WENDYが3月25日に新曲「Born to run」を配信リリースした。
ベーシストが脱退し、現体制となったWENDY。昨年10月には新体制でUSツアー、11月にUKツアーを行い、憧れの地を巡る海外ツアーを通してバンドの結束力を高めた。
そんなWENDYの2026年最初の動きは、2月より行っている3カ月連続シングルリリース企画。第1弾楽曲「Take your time」では、3人でリスタートしたバンドの覚悟が爽快感たっぷりに歌われている。これに続く第2弾楽曲「Born to run」は、Skye McKenzie(Vo, G)の中からナチュラルに出てきた、地元の仲間たちへの思いが詰まったラブソング。地元を愛し、「世田谷から世界へ」をキャッチコピーに掲げる彼ららしい1曲となっている。
メジャーデビュータイミング(参照:WENDY「Don't waste my YOUTH」インタビュー)以来となる音楽ナタリーのインタビューでは、現体制で行った海外ツアーで感じた手応えや、3カ月連続でリリースされる楽曲について、4月25日に東京・Veats Shibuyaで開催するワンマンライブ「Your faith, My fire」にかける思いなどを聞いた。
取材・文 / 高橋ちえ撮影 / 葛川栄蔵
悲しんでいる暇はない
──約3年前にメジャーデビューを果たしてから現在までの間に、バンドとして大きな変化がありましたよね。
Skye McKenzie(Vo, G) 一番大きな変化は3ピースバンドになったことですね。想像していたよりも今の体制に違和感がないんです。仲間として一緒に活動してきたメンバーが去る悲しさはありましたが、「3人でがんばっていこうぜ」という気持ちで、前向きにしかなりませんでした。
Paul(G) 俺はJohnny(2024年10月に脱退したオリジナルメンバー)と高校時代からの知り合いで、一番付き合いが長かったのでショックも大きかったですが、すぐに「この3人でどう動くか」という方向にシフトできました。悲しんでいる暇はない、やるしかないという感覚でした。
Sena(Dr) リズム隊がいなくなるのは、ドラムとしてはやっぱり寂しかったですね。でも2人が言う通り、この3人でがんばっていかなきゃいけない。悩む間もなく、これからもバンドを続けていくことに変わりはないですから。
──現在は、サポートベーシストを迎えて活動されていますね。
Skye はい。shizupiさん(wagamama)という方が入ってくれて、アメリカやイギリスのツアーも一緒に回りました。俺らの変則的なプレイもすべてカバーしてくれる。shizupiさんと一緒にやってきたことで、技術面でも大きな変化がありました。
Paul 演奏面で、自分たちでも変わってきた実感があります。今では地元の仲間のような感覚で接しています。
Sena 最初は、緊張で演奏中にshizupiさんのことを見られなかったんです(笑)。でも、次第に演奏が合ってきている感覚がわかってきて、今ではアイコンタクトを送りながら安心して叩けるようになりました。
Paul その変化は横で見ていてもわかりますね。最近のSenaは、ライブ中にshizupiさんと目を合わせながらグルーヴをつかんでいく。その生き生きと楽しそうな姿を見て、「いい関係性が築けているな」と感じています。
ルーツをたどったUS&UKツアー
──海外公演のお話も聞かせてください。
Skye 去年はアメリカ・ロサンゼルスで5公演と、初めて行ったイギリスのロンドンとバーミンガムで全7公演を行いました。俺はアメリカに住んでいたけどイギリスと日本のハーフで、4歳以来のイギリスだったので、ひさしぶりの帰国がバンドのライブという形になってすごくうれしかったです。
Paul 俺はイギリスのロックを聴いてきたので、いつか必ず行きたい場所でした。高校生の頃は「一文なしでもいいからギター1本持って学びに行きたい」と思っていたほどです。それがまさか自分のバンドで、しかも現地のJPU Recordsからレコードを出してライブができるなんて。当時は夢見心地すぎて、実感が湧かないままファンタジーの世界にいるようでした(笑)。帰国してから1人でライブ映像を観返して「本当にイギリスでライブをやったんだ」とニヤニヤしていましたね。
Sena 滞在中一番楽しかったのはやっぱりライブですね。日本のお客さんとアメリカとイギリスとでお客さんの盛り上がり方が全然違って、あのすさまじい熱気には驚きました。あと、公演の話からそれますが、個人的にロンドンバスに乗っていろんな街に行けたことがとても楽しかったです。
Skye 確かにアメリカとイギリスと日本、盛り上がり方は全部違ったよね。
──「お客さんの盛り上がり方が違う」とのことですが、海外のお客さんはどんな世代が多かったですか?
Skye 20代がけっこう多かったですね。日本では俺らがやってる音楽のジャンルがクラシックなロックという特性上、年齢層が高い傾向があるんです。だけど海外では若い子たちにもしっかり響いていて、世代問わず響く音楽なんだなと感じました。ロサンゼルスでは憧れだったWhisky a Go Goでライブができました。前座的な立場だったので、「セッティングしたらもう好きに始めていいよ」みたいなラフな感じで、しゃべっていたりバーのほうにたむろしてたりしているお客さんを1回、ステージのほうに引っ張ってこないといけなかった。振り向かせるために、最初にバンド全体でガーッと音を鳴らして1曲目の「Devil's Kiss」の演奏を始めたら、人がズラズラと集まってきて。対バン相手はサンセット・ストリップのベテランで、ザック・ワイルドをもっとゴリゴリにしたようなバンドだったんですけど、そのファンも俺らのライブでノってくれたり、女の子たちもいっぱい前のほうに集まって来たりして客層が幅広いなと思いました。俺らはいつも幅広い世代の人が楽しめるライブ空間を作りたいと思っているから、目指している理想に少し近付けた気がしました。
Paul 本当にすごくいい経験ができたよね。これからはそれを次につなげていかなきゃ。
Skye 日本でもアメリカでもまだ小さな一角でやってるに過ぎないので、俺らはもっともっと精力的に活動していかないといけないんです。世界を獲りたいと思っているから、それまで落ち着くことはできないですね。
日本よりもイギリスのほうがお客さんが多かった
──前回インタビューさせていただいたときに伺った「世田谷から世界へ」という目標が全然ブレていないんですね。
Skye まったくブレてないです。俺らは現状に満足するタイプではないから、何がゴールなのかも正直わからないけど、新しい夢や目標がどんどん出てくるので、本当にもう、死ぬまでやるしかないと思っています。
──イギリスのJPU Recordsとの契約もあって、この先さらに海外も視野に入れて活動をしていきそうですね。
Skye 今回のツアーでつかんだイギリスのファンを絶対に放したくないし、さらに増やしていきたいと思っています。でも実は悔しく感じたこともあって、イギリスのほうがお客さんが多かったんです。イギリスデビューという要因もあったと思うけど……俺らはやっぱり日本のバンドだから母国で愛されるバンドになりたい。日本のライブでもたくさんのお客さんを入れたいっていう気持ちがより一層強くなりましたね。海外でも日本でも、応援してくれる人たちの輪をさらに広げていきたいです。
──ただ海外を目指すだけではなく、日本でも愛されるバンドになろうと。
Skye はい。イギリスやアメリカでのライブは現地のオーディエンスと関係を築きに行っている感覚で、人種や国など関係なしに、ただただ多くの人に俺らの曲を聴いてもらいたい。だけどやっぱり俺らが育ったのは日本だから、日本での活動は本当に大事にしたいですね。
Paul ハーフのSkyeと俺って悪い言い方をすると、どの国にもきちんと属していなくて中途半端なんですよ。俺がロシアに行ったらそこで外国人扱いされるし、Skyeがイギリスに行ってもたぶん外国人扱いされる。かと言って日本にいても外国人扱いされるんですよね。そうやって扱いたくなる気持ちもわかるんです。だけど、俺らならきっと海外との架け橋になれる。歌詞は英語だし、この3人がやっているWENDYだからこそできることもあるんじゃないかなと思うんですよね。
ギターソロは“歌”だから
──2026年2月から3カ月連続でシングルをリリースしていますね。その1曲目としてまずリリースされたのは「Take your time」です。
Skye メンバーが抜けて「これから3人でやっていくぞ」というタイミングで書いた曲です。再スタートにふさわしい1曲になったので、2026年の一発目の楽曲に選びました。ちなみに、この曲を含む3連続リリースの楽曲はすべて俺がベースを弾いています。レコーディングスタジオの中には、正真正銘、僕ら3人しかいませんでした。
──ベーシストがメンバーにいない中で、ベースの音がシンプルなのにすごく印象的かつ重要に感じました。
Skye 作曲・編曲の時点でベースラインは、弾いて入れていて、レコーディングでは、Senaの演奏に合わせて録っていきました。
Paul たまにライブでもSkyeがベース&ボーカルをやるんですけど、これがまたカッコいいんですよ。
Skye タイミング次第ではもっとベース&ボーカルもやってみたいなとも思っているんですけど、まあ俺はステージを走り回りたいタイプなので向いてないかもです……(笑)。
──そうですよね(笑)。「Take your time」のタイトルだけ見ると「ゆっくり行こうぜ」といった内容の歌詞かと思いきや。
Skye 「ゆっくりで焦んなくていいよ」っていう言葉ですけど、「お前はどうぞごゆっくり。でも俺たちの邪魔をするな、時間を無駄にさせるな」という強い意志を歌詞に込めています。1stアルバムの「Don't waste my YOUTH(俺らの青春を無駄にするな)」とも通じるテーマですね。
Paul それをあえてさわやかなメロディに乗せてね(笑)。
──まさにサビの「Take your time but I ain't wasting mine」の歌詞ですね。そしてやっぱりPaulさんのギターソロを聴かせる作りですよね。「Take your time」も3分台の短めな曲ながら、最後にソロをちょっと聴かせています。
Paul ギターソロは絶対に聴いてほしいです(笑)。ギターソロに関しては入れるか入れないかを考えることはなく、曲を作ってると自然に「ここに入れよう」っていう感じになるんです。
Skye 俺らにとってギターソロはAメロとかサビみたいな、必要な構成の1つ。ギターソロは“歌”だからね。絶対にあったほうがいいし、どれだけ尺が短くてもPaulがベストを考えてソロを入れています。
Sena Paulのギターソロは絶対に必要だよね。
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本当に純粋な気持ちでスパーンと書けた





