KiSS KiSSラストインタビュー|まだまだ“スキ”を届けまChu♡

音楽事務所WACK所属のアイドルグループ・KiSS KiSSが、新曲「スキトリップ」を配信リリースした。

WACKらしからぬ“王道アイドル”路線を突き進んできた彼女たちは、2026年内の解散を控える中、約2年ぶりのワンマンツアー「KiSS KiSS Dream Trip Tour」を開催中。残すは4月4日の東京・BLAZE Gotanda公演のみとなっている。

このツアーは、昨夏行われたTikTokキャンペーンでKiSSERS(KiSS KiSSファンの呼称)が「5000投稿」という高いハードルを見事クリアしたことで実現したもの。文字通りファンと一緒につかみ取った“夢の旅”の道中で、彼女たちは今何を思い、何を感じているのか。

音楽ナタリーでおそらく最後のKiSS KiSSインタビューとなる本特集では、ツアーの手応えを聞いたほか、メンバー全員で歌詞を書いた新曲「スキトリップ」の制作エピソードを紹介。また、解散というゴールが見えつつある今だからこそ打ち明けられる、メンバー同士の“好き”を伝えるうれし恥ずかしなリレートークを行った。5人の強い絆と、KiSSERSへのあふれる愛を感じてほしい。

取材・文 / 田中和宏撮影 / 星野耕作

ファンとともにつかみ取った夢のツアー

──現在、KiSS KiSSは約2年ぶりとなるワンマンツアー「Dream Trip Tour」の真っ最中です。今回のツアーはファンの熱量によって実現したものだそうですね。

アイナスター 去年の夏に「キスフロート」という楽曲をリリースした際、TikTokでこの曲を盛り上げるためのキャンペーンを行ったんです。そのノルマが楽曲の投稿数に応じて、「1000投稿で沖縄FC旅行」「3000投稿でワンマンツアー」「5000投稿で全国でTikTok撮影会」ができるというものでした。KiSSERSの皆さんががんばって投稿してくれたおかげで、無事5000投稿を達成して、沖縄旅行、ツアー、TikTok撮影会のすべてが実現できている状態です。「Dream Trip Tour」は、皆さんと一緒につかみ取ったツアーなんです。

──「キスフロート」のキャンペーンはスタッフさんからの提案だったんですか?

キラ・メイ キャンペーンはスタッフさんなんですが、そもそも「キスフロート」を作りたいと提案したのはメンバーからでした。その熱意をスタッフさんが汲み取ってくださって、「そこまで言うならキャンペーンも力を入れよう」と、より多くの方に投稿してもらえるような仕組みを考えて、実施するに至りました。

アイナスター これまでもツアーの提案は何度かしていたんです。でも私たちは配信リリースがメインなので、リリースのタイミングに合わせたツアーを組むのがなかなか難しくて、「ツアーをやりたいけど提案が通らない」という時期が続いていたんです。でも、このTikTokキャンペーンという形であればツアーを組めるというか、“ねじ込める”という感覚があって。「こういう形なら実現できるんだ!」と、道が開けた気がしました。

KiSS KiSS

KiSS KiSS

全国各地で感じたKiSSERSとの“ワンチーム感”

──ツアーは、記事が出る時点で4月4日のBLAZE Gotandaでのファイナルを残すのみとなります。各地を回ってみての手応えはいかがですか?

キャ・ノン 2年ぶりのツアーということもありますし、地方のKiSSERSに会いに行けていることが本当にうれしいです。これまでは東京での定期公演がメインで、皆さんに会いに来てもらう形でしたが、こちらから会いに行ける喜びを実感しています。セットリストを磨き上げ、公演を重ねるごとに成長させていく感覚も、KiSS KiSSとしてひさびさに味わえていて、毎公演どんどん楽しくなっています。

チャンベイビー こうして、ツアーができることは当たり前じゃないんだと、改めて実感しました。KiSSERSのみんなも、TikTokキャンペーンで目標達成できて決まったツアーという意識を持ってくれて、会場全体にワンチーム感があって、熱量がすごいです。

──ナルハワールドさんは、ツアー先に北海道を選んだそうですね。

ナルハワールド はい。単純に北海道が好きだからです(笑)。今回、メンバーが行きたい場所を選べる初めての機会だったんです。KiSSERSの皆さんも「ここに来てほしい」と投票してくれていたので、自分たちが行きたい場所と、皆さんが待ってくれている場所が合致してツアーを開催できたのは本当にうれしいです。

キラ・メイ 私は地元の岐阜を選びました。KiSSERSから「いつか岐阜でライブしてほしい」と言われ続けていたので、このチャンスを逃すわけにはいかないなと。メンバー間で希望が重ならないように調整したのですが、岐阜は私しか選んでいなかったので、スムーズに決まりました(笑)。

──KiSS KiSSにキラ・メイさんがいなかったら、岐阜公演はなかったかもしれないですね。

キラ・メイ そうかもしれないですね。地元の皆さんにライブを届けられてよかったです。

キラ・メイ

キラ・メイ

ライブで育まれるコミュニケーション

──ツアーでは、アンコールの1曲を地方担当メンバーが選んだり、MCに変化をつけたりと工夫されているそうですね。

キラ・メイ アンコールでは、そこの開催場所を選んだメンバーが中心になってしゃべったり、仙台などKiSSERSが選んでくれた公演では全員で思いを伝えたりと、各地で内容を変えています。また、ライブ中には「ドキドキボックchu(ボックス)トーク」という企画もやっています。お題を箱の中から引いて、ファンをドキドキさせるシチュエーションを演じるというもので。

──“王道かわいい”とは真逆の路線を突き進んできたGANG PARADEのメンバーでもある皆さんですが、KiSS KiSSでのかわいいに振り切った活動を経て、恥じらいはなくなりましたか?

チャンベイビー はい。恥ずかしいと思う気持ちを超えました(笑)。初めてのMV「KiSSES」のミュージックビデオ撮影でキス顔を撮ったときは恥ずかしくてチョケたりしちゃってたんですけど、今は堂々とかわいくできています。

チャンベイビー

チャンベイビー

──頼もしいですね(笑)。ステージから見えるKiSSERSの盛り上がりについてはどう感じていますか?

アイナスター ツアーが始まるまでは対バンライブがメインだったので、私たちの意志を100%伝えるのが難しい場面もありました。でも、ワンマンツアーや、途中に挟まったWACKツアーを経て、KiSSERSとの信頼関係がより深まったと感じています。ワンマンで築いた「ここで声を出してほしい」といったコミュニケーションが、対バンやWACKツアーにも生きていて。KiSSERSがいることで、どんな場所でも心強くライブができています。

「王道アイドル」というコンセプトへの向き合い方

──GANG PARADEとしても活動している中、KiSS KiSSの王道アイドルというコンセプトへの向き合い方に変化はありましたか?

アイナスター 「2組をどう切り分けるか?」と聞かれることが多いんですけど、実際はあまり意識していなくて、衣装を着れば自然とスイッチが切り替わります。ただ、グループに対して自分たちで意見を出すようになった昨年あたりからは、熱量がより高まりました。

チャンベイビー 週に一度、スタッフさんとの定例会議を設けるようになってから、KiSS KiSSのことを考える時間が増えましたね。WACKツアーでKiSS KiSSならではのボックchuトークの特典会を企画したり、小さな差別化は意識するようになりましたけど、基本的には自然体でいればギャンパレとは違う、KiSS KiSSの自分たちになれていると思います。

ナルハワールド 私も比較することはあまりないですね。「兼任」というよりは、最初から「別グループ、別人格」という気持ちでやってきたので。それぞれの場所でやるべきことに集中している感覚です。

ナルハワールド

ナルハワールド

キラ・メイ 最初は「かわいく振る舞うにはどうすればいいんだろう?」と手探りでしたけど、意見を出せるようになってからは、実はKiSS KiSSって自由度が高いなと気付いたんです。「かわいい」の枠にとらわれすぎず、自分たちがやりたいことをかわいらしく届ければ、意外となんでもできるんだなって。今は、何を選択して、どう届けるかをみんなでしっかり考えるようになっています。

アイナスター 実際に対バンイベントに出てみると、WACKの中では“王道かわいい”の路線ですけど、いざWACK以外のアイドルの世界に足を踏み入れると、「全然、私たちって王道かわいいじゃないな」と感じるんですよ(笑)。楽曲の振り幅だってそう。90'sテクノっぽい曲もあれば、ボカロっぽい曲もあるし、幅広いんです。ほかのアイドルさんとの対バンではアイドル好きの方が沸きやすい曲を選びつつ、アクセントとしてお洒落なサウンドの「Twilight」を差し込んだり、逆にWACKツアーでは爆発力のあるテクノ曲「KiSS KiSS KiSS」をぶつけたり。楽曲の幅を武器に戦略を立てています。