SEVENTEENがNetflixで配信中のアニメ「BEASTARS FINAL SEASON」Part2のエンディングテーマ曲「Tiny Light」をリリースした。
肉食獣と草食獣が共存する世界を描くアニメ「BEASTARS」シリーズ。その完結作のエンディングを彩る「Tiny Light」は、アニメが大好きで「BEASTARS」の世界を熟知したWOOZIが作詞作曲に参加して制作された。
2月27日には音源が配信され、世界中で話題を呼び、3月30日0時には「Tiny Light」のミュージックビデオも公開された。MVにはSEVENTEENをモチーフにしたキャラクターも登場する。この楽曲の魅力をサウンドと歌詞の両方から紐解くレビューとともに、「BEASTARS FINAL SEASON」Part2を彩る「Tiny Light」を味わってほしい。
文 / 黒田隆憲
「BEASTARS FINAL SEASON」Part2エンディングテーマ「Tiny Light」解説
Netflixで独占配信中の「BEASTARS FINAL SEASON」Part2。そのエンディングを彩っているのがSEVENTEENの「Tiny Light」だ。この書き下ろし曲には、人気グループによるアニメタイアップという話題性に加え、必然性がある。
「BEASTARS」は、肉食獣と草食獣が共存する世界を舞台に「本能と理性」「暴力と愛情」「差異と共生」といった複雑なテーマに正面から挑む作品である。その中心にあるのは、オオカミのレゴシとウサギのハルの関係だ。惹かれ合うこと自体が危うさを孕み、相手に近付くことがそのまま傷付ける可能性を帯びてしまう。お互いに痛みや不安が生じることを見据えながら、それでも相手を選び取る──そうした「BEASTARS」の核心を、「Tiny Light」は歌詞とサウンドの両面からすくい上げている。
まず耳を惹くのは、ストレートかつ疾走感あふれる力強いドラムだ。その上で鋭利なディストーションギターがかき鳴らされ、きらびやかなシンセが重なっていく。そんな、切迫感と開放感を同時に内包するようなサウンドスケープを決定付けているのが、SEVENTEENならではのメロディ感覚だろう。ファルセットを交えたハイトーンボイスを乗せた歌は、どこまでもポップでキャッチー。さらに展開部では、シンフォニックな広がりが、エッジの効いたロックサウンドと鮮やかなコントラストを描き出す。現実の痛みを鋭く描きながら、ファンタジーとしての魅力も失わない「BEASTARS」の世界を、この曲は音像そのもので再現しているのだ。
歌詞もまた、「BEASTARS」のテーマとシンクロする。冒頭で「This tiny light is burning」と歌われるのは、手のひらの上で感じ取れるほどの小さな灯。作詞・作曲・アレンジを担ったメンバーのWOOZIは、原作者である板垣巴留との対談において、「BEASTARS」の世界を「やむを得ない暗さ」と捉えつつ、その中でレゴシがハルを見つめるときだけは「少年のような純粋さと、明るいエネルギーを感じた」と語っている。そうした視点を踏まえ、改めて歌詞に目を向けると「Your quiet breath warms me up / Makes me feel so alive」や「Even if a sudden wind rushes past us / Let you know my heart will never ever waver」といったフレーズは、レゴシがハルに対して抱く思いを、小さくても燃え続ける灯りに重ねたものとして響く。
さらに、「If we fall into different worlds / Even if we're lost and wander around / Oh, I'll find you for sure」というフレーズは、肉食獣のレゴシと草食獣のハルという「違う世界に生きる者同士」が、それでも相手を探し、選び、守り抜こうとする意志を映し出している。同時にこれは、SEVENTEENからCARAT(SEVENTEENファンの呼称)へ向けた真摯なメッセージとして読み取ることもできる。先の対談でWOOZIは、この「Tiny Light」について「レゴシがハルを見つめるときの感情の曲」であり、「咲くことのない乾いた大地の上に、ハルがいるが故に花が咲く」イメージだと語っていた。「BEASTARS」の世界観に強く共鳴した彼が制作の中核を担ったからこそ、「Tiny Light」は物語と鮮やかに響き合いながら、CARATへの思いをも込めた1曲になったのだろう。
痛みを抱えた物語の終幕に、ただ沈むのではなく前へ進むための光を差し込む「Tiny Light」は、SEVENTEENのクリエイティビティ──とりわけWOOZIのアニメへの理解と敬意が結実した1曲でもある。
プロフィール
SEVENTEEN(セブンティーン)
2015年5月にデビューした13人組グループ。JEONGHAN、JOSHUA、WOOZI、DK、SEUNGKWANからなるVOCAL TEAM、S.COUPS、WONWOO、MINGYU、VERNONからなるHIPHOP TEAM、JUN、HOSHI、THE 8、DINOからなるPERFORMANCE TEAMの3チーム、計13人が1つのグループを構成していることから17を意味するSEVENTEENと命名された。楽曲制作から振付に至るまでメンバーが携わっており、2015年5月に韓国で1stミニアルバム「17 CARAT」でデビュー。2018年5月には日本1stミニアルバム「WE MAKE YOU」で日本でのCDデビューを果たした。2023年4月に発表した10thミニアルバム「FML」は7月に累積620万枚の売上を記録し、K-POPのアルバム最多販売枚数における新記録を樹立。ライブ市場でも新たな歴史を刻んでおり、K-POPアーティストとして初めてイギリス「Glastonbury Festival」のメインステージに立ったほか、ドイツ「Lollapalooza Berlin」とメキシコ「Tecate Pa'l Norte」にヘッドライナーとして参加した。世界主要都市のスタジアムで単独公演を開催しており、日本では2022年から4年連続でドームツアーを行っている。2026年2月にNetflixで独占配信中のアニメシリーズ「BEASTARS FINAL SEASON」Part2のエンディングテーマ「Tiny Light」をリリースした。




