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佐藤タイジ、ソーラー電力使用による音質向上を実演で紹介

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「電気はつくれる! with Village Vanguard ソトコト的 でんきの教室」の様子。

「電気はつくれる! with Village Vanguard ソトコト的 でんきの教室」の様子。

佐藤タイジ(シアターブルック)が昨日11月16日に愛知・名古屋PARCOで開催されたイベント「電気はつくれる! with Village Vanguard ソトコト的 でんきの教室」に出演。ミニライブとトークを行った。

今回のイベントは雑誌「ソトコト」とヴィレッジヴァンガードによって企画されたもの。佐藤は弾き語りライブとソトコト・指出一正編集長とのトークを交互に行った。まず佐藤は自らがオーガナイズするライブイベント「THE SOLAR BUDOKAN」の実施経緯を説明。もともとシアターブルックが計画していた東京・日本武道館公演が東日本大震災を経て太陽光発電だけで電力をまかなう形式に変わったことを明かしながら「ロックバンドはすごく電気を使うけど、発電所がなくてもやれるんだってことを証明したかった」と理由を話した。

指出編集長が佐藤に「THE SOLAR BUDOKAN」で得たものは何かたずねると、佐藤は太陽光発電の電力を利用したことで「音が全然いい。低音も高音も広がった」と音質が改善したことを挙げる。佐藤はライブ前に電力消費量を把握するためにスタジオでテストしたはずが、ソーラー電源の使用による音のよさのほうが気になったというエピソードを披露した。この発言について指出編集長は「『ソトコト』のエネルギー特集は取り組まなくてはならないテーマなので、なにか楽しくできないかなと思っていました。音のよさは(佐藤)タイジさんじゃないとわからない視点。勉強になりました」と述べた。

そして今回のイベントでもソーラー電源が使用されていることが紹介されると、佐藤は「やってみますか?」とギターを手に実演へ。彼はアンプを会場の電源に繋いだ状態でギターを演奏したあと、ソーラー電力の蓄電システムにて再びプレイ。両サウンドを聴き比べた指出編集長は「これは違うって分かりますね」と評価し、観客もうなずく。佐藤は蓄電システムによる音質向上のメカニズムを説明しながら「『THE SOLAR BUDOKAN』に来た有名なミュージシャンも『全然音が違う』って言ってくれた。一番うれしいのは、政治的なめんどくさいことを取っ払って『音がいいからこっちにしようよ』って言えること。音楽が持っている力だと思います」とソーラーエネルギーの魅力を話し、そのままシアターブルックの楽曲「生理的最高」を歌った。

演奏後はトークに戻り、アイスランドで地熱発電が浸透しているなどの海外エネルギー事情や国内のフェスティバルに関するトークに。FUJI ROCK FESTIVALが参加者らにゴミの分別を根付かせていったという実績を振り返りながら、佐藤は「フェスティバルは未来の社会のサンプルみたいなもの」とコメント。自らの活動についても「世の中に対してフェスができる機能ってまだまだいっぱいあるだろうし、いろいろなことを試していきたい」と意気込んだ。また指出編集長から「音楽は自分のメッセージを伝えやすくしてくれたか」と質問された佐藤は「メッセージを伝えたいから、じゃなくてもともと音楽は好きだから始めたもの」と前置きしつつ、「でも音楽は伝わるスピードが速いと3.11以降に思います。一度にたくさんの人へ伝えられる」と実感したことを明かした。そして佐藤はトークの中で名前が挙がったThe Rolling Stonesの「Gimme Shelter」をカバーした。

佐藤は今後について、「音楽専門の発電所を作りたい。それはどこの国にもない日本ならではの文化になるから、ゆくゆくはそこまで頑張りたい」と話し、クラウドファンディングサービスを通じてレコーディング資金を集めた楽曲「もう一度世界を変えるのさ」を披露。彼はこの音源について「ソーラー電源だけでレコーディングした。めちゃくちゃ音いいよ」と自賛しながら、消費電力量の多いビンテージ機材を使用したため短時間で急いでレコーディングを行ったというエピソードも明かす。そして最後に佐藤は「この曲を1995年に歌ったからこそ『THE SOLAR BUDOKAN』があるんだって曲をやります」と「ありったけの愛」をプレイ。軽快にギターをかき鳴らしながらミニー・リパートン「Lovin' You」をマッシュアップして観客の合唱を煽ったり、「みんなきっとわかってる ソーラーの蓄電池による音楽の演奏が音がいいぜってことを」と歌詞を替えて歌ってみせたりした。

なおこの日の模様は2015年1月5日発売予定の「ソトコト」2月号でもレポートされる予定。気になる人はチェックしてみよう。

佐藤タイジ コメント

今日みたいにアンプを差し替えてみんなが「あれっ本当に違う」って気付く、あの感じこそ音楽の力だと思います。今日はそれができてよかった。音楽って実際に聴かないとわからないし、聴いたらずっと忘れないで覚えているものなので。いま音楽業界はヘコんできてるけれど、ここに必ず活路があるように思えます。

「THE SOLAR BUDOKAN」はいろいろなことのプラットフォームになりつつある。それらを具体的にしていって、来年もみんなで“新しい日本”のシミュレートができるようにしたいですね。

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