角野隼斗と愛猫のチェロちゃん、プリンちゃん。

猫と音楽家の二重唱 第7回 [バックナンバー]

角野隼斗にインスピレーションを与える実家の愛猫プリン&チェロ

「仲間だと思われていたでしょうし、 僕自身もそう思ってました」

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猫の存在が音楽家のクリエイティビティに与える影響について考える本連載。これまで6回にわたってさまざまな音楽家にインタビューを試みてきたが、音楽家が猫から創作のインスピレーションを得てきたのは現代に始まったことではない。19世紀には猫の鳴き声を模した「猫の二重唱」が作られているし(本連載のタイトルはその作品をもじっている)、そのほかにも数多くのクラシックの作曲家たちが猫の所作や生態からヒントを得ながら作品を作り上げてきた。

そうした作品から影響を受けながら、自身の音楽世界を切り開いているのが、ピアニスト / 作曲家の角野隼斗だ。幼少時からピアノに慣れ親しみ、国内外のピアノコンクールで輝かしい成績を残してきた角野は、実家で暮らす2匹の猫をテーマに「大猫のワルツ」というオリジナル曲を書き下ろしている。愛猫家としても知られる角野は、猫という愛らしくも摩訶不思議な存在からどのような刺激を受けているのだろうか? 彼がセレクトしたプレイリスト「猫と一緒に聴きたい曲」と合わせてお楽しみあれ。

取材・/ 大石始

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ピアノは“日常”のプリン&チェロ

角野のSNSやYouTubeチャンネル「Cateen かてぃん」にはたびたび実家に住む2匹の猫が登場する。茶トラのプリン、17歳。ハチワレのチェロ、16歳。どちらもオスで、角野が中学生の頃にやってきたのだという。

ハチワレのチェロちゃんは16歳、茶トラのプリンちゃんは17歳。

ハチワレのチェロちゃんは16歳、茶トラのプリンちゃんは17歳。 [高画質で見る]

「プリンは名前の通りプリン色をしていて、少し人見知りです。チェロは燕尾服を着ているような柄なので、その連想からチェロという名前になりました。性格的には誰も怖がらないし、逆に言うと何も理解していないんじゃないかっていう感じもします」

プリンちゃん

プリンちゃん [高画質で見る]

ピアノ型爪研ぎでくつろぐチェロちゃん。

ピアノ型爪研ぎでくつろぐチェロちゃん。 [高画質で見る]

プリンとチェロは兄弟ではなく、別々のタイミングで角野家にやってきた。角野は「基本的に仲はいいんですよ」と言うが、こんなこともあるのだという。

「プリンが寝ているところにチェロが『遊ぼうよ!』みたいな感じで、テリトリーを侵食するような行動に出るんですよ。そうすると、プリンの機嫌が悪くなってパンチしてくる。そんなシーンはよくあります」

なお、角野の実家にはグランドピアノがあり、角野だけでなく、ピアノ講師である母親も日々ピアノを演奏している。通常、猫は大きな音を苦手とすることが多いが、角野家の猫たちは「怯えている様子はまったくないですね」とのこと。

「だからといって、そんなに興味を持っている様子もなくて。日常にある音として受け入れてる感じがします。向こうにとっては、家に来たときからあったものなので」

かつての猫たちとの関係について角野は「仲間だと思われていたでしょうし、僕自身もそう思ってました。僕も僕で野生の猫みたいな感じだったので、猫たちから同レベルと思われていたかもしれない」と言って笑う。彼は2023年4月に生活の拠点をニューヨークに移しており、兄弟同様に育った猫たちと離れて暮らすことは「やっぱり、寂しい」のだという。プリンとチェロもまた、遠く離れた異国に住む「仲間」のことを恋しがっているに違いない。

プリンちゃんを膝に乗せながらピアノを弾く角野隼斗。

プリンちゃんを膝に乗せながらピアノを弾く角野隼斗。 [高画質で見る]

猫愛炸裂「大猫のワルツ」誕生秘話

先にも触れたように、角野のYouTubeチャンネルにはたびたびプリンとチェロが登場する。例えば、ビリー・アイリッシュ「bad guy」をカバーしたこちらの動画。ピアノを奏でる角野の真横にプリンが座っていて、そこからは角野家の日常が見えるようだ。だが、角野いわく「あれはめちゃくちゃがんばって録った」らしい。

猫とbad guy

「すぐどっか行っちゃうので、ごはんを食べ終わっておっとりしている時間帯を狙って録りました。途中でプリンの鳴き声が入るんですけど、あれを録るのは楽でしたね。ごはんが欲しいときはすぐ鳴くんで。本人の名誉のために言いますが、あの鳴き声はちょっとピッチを下げてます。あんなに声は低くないんですよ」

また、箏曲家であるLeoとの共演曲では、チェロが画面に入り込む瞬間も映し出されている。

Japanesque Spain (Piano × Koto)

「あれは偶然ですね。プリンはまだ食後だと落ち着いてくれるんですけど、チェロはずっと落ち着きなく動き回ってるので。一カ所で撮るのは絶対無理なんですよ」

角野の猫愛がスパークしているのが、2020年のアルバム「HAYATOSM」にも収録されたオリジナル曲「大猫のワルツ」だ。「大猫」とはプリンのことだそうで、飛び跳ねるようなメロディはまるで猫のステップのようだ。

「コロナ禍はずっと家で過ごしていたので、1日中ピアノを弾いたり動画を作ったりしてたんです。その横でプリンとかチェロが遊んでるわけです。プリンは大きくてポテッとしてるけど、速く動ける。動けるデブみたいな感じで、それがかわいくて。『大猫のワルツ』はそんなプリンの動きを見ながら即興で演奏していたら生まれた曲です」

大猫のワルツ

ミュージックビデオでは2匹のかわいい姿もたっぷり捉えられており、猫愛あふれる動画となっている(角野は猫柄のシャツまで着ている!)。「あの動画は家族がそれまでに撮影してきたかわいいクリップをかき集めて作りました。今までの動画で一番編集が楽しかった(笑)」のだという。

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角野隼斗が受ける猫からの影響とは?

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tonia @tonia_ysmgo

「猫と一緒に聴きたいプレイリスト」
> 無類の猫好きとしても知られる矢野顕子の「Soft Landing」

角野隼斗にインスピレーションを与える実家の愛猫プリン&チェロ | 猫と音楽家の二重唱 第7回 https://t.co/MhLCy0cDQj

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