DXTEENが2ndアルバム「Heart Beat」をリリースした。
2026年1月にグループ史上最大規模となる東京・有明アリーナ公演を成功させ、代表曲「両片想い」がTikTok総再生数1億回を突破するなど、目覚ましい躍進を遂げているDXTEEN。満を持して発表された本作は、メンバー自身が楽曲選定や振付師の指名、さらには作詞作曲に至るまで主体的に関わった意欲作で、彼らのクリエイティブ面における飛躍的な成熟を証明する1枚となっている。
「Tick-Tack」から始まる“片想い3部作”に代表されるような、みずみずしくさわやかなイメージが強い彼らだが、今作にはそのパブリックイメージを鮮やかに塗り替える楽曲もラインナップされている。ド迫力のサウンドが轟く「BRING THE FIRE」や、ダークな色気を追求した「Want me」などはグループの新たな可能性を提示し、これまでのDXTEENのよさを守りながらも、より力強く、より艶やかに進化した姿を打ち出している。
音楽ナタリーではメンバー6人にインタビューを行い、全収録曲をセルフライナーノーツ形式で解説してもらった。各楽曲の制作秘話はもちろん、恩師・仲宗根梨乃の叱咤激励に初心を思い出したという有明アリーナ公演の舞台裏についても言及。目の前の雲が晴れ、次なるフェーズに向けて迷いなく突き進む6人の現在地に迫る。
取材・文 / 岸野恵加撮影 / YURIE PEPE
なぜ「Heart Beat」か
──アルバム制作にあたってはまず、どんな楽曲を収録するかをメンバー全員で話し合ったそうですね。
谷口太一 はい。メンバーとスタッフさんで意見を出し合って、1つひとつの楽曲をしっかりと準備できた実感があります。「Heart Beat」というタイトルもメンバーで話し合って決めました。確か波留のアイデアだったよね。
大久保波留 うん。ラブソングの「ハルコイ」がリード曲ということもあって、“胸の鼓動”という意味合いがマッチするんじゃないかなって。あと、僕たちがやってみたかったいろんなジャンルの楽曲が詰まっているので、「このアルバムを聴いたらNICO(DXTEENファンの呼称)の胸も高鳴るんじゃないかな」と思ったんです。
谷口 いろんな案が出た中で、メンバーみんな「Heart Beat」がしっくりきて。スタッフさんに提案し、採用していただきました。
01. BRING THE FIRE
平本健 2026年のライブ一発目として有明アリーナ公演をさせていただくことになり、「しっかりオープニングを飾れる、ド迫力の曲が欲しいね」という話になったんです。
寺尾香信 今までは「Handle」か「Dealio!?」がライブの1曲目を飾ることが多かったけど、フェスに出るたびに「もっと激しい曲が欲しいな」と思っていて。「BRING THE FIRE」では、僕らの新しい色をかなり打ち出せたと思います。
大久保 DXTEENの楽曲の中で、熱量が一番高いと思いますね。全員で一緒に「BRING THE FIRE」と歌うパートは本当にカッコいい! これからライブをしていくうえでも、大事な曲になると思います。
田中笑太郎 ダンスもすごく激しいです。振付は以前から依頼したいと思っていた、KAZtheFIREさんにお願いしました。曲名からしてもKAZtheFIREさんしかいないと思ったし(笑)、曲調もすごくKAZさんに合っていて。
大久保 今回のアルバムはほかにも、メンバーから「この方に振付をお願いしたいです」と提案した曲が多いですね。
──「BRING THE FIRE」を有明アリーナで初披露したときの感触はいかがでしたか?
福田歩汰 1曲目ということもあって、めちゃくちゃ気合いが入りました! それぞれが普段とは少し違う、力強さを感じるような歌い方をしていて、よりよく曲を表現できた手応えがありましたね。ライブの雰囲気に合わせて歌い方を変えられる曲なので、これからのライブで披露するのも楽しみです。
──DXTEENといえばフレッシュでさわやかというイメージが定着しているなか、この曲をアルバムの1曲目に据えることでリスナーの度肝を抜けそうですね。
谷口 はい! そうできたらいいなという意図もありました。
02. 両片想い
──2025年9月にリリースされた「両片想い」はTikTok総再生数1億回を突破し、DXTEENの名を広く知らしめた代表曲となりました。改めてなぜ、この曲がここまで愛されたと思いますか?
大久保 いろんな要因が重なったと思います。楽曲選考のときからメンバーみんなですごくいい曲だと自信を持っていましたし、歩汰くんが出演したドラマ「修学旅行で仲良くないグループに入りました」の主題歌になったこと、そしてXで歌詞がバズったことも大きかったですね。恋する気持ちを的確に代弁したような歌詞が、たくさんの方の心に刺さってくれたのかなと。
福田 自分の出演作の主題歌ということもあって、より思い入れが強い曲ですね。歌い出しも自分なので、毎回パフォーマンスするたびに「よし!」と気合いが入ります。
寺尾 「両片想い」という、1度聞いただけでどこか気になるタイトルもいいですよね。僕たちの曲の中では日本語詞が多い曲で、英語の部分もJ-POP寄りのニュアンスになっているので、より多くの方に歌詞が刺さりやすかったんだと思います。
──個人的には、皆さんの甘くてさわやかな歌声と曲調の相性のよさも大きかったように思います。「Tick-Tack」「両片想い」「ハルコイ」の“片想い3部作”で、DXTEENは初めてラブソングにチャレンジしましたね。
大久保 「僕たちの雰囲気や声色はラブソングに合うはず」という確信はずっと前からあったんです。メンバー全員が20代になったタイミングで、かわいさだけではなくカッコよさもあるラブソングに昇華できて、それも功を奏したと思います。
──DXTEENは結成当初から、メンバー自らSNSでの発信にかなり力を入れていましたよね。「両片想い」のヒットは、その努力がついに実を結んだとも言えるのではないでしょうか。
田中 「両片想い」では今まで以上に、みんなで会議をしていろんなアイデアを出し続けました。僕たち発信のものだけで、おそらく200本弱は動画を投稿しましたね。そういう努力もいい結果につながったのかなと。
──ヒットしたことで、DXTEENにどんな変化がありましたか?
寺尾 少しずつ自信が付いたと思います。
大久保 数え切れないくらいあります。「両片想い」がなかったら、もしかしたら有明アリーナ公演は成功していなかったかも……と思うくらい、僕たちの活動を後押ししてくれた楽曲ですね。TikTok用にほかのグループの方とダンスコラボをする際、コラボ相手の方から「この曲知ってます! この曲を歌ってるグループなんですね」と言われることも多くて。曲からグループを知ってくださる方がいたこともうれしいですね。
──有明アリーナ公演で披露した際、観客からのひときわ大きな歓声と掛け声も印象的でした。
谷口 すごかったですよね。「この楽曲を楽しみに聴きに来てくれた人がこんなにいるんだ」と実感したし、うれしかったです。
大久保 たくさん聴いてもらっていることはSNSを通じて知っていたけど、あれだけ多くの方の前で披露する機会はなかなかなかったので、曲が愛されていることを改めて実感しました。
03. ハルコイ
──「ハルコイ」は“片想い3部作”を締めくくる楽曲です。歌詞を読んで、付き合いたてのカップルが抱く高揚感が描かれていると感じました。
寺尾 もう付き合ってるのかな? どうなんだろう(笑)。
谷口 人によっていろんな捉え方があっていいと思います! 僕は、お互い好き合っているということを知りつつも、まだ付き合っていない、そんなもどかしさが楽しい時期だとイメージしていました。
大久保 両片想い期を乗り越えた、両想い時期? 僕たちには付き合う曲はまだ早いかなって……(笑)。
田中 両想いの曲を出すのは何年後かな(笑)。
谷口 歌詞では情景がリアルに描かれているので、共感してもらえる曲になっていると思います。実は「ハルコイ」は「Tick-Tack」を準備している頃から候補として上がっていた曲で。みんなで「いい曲だね」と話しつつも、そのときは「今はリリースするタイミングじゃない」という話になったんですよね。3部作の集大成として発表できてよかったです。
──振付はかわいらしい動きが印象的でした。
谷口 ダンスというよりも仕草に近いような振付なので、歌詞に合わせて、素直に気持ちを伝えるようにパフォーマンスしています。
平本 “片想い3部作”はすべてKAITAさんにコレオグラフをお願いしたんですが、それによって一貫したストーリー性が振付にも表れています。今のDXTEENの強みが大きく出ている楽曲ですね。
──ちなみに、3部作の3曲を続けてパフォーマンスしたことはあるんですか?
田中 まだないですね。いつか通して披露してみたいです!
04. Elements
寺尾 「Elements」は「少しやんちゃな雰囲気の曲も欲しいよね」という話になって選んだ曲ですね。「俺たちについて来いよ!」というムード。普段ボーカルパートが多いメンバーが、ラップをやっていることも新鮮です。
谷口 クールでやんちゃでカッコよくて、ファンの皆さんとパフォーマンスで遊べる曲が欲しかったんです。振付もライブの演出も、いろんな見せ方ができる曲だと思います。
大久保 ちょっとヒップホップな感じもありつつ、ハッピーな雰囲気もある。今までにないDXTEENの姿を見せられる1曲ですね。レコーディングでは普段の僕たちの歌い方から少し離れて、サウンドや曲の展開に合うように歌いました。




