、2番は渡部さんと藤掛さんによる歌とラップの掛け合いが展開されます。4人のボーカリストがいるTHE BEAT GARDENならではの構成になっていますよね。

U そうですね。3人で活動していたときもラップはやっていましたが、ラップが多いとドラマの主題歌として合わないかなと感じていたので、今回はちょうどいいバランスにできたんじゃないかな。ボーカルが4人いるのでコーラスの掛け合いも変幻自在ですし、THE BEAT GARDENのスタイルを全部表現できて満足してます。

藤掛昌斗(Vo) 最初にデモを聴いたときは、トップラインがきれいだなと思って感動しました。歌詞も「元科捜研の主婦」というドラマじゃないと生まれなかったであろう内容になっていて、いい化学反応を感じました。大好きな楽曲です。

渡部怜(Vo) “愛を科学で解いていく”という歌詞のアプローチが素敵だし、ドラマで流れたときに登場人物のセリフともリンクしていて、より楽曲に魅力を感じましたね。

kowta2(DJ) 1つひとつの歌詞がすごくよくて「やっぱりUさんって天才なんだな」と思いました。

U ありがとうございます。こんなに褒められて、今日僕の誕生日なのかな(笑)。

kowta2(DJ)

kowta2(DJ)

U(Vo)

U(Vo)

4MCの見せ場

──「エレメント」は科学と家族愛という一見相容れなさそうなテーマの曲ですが、どんなふうに歌詞を膨らませていったんでしょう?

U これまで何度かドラマの主題歌をやらせていただいたことがありますが、曲がセリフと重なって流れることが多いので、セリフを邪魔しないことをまず心がけました。プラス、メロディが際立つところに科学に関する面白いワードを入れようと。「ルーペ」とか「水兵リーベー」っていうワードを入れて、「今なんて言った?」という引っかかりを入れて、ドラマに寄り添う形で歌詞を目立たせたつもりです。

──「愛の二乗以上まで 愛し合ってく」という歌詞は、一緒にいることで数式以上に得られるものがあるということをうまく表現しているなと思いました。

U そうなんです。誰と二乗するかで愛は変わっていくもので、ただの掛け算じゃない。世の中に存在する何万曲、何十万曲、何百万曲というラブソングは、どれだけ好きかをどう表現するかということに勝負を懸けてると思っていて。それを考える中で、「愛の二乗以上まで 愛し合ってく」は作詞中の最後に絞り出した歌詞でした。出てきてすぐにKAIに「どう思う?」と送ったら「めっちゃいいと思います」と言ってくれたので、うれしかったですね。

THE BEAT GARDEN

THE BEAT GARDEN

──タイトルを「エレメント」にしたのはどうしてだったんでしょう?

U 僕はタイトルを考えるのが苦手で。なぜなら自分が書いた歌詞で好きな部分がありすぎるので、タイトルが付けづらいんです(笑)。KAIに「科学でもあり、愛も表現できるようなタイトルを考えてくれない?」と言ったら、「エレメントはどうですか?」と返ってきて。元素は科学用語ですが、愛も元素と密接に関係しているし、いいタイトルだなと思いました。

──大サビ前の「知っていく 守っていく 成ってゆく 知ってゆく」という韻を踏んでいるラインを4MCがそれぞれ歌うのも見せ場ですよね。

U ここは一緒にレコーディングしたんですが、僕と昌斗と怜の声は似てるところがあって、そこにKAIという新しい声が入った新鮮さを感じますね。ライブでも歌い始めてるんですが、ここはテンション上がるよね。

藤掛 見どころだよね。

U いい意味で、我を出しながらレコーディングしましたね。

KAI 大サビ前にどんどん感情が高まっていく感じがすごく気持ちいいですし、4人で歌ってることが一番実感できるパートですね。

渡部 4MCがバトンをつないでいくような感覚がありました。カラオケとかで何人かで歌ってもらえたらうれしいですよね。「知ってゆく」のあとの「科学や数式も説けない愛は隣で」という言葉がギュッと詰まったフレーズが特徴的で、聴いた人が歌いたくなるんじゃないかなと思っています。

渡部怜(Vo)

渡部怜(Vo)

ちょっと違うハモり

──「エレメント」でトライしたことは何かありますか?

渡部 僕は歌うときにきれいにまとめがちなんですが、2番のAメロは遊び心を出しやすいパートだったので、ちょっと気だるくラップっぽい感じで歌うとサビが映えるかなと思って挑戦してみました。

藤掛 僕も2番のAメロだと「綺麗だね」というセリフのようなパートがあって。ワンコーラス通して聴いてもらったときに、そこで少し世界が変わってハッとする瞬間を作れたらいいなと思って注力しました。そのあとの怜との掛け合いはリズムをうまく取るのが難しかったけど、怜の遅取りの感じに合わせたり、お互い細かくリズムを取っていったりしました。

藤掛昌斗(Vo)

藤掛昌斗(Vo)

──UさんとKAIさんのハモりも大きなキーになっています。どんなところにこだわりましたか?

U グループを組んだときから、自分とメンバーが同じくらいの声量で歌うことが夢の1つだったんですが、昌斗と怜もそれをがんばってやってくれていて。KAIはそれを2人とは違うレンジでやってくれる。自分はハモだけどメインのような声量で歌うことはボーイズグループとしてもなかなか珍しい形ですが、KAIのおかげで叶いました。自分の声質は改めてコーラスに向いているなと確認できて面白かったですね。

KAI このハモりは、アレンジをしてくれたKOHDくんとUくんと相談して作ったんですが、普段のハモりとはちょっと違うんですよね。今Uくんが言ったように、どっちもメインに聞こえる。それもあって一緒に歌っていてすごく気持ちがいいです。

KAI(Vo)

KAI(Vo)

──アレンジを手がけたKOHDさんはTHE BEAT GARDENの楽曲でおなじみですが、今回はどんなリクエストをしたんですか?

U ブラスを軸にしてアレンジしてほしいということと、サビは“ザ・ドラマ主題歌”みたいなJ-POPがいいとお伝えしました。KOHDくんはもともとバンドマンで、エッジの効いたサウンドを作るのは得意なんですが、そのうえで「J-POPに仕上げてほしい」「縮こまらずにやりたいことをやってください」とリクエストしました。わざと音割れしているコーラスの後ろにボーカルを入れたり、ギターが歪んでたり、僕らがずっとやってきたロックの香りもする柔らかいJ-POPに仕上げてくれて、KOHDくんならではだなと思いました。