「PURGATORIO」は、「死と乙女」「谷間の女たち」などで知られるチリの劇作家アリエル・ドーフマンによる二人芝居。劇中ではギリシャ悲劇のエウリピデス「王女メディア」をモチーフに、1組の男女の愛憎や許しが描かれる。本作では映画監督の
草刈は演出のバーターに「演劇に対する知識の深さ、俳優の導き方の素晴らしさに感動し、ぜひ、バーター氏と共に作品を創ってみたいと思うようになりました」と信頼を寄せ、本作を選んだ理由を「ユーモアがありながらも、スリリングで目が離せない展開、なおかつ、普遍的なテーマを持つこの作品に釘付けとなりました」と語る。草刈から直接オファーを受けたと言う高嶋は、「ドーフマンの名作を周防監督が脚色し、バーター先生が演出するというすごい舞台ですが、その“すごさ”はあえて意識せずに、いい意味で肩に力を入れず作品に向き合っていきたいと思っています」と抱負を語った。チケットの一般販売は7月中旬にスタートする予定だ。
草刈民代コメント
ニコラス・バーター氏と出会ったのは2年前です。この2年の間、何度かワークショップに参加してきましたが、演劇に対する知識の深さ、俳優の導き方の素晴らしさに感動し、ぜひ、バーター氏と共に作品を創ってみたいと思うようになりました。バーター氏と共に戯曲を探しているうちに、アリエル・ドーフマン氏の「PURGATORIO」のことを知り、とても興味を持ちました。ギリシャ悲劇の「王女メディア」をモチーフに、人間の愛憎と許しを描いた物語です。ユーモアがありながらも、スリリングで目が離せない展開、なおかつ、普遍的なテーマを持つこの作品に釘付けとなりました。日本語でもこの面白さを観客の皆さんに伝えたい! 今回は、脚色を周防正行が担当いたします。昨年バーター氏と周防を交えて戯曲を読む機会を設け、バーター氏の解釈のもとに周防が脚色しました。共演の高嶋政宏さんは、舞台でも高い表現力を持っていて、何より芝居に対しての取り組み方が素晴らしい方です。高嶋さんも私も、若い頃から表現者として活動をし、各々経験を重ねて参りました。バーター氏との作品創りを通して、お互いに新たな発見をし、新たな境地を目指せるのではないかと、今からワクワクしています。
高嶋政宏コメント
去年、草刈さんから「王女メディアをモチーフにした作品で、メディアとイアソンが煉獄で会うような二人芝居なんですけれど」と直接オファー頂いたんです。直観的にこれは面白いぞと感じ、すぐお引き受けしました。その後、周防監督が脚色した台本が届き、直観が確信に変わりました。絶対に面白くなる!と。昔から神仏や煉獄、天国や地獄といったものにとても興味があるので、僕にとって最高のテーマです。ドーフマンの名作を周防監督が脚色し、バーター先生が演出するというすごい舞台ですが、その“すごさ”はあえて意識せずに、いい意味で肩に力を入れず作品に向き合っていきたいと思っています。周防監督は「語尾は役者のものだから」とおっしゃってくださっていると伺いました。草刈さんとの稽古で実際に声を出し何度も動いていくなかで、どういう作品になっていくのか、今から楽しみです。とにかく、舞台上で登場人物の男をどう生きられるか――これに全力を注ぎたいですね。舞台が煉獄ですので、お客様は“神”の目線で見るような感覚もあるかもしれません。受け取り方によっていろいろな見方ができる作品ですので、その余韻も含めて楽しんでいただける作品にしていけたらと思っています。
「PURGATORIO(プルガトリオ)-あなたと私のいる部屋-」
2019年10月
東京都 東京芸術劇場 シアターウエスト
作:アリエル・ドーフマン
脚色:
演出:
出演
女:
男:
※高嶋政宏の高は、はしごだかが正式表記。
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