NiziU RIKUが語る“夢の原点”テイラー・スウィフト|「The Life of a Showgirl」発売記念インタビュー

テイラー・スウィフトがニューアルバム「The Life of a Showgirl」を10月3日にリリースした。彼女の誕生日の前日である12月12日にはその日本盤が発売される。本作の発売を記念して、音楽ナタリーではテイラーを敬愛するアーティストにその魅力を聞く特集を展開中。第3弾ではNiziUのRIKUにインタビューした。

RIKUは小学2年生の頃、大阪城ホールでテイラーの「Speak Now World Tour」を観てアーティストを志したSwiftie(テイラーファンの呼称)。テイラーは彼女の「アーティストとしての原点」とも言える存在だ。インタビューでは、彼女の人生を変えたライブの思い出から、パワフルな歌声を「一番の理想形」と語るアーティストとしての憧れ、最新作「The Life of a Showgirl」で描かれた葛藤への共感までを熱を込めて語っている。子供の頃に「七夕の短冊に『テイラー・スウィフトさんになりたい』と書いた」というRIKUが、アーティストという夢を叶えた今、その“原点”をどう見つめているのかを聞いた。

取材・文 / 岸野恵加

短冊に書いた「テイラー・スウィフトさんになりたい」

──RIKUさんはNiziUのメンバーとしてデビューした頃から、テイラー・スウィフトへの憧れを明かしていました。テイラーとの出会いは何歳の頃でしたか?

おそらく小学2年生くらいだったと思うのですが、テイラー・スウィフトさんが「ミュージックステーション」に出演されていたのをテレビで拝見したのが始まりでした。私の家族は洋楽が大好きで、家でも車の中でも、ずっと洋楽が流れていたんです。当時、両親がテイラー・スウィフトさんのライブのチケットを2枚取っていたんですが、私があまりにも夢中になったものだから、父が譲ってくれて。そのすぐあとに、母が大阪城ホールで行われたライブに連れて行ってくれました。

──おそらく2011年2月の「Speak Now World Tour」ですね。小学2年生にして、テイラーの生歌を浴びたと。

美声を浴びさせていただきました。生で見て、テイラー・スウィフトさんの歌唱力とパフォーマンスに、本当に圧倒されてしまって。「私もこういう歌手になりたい」という思いが芽生えて、そこからアーティストを志すようになりました。小学生の頃は七夕の短冊に、毎年「テイラー・スウィフトさんみたいになってグラミー賞を獲りたい」と書いていましたね(笑)。それくらい大好きでした。

──RIKUさんの人生を変えた存在なんですね。テイラーのどういうところに、そんなにも惹かれたのでしょうか?

とにかく歌声が本当に素敵で、歌の力をめちゃくちゃ強く感じていました。楽曲もおしゃれだし、高身長のスタイルのよさや美貌にも、幼い頃から憧れていました。そしてたくさんの人の前に立ってパフォーマンスをされている姿が、かわいらしいのにカッコよすぎて。こんなにも人を圧倒することができるんだ……と。

RIKU(NiziU)

RIKU(NiziU)

──時代によってテイラーの音楽性は多彩に変化してきましたが、RIKUさんはどんな楽曲がお好きですか。

今はバラードが特に好きなんですが、昔はポップで楽しい曲が大好きで、高校の文化祭ではクラス全員でテイラー・スウィフトさんの楽曲を踊った思い出もあります。テイラー・スウィフトさんはロマンチックな楽曲もすごく多いですよね。「Love Story」では、シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」を題材にしてみたり。私はいつも曲を聴くときは、まずミュージックビデオを観るんです。映像からシチュエーションを読み取りつつ、歌詞が気になったら和訳を読み込んで「こういう意味やったんや」と噛み締める。そうすることで、曲を2度味わえる感覚があります。「You Belong With Me」は彼女がいる人を好きになってしまった主人公が「自分は彼女よりもっと素敵だし、あなたのことを理解しているから、私のほうがお似合い」と歌っているんですけど、その歌詞とMVがすごくマッチしているんですよ。歌詞を理解してからMVを見返したら、ドラマみたいでさらに面白かったです。

──特に思い出深いアルバムや楽曲を挙げるとすると?

人生で初めてお小遣いを使ったアルバム「Red」です。お父さんと一緒にCDショップに行って、自分の手でレジに持っていったことをよく覚えています。楽曲で言うと、初めてテイラー・スウィフトさんを知った「ミュージックステーション」で披露されていた「Mine」はやはり思い入れが強いですし、「You Belong With Me」も大好き。「Red」の中なら「22」が好きで……挙げたらキリがないくらい、めちゃくちゃたくさんあります(笑)。

──ちなみに、ほかのNiziUのメンバーの中にもテイラーファンはいますか?

みんな好きだと思います。特にRIMA、NINAは英語ができるのでたくさん聴いてきたと思いますし、MIIHIもよく聴いています。NINAは常に海外のアーティストさんの楽曲を聴いていることもあって、2人でよくテイラー・スウィフトさんの好きなところを話したり、オススメの洋楽を教え合ったりしています。

NiziU

NiziU

──RIKUさんが同じアーティストとして、テイラーに憧れている部分は?

テイラー・スウィフトさんの声って、一瞬聴いただけでもすぐにわかる唯一無二の魅力がありますよね。自分がまだ聴けていないテイラー・スウィフトさんの楽曲がふと流れてきたとき、「あれ、これってテイラー・スウィフトさんの声だよね?」と調べたら、本当にそうだったりします。声だけで「その人だ」と世界中の人を惹きつけられるのは本当にすごいですし、アーティストとして心から憧れますね。

──RIKUさんはパワフルな歌声をお持ちですよね。個人的には、そこにテイラーとの共通点を感じます。

うれしいです。おこがましいかもしれませんが、私としても、パワフルなボーカルのスタイルは少しテイラー・スウィフトさんに近い部分なのかな、と感じていて。自分が持っている歌の強さを生かしつつ、テイラー・スウィフトさんのようなテクニックや声の艶をもっと身に付けたくて、私にとって一番理想とする方ですね。スター性はもちろんですが、姿を現しただけで周囲の人を魅了してしまう才能も本当にすごくて、尊敬しています。そして、変化を恐れない姿勢も本当にカッコいい。私はどちらかというと心配性で、何かを自分で決定する強い意志がまだ足りない部分があると感じているので、だからこそ、変化を恐れず堂々とされているテイラー・スウィフトさんの姿を見習っていきたいです。

──RIKUさんは今年10月26日の誕生日に、初めてソロで歌うコンテンツとしてLittle Glee Monster「放課後ハイファイブ」のカバーをNiziUのYouTubeでアップしましたよね。すべてのコーラスを1人でこなしたり、少しこぶしを効かせてみたり、いろんな表現に挑戦されている印象を受けて、聴き応えがありました。

ありがとうございます! 常に9人でいるので1人の環境に慣れなさすぎて、めちゃくちゃ緊張しました。自分にとっては挑戦だったけどすごく楽しかったので、今後はグループではもちろん、1人でも人を魅せられるアーティストになりたいです。

──歌に感情が乗っているように感じました。それはテイラーの歌にも同じものを感じます。

本当ですか? 実は感情を歌で伝えることは、自分の中で課題だと思ってずっと意識しているんです。NiziUは曲の雰囲気に合った声を出したり、バラードをすごく感情を込めて歌えたりするメンバーも多いので、自分の歌に一番足りていないものだと思っていて。そこはもっと身につけていきたい部分ですね。

──RIKUさんは飾らない人間性が魅力的だと感じますが、私はそれをNiziUのライブでも感じていたんです。素直な自分自身のまま、ステージに立たれているような印象を受けます。

ありがとうございます。確かに、自分でも素直な性格ではあるなと思うので(笑)、そこは自分の魅力として、これからも皆さんにお届けできるようにしたいですね。

──ちなみに、もしテイラーの曲をカバーするとしたら、RIKUさんはどの曲を歌いたいですか?

うーん、どの曲も本当に歌うのが難しいんですよね……(笑)。もし自分がカバーさせていただくのなら、よく聴いていたアルバム「1989」に収録されている「Bad Blood」など、パワフルな曲を歌ってみたいです。小学生の頃はよくカラオケでテイラー・スウィフトさんの楽曲を歌っていて、よくお父さんがカタカナで書き出してくれた歌詞を見ながら練習していました(笑)。「Mine」や「Mean」を歌うことが多かったかな。最近は全然カラオケに行けていないんですけど、お風呂で鼻歌を歌ったりしています。