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“素晴らしい2人のドキュメンタリー”「ラヴ・レターズ」PARCO劇場で開幕

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左から松重豊、大竹しのぶ、藤田俊太郎。

左から松重豊、大竹しのぶ、藤田俊太郎。

「ラヴ・レターズ~こけら落としスペシャル~」が、本日2月12日に東京・PARCO劇場で開幕。松重豊大竹しのぶが出演する初日を前に、フォトコールと会見が本日行われた。

「ラヴ・レターズ」は、2017年に死去した青井陽治の翻訳・演出により、1990年から上演されてきた朗読劇。互いを意識しながらも別々の道を選んだ幼なじみの男女がやがて再会を果たし、激しく惹かれ合う様が描かれる。

フォトコールでは第1幕ラストの約10分間が公開された。大黒幕が下ろされた舞台には白いラグが敷かれ、その上に2脚の椅子と、水差しとコップが置かれたテーブルが設置されている。松重は下手側の緑色の椅子に、大竹は上手側の紫色の椅子に座り、台本を手に幼なじみのアンディーとメリッサの心がすれ違う様を演じた。

その後、松重と大竹、演出の藤田俊太郎が舞台上に登場し、報道陣の取材に応じた。大竹は新生PARCO劇場の感想を「あまりに美しいのでびっくり。以前は楽屋らしい楽屋がなかったと思うのですが(笑)、綺麗で立派な楽屋ができていました」と話す。大竹は本作が同劇場の“こけら落としスペシャル”であることに触れつつ、「30年前に出演した『ラヴ・レターズ』をもう1度できるのは、とても感慨深い」と心境を語り、「歳を重ねたことで、悲しみとか開き直りとか理解できることが増えてきた。年齢や読む人によってずいぶんと違った内容に見える作品なんだろうなと思います」と分析。稽古は1回のみと定められている本公演の本番に向け「不安もあるけど、その時々に生まれる感情を大切にしたい」と意気込んだ。

二十代の頃、蜷川幸雄演出の「なぜか青春時代」で初めて旧PARCO劇場に立ったという松重は「僕は蒸気機関車を暴走させて突っ込む役だった。おしゃれだけど、既成概念を突き破るようなお芝居が上演されていた」と劇場の印象を述べ、「今回は蜷川さんの愛弟子である藤田さんとご一緒できるのもうれしい」と藤田に視線を送る。また「1回しか稽古せずに舞台に立つのがどれだけ不安か……」と苦笑しながら、蜷川が本読みを行わずに稽古初日から立ち稽古を行っていたことを挙げ、「あのやり方を叩き込まれた人間がお客様の前で本を読むのは、逆に覚悟がいる(笑)。ワクワクドキドキしています。破綻がないようにしたいです」と期待を口にした。

藤田は「独りよがりになりがちなこの時代に、“相手に思いを伝える”という演劇の神髄が詰まったこの作品を上演できるのをうれしく思います」と挨拶し、大竹が1990年の第1回公演に、松重が2003年の第293回公演に出演したことに言及しながら、「1回だけの稽古、1回だけの本番に、無垢な気持ちで挑戦してくださっている」「お二人ともすごく素敵だから、早く観てほしい」と期待を煽る。最後に藤田が本作を「今日この日にしか観られない、2人の素晴らしい俳優のドキュメンタリーだと思って観てほしい」とアピールし、取材は終了した。

「ラヴ・レターズ~こけら落としスペシャル~」は本日の松重・大竹ペアの公演を皮切りに、2月16日に井上芳雄坂本真綾、21日に市村正親草笛光子、23日にリリー・フランキー橋本愛、25日に加藤和樹愛加あゆにより上演される。なお本作の上演回数は、25日に500回を迎える予定だ。

「ラヴ・レターズ~こけら落としスペシャル~」

2020年2月12日(水)~25日(火)
東京都 PARCO劇場

作:A.R.ガーニー
訳:青井陽治
演出:藤田俊太郎

出演

2月12日(水)松重豊大竹しのぶ
2月16日(日)井上芳雄坂本真綾
2月21日(金)市村正親草笛光子
2月23日(日・祝)リリー・フランキー橋本愛
2月25日(火)加藤和樹愛加あゆ

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